第百九話「王家の呪い」
ピラミッドでの、戦いを、終えた、零たちは、学者たちから、深い、感謝の言葉を、受けながら、この国での、さらなる、調査を、進めていくことになった。
「――皆様のおかげで、調査隊の、仲間たちの、容態も、快方に、向かい始めています」
初老の、学者が、深く、頭を、下げながら、そう、告げた。
「本当に、ありがとうございました」
零は、静かに、頷いた。
「まだ、この国には、他にも、異変が、あるかもしれません。何か、心当たりは、ありますか」
零の、問いに、学者は、少し、考え込んだ後、静かに、口を、開いた。
「――実は、別の、王朝の、墓所でも、似たような、話を、聞いております」
「別の、王朝の、墓所……」
「ええ。かつて、この国には、幾つもの、王朝が、栄えてきました。それぞれの、王が、自らの、永遠を、求めて、様々な、墓を、築いてきたのです」
その、話に、零たちは、顔を、見合わせた。
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「――『王家の谷』と、呼ばれる、場所が、あります」
学者は、地図を、広げながら、続けた。
「多くの、ファラオたちが、眠る、聖地です。最近、そこでも、妙な、噂が、広まっていると、聞いております」
零は、静かに、頷いた。
「そこへ、向かいます」
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王家の谷へと、向かう、道中、零は、これまでの、旅で、出会ってきた、様々な、「永遠を求める、想い」について、静かに、思いを、巡らせていた。
「――エルナ、お前は、永遠って、どういうものだと、思う?」
零の、唐突な、問いに、エルナは、少し、考え込んだ。
「――ワタシハ、病神様ニ、創ラレタ、存在。永遠ニ、消エナイ、コトモ、デキタカモシレナイ。デモ」
エルナは、静かに、続けた。
「――貴様タチト、出会ッテ、思ウ。永遠デ、アルコトヨリモ、今、コノ、瞬間ヲ、大切ニスルコトノ、方ガ、意味ガアル、ノデハナイカ、ト」
その、深い、洞察に、零は、静かに、感心した。
「エルナ、随分、成長したな」
「――貴様タチカラ、多クヲ、学ンデイル」
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王家の谷に、到着すると、そこには、これまで、見てきた、どの、墓所とも、異なる、静謐な、空気が、漂っていた。
「――ここにも、いるみたいだな」
零の、言葉に、一同は、緊張を、強めた。
谷の、奥深く、ある、一つの、墓の、入り口から、これまでの、旅で、幾度となく、感じてきた、あの、重苦しい、気配が、確かに、漂っていた。
「――行こう」
零の、言葉に、聖、夜、熊谷、花霞、エルナが、それぞれ、頷いた。
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墓の、内部に、足を、踏み入れると、そこには、精緻な、装飾が、施された、石棺が、静かに、安置されていた。だが、その、周囲を、黒い、靄が、まるで、蛇のように、絡みついていた。
「――ヨウヤク、来タカ」
聞き覚えのある、こもった、声。靄の中から、これまで、対峙してきた、四天王――農村地帯と、氷河で、戦った、あの、水と、大地を、司る、四天王が、再び、姿を、現した。
「――お前、まだ、生きて、いたのか」
零が、問いかけると、四天王は、静かに、頷いた。
「――病神様ノ、御力ヲ以テ、我ハ、再ビ、コノ地ニ、遣ワサレタ。今度コソ、貴様ラヲ、確実ニ、排除スル」
その、宣告に、零は、剣を、構えた。
「何度でも、来い。俺たちは、その度に、必ず、お前を、退ける」
見知らぬ、砂漠の国の、王家の谷で、零たちの、新たな、戦いが、再び、始まろうとしていた。




