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病魔喰らい ~世界最弱の病人は、世界を旅して神を超える~  作者: 伝説の男前
第一部 第一章「絶望編」

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第百十四話「一年後の約束」

古い神殿への、道中、零たちは、これまでの、旅で、幾度となく、見てきた、様々な、砂漠の、集落を、経由していった。


「――この辺りも、随分と、乾いた、土地ね」


聖が、周囲の、荒涼とした、景色を、見渡しながら、そう、呟いた。


道中、立ち寄った、小さな、集落で、零たちは、思いがけない、出会いを、果たすことになった。



「――旅の、お方々、どこへ、向かわれるので?」


集落の、長老らしき、老人が、そう、声を、かけてきた。


「南方の、神殿へ、向かっています」


零の、答えに、老人は、静かに、頷いた。


「ほう。あの、神殿には、古くから、伝わる、興味深い、話が、ございましてな」


「どのような、話ですか」


零の、問いに、老人は、静かに、語り始めた。



「――かつて、この地には、偉大な、賢者が、おりました。その賢者は、人々の、病を、癒す、力を、持っていたと、言われております」


その、話に、零は、静かに、耳を、傾けた。


「ですが、賢者は、ある日、突然、姿を、消しました。人々は、賢者が、神殿の、奥深くに、眠りについたのだと、信じております」


「眠りについた……?」


「ええ。いつか、再び、人々が、賢者の、力を、必要とする日が、来たとき、賢者は、目を、覚ますだろうと、言い伝えられております」


その、伝承に、零は、灰堂の、姿を、思わず、重ねていた。



(灰堂さんも、いつか、賢者のように――)


零は、静かに、そう、思いながら、老人に、尋ねた。


「――もし、大切な人が、病に、倒れているとしたら、何を、すればいいと、思いますか」


その、問いに、老人は、静かに、微笑んだ。


「――大切なのは、その人が、生きた、証を、忘れないこと。そして、その人の、教えを、しっかりと、受け継いでいくことでしょう」


その、言葉に、零は、深く、頷いた。


「――ありがとうございます」



集落を、後にしながら、零は、静かに、灰堂への、想いを、改めて、噛みしめていた。


「――灰堂さん、必ず、また、会いに、行きます」


零の、静かな、決意に、聖が、優しく、微笑んだ。


「きっと、会えるわ。灰堂さんも、あなたのことを、待ってるはずだから」



その夜、零は、静かに、手紙を、書くことにした。


「――灰堂さんへ」


零は、これまでの、旅で、経験してきたこと、学んできたこと、そして、新たに、出会った、仲間たち――エルナのことも、丁寧に、綴った。


「――俺は、必ず、一年以内に、灰堂さんに、会いに、行きます。その時までに、もっと、成長した、姿を、見せられるように、これからも、精一杯、旅を、続けます」


零は、静かに、その、手紙を、封筒に、収めた。


「――これ、次の街で、送っておくよ」


熊谷が、そう、申し出てくれた。


「ありがとう、熊谷」



夜空を、見上げながら、零は、静かに、心の中で、灰堂との、約束を、改めて、確認した。


「――一年後、必ず、会いに、行きます」


その、確かな、決意を、胸に、零たちは、次なる目的地――南方の、神殿へと、その、旅路を、進めていくのだった。


見知らぬ、砂漠の国の、静かな夜、零の、灰堂への、想いは、これからの、旅の、大きな、原動力の、一つと、なっていくのだった。


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