【第18話-23】─ 番外編:芸能界編二期
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【Scene27:ドラマが終わり】
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時は、二人の結婚式シーンを撮影したあの日に遡る。
「はい、カット! ――オッケーです!!」
監督の声がスタジオに響き渡り、ドラマのすべての撮影が終了した。
そのカットの声を合図に、式場を包んでいた空気は一瞬にして、二人のための純粋なプライベートの時間へと切り替わった。
この場にいる全員が、事前に二人の入籍予定を詳しく聞かされていた。
だからこそ、ドラマパートを撮影しているその時から、参列者にとっても役者にとっても、これはすでに”本当の結婚式”そのものだったのである。
このドラマが、制作段階から徹底して役者たちの”本名”と”本人としての出演”にこだわり続けてきた理由――そのすべては、まさにこの瞬間のためにあった。
決して撮り直しのきかない、一発勝負の真剣舞台。
もしも感極まった参列者が、演技を忘れて思わず本名を呼んでしまっても問題がないように。
そして何より、本当の家族がそこに居ても問題ないように。
何ひとつ偽ることなく同じ空間で二人の門出を祝福できるように。
香織が仕掛けた、どこまでも優しく緻密な舞台装置だったのだ。
やがて、それまでカメラに映らないよう後ろの席で静かに控えていた家族や一族の面々が、堰を切ったように前の席へと移動を始めた。
「千晴、本当に綺麗だったよ~~っ!」
泣き崩れながら新婦に抱きつく友人や、温かい涙を流しながら二人を囲む家族たち。そこにはもう、演技も演出も一切存在しなかった。
祭壇の下では、監督、シナリオライター、そしてカメラマンの三人も、一人の参列者として席に着いていた。
「編集作業は明日からだ! 今日はもう、祝い酒を徹底的に飲むぞ!!」
「良いっすねぇ、もちろん最後まで付き合うっすよ」
「……これ、今からでも回していいですよね。もちろん、プライベートの記念用途としてですが」
カメラマンは愛おしそうにレンズを見つめながら、職人らしい笑みを浮かべた。
劇中劇としても、そして現実の彼らにとっても、この感動的な瞬間の誓いと祝福をもって、すべての撮影が完璧にクランクアップを迎えたのだった。
次回予告
「特設Webページで限定公開された、特別ディレクターズカット版」
地上波での本放送からどのように変わったのか。
どんな特典が付いたのかが語られる。
「監督、これを地上波の尺に入れられなかったのは本当に残念っすね」




