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三人のヒロインとシェアハウスすることになった僕は、全員を本気で愛して呪われてしまった。 ――告白は観覧車のてっぺんで  作者: iron-bow
【第18話】─ 番外編:芸能界編二期

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【第18話-21】─ 番外編:芸能界編二期


【Scene24:最終話】



第十一話(最終回)は、九十分延長スペシャルとして、オープニング映像なしで始まった。


本編が始まると、晴道が千姫の三人と順番にデートをしていく様子が、幸せそうな彼女たちの表情とともにじっくりと尺を使って描かれていく。

そして最後に、晴道はそれぞれの前で同じ言葉を告げるのだった。


「いま、俺は千晴と付き合っている。だから、君と付き合うことはできない」



一人目、千秋。


「晴道さん、何かうぬぼれているんですか!? 私、晴道さんに告白とかしました?」

「あっ、いや、それは……」

「はぁ、これだからちょっとモテる男は……」


そう言って晴道にパッと背を向ける千秋。しかし、彼女の顔がアップになると、その目からは大粒の涙が流れ落ちていた。



二人目、千鶴。


「そっか、残念です。でも、今まで通りの妹分として付きまとうのはOKですよね!」


千鶴の目に涙は無かった。

その代わりに、彼女の表情には“絶対に逃がさないんだから”という強い決意が満ちあふれていた。



三人目、千紗。


「はぁ、何を今さら? 最初から分かっていたことじゃん。私“はとこ”だもん、何があってもそれは変わらないよね! 晴道お兄ちゃん♡」


何があっても関係は変わらないという宣言。それはある意味、最強の返しだった。



CMが明けると、場面は何の説明もないまま、ある結婚式場のシーンへと移り変わる。

だが、視聴者の誰もが瞬時に確信していた。

これは、晴道と千晴の結婚式なのだ、と。


親族や関係者席には

小泉洋介・沙織夫妻、香織、太一・美智香夫妻

高橋幸恵

そして中田美由、田中由美、水澤美月、里塚由美子、氷室優香、如月千紗、如月千秋、島村千鶴が参列している。


実は画面に映っていない場所では、ドラマに出演していない面々――

高橋家の長女・志晴、次女・美晴、その彼氏の坂下亮太


そして一ノ瀬一家の直人・葉月夫妻、花音、文晴、さらには赤ん坊の晴音までもが、皆、少し後ろの席に隠れるようにして座り、式を見守っていた。


厳かに始まる式。


新郎の晴道が待つ祭壇の元へ、父の進に手を引かれた千晴が入場してくる。


「綺麗……」

「本物には敵わないね」

「本当は私が……、やっぱり私、負けヒロイン?」


千秋、千鶴、千紗の三人が漏らしたその呟きは、収録のマイクに拾われることはない。


厳かに式は進み、二人が誓いのキスを交わしたところで画面は暗転し、エンディングへと突入する。


エンディングの映像は、これまでの名シーンを振り返る特別な映像だった。


そしてエンディングが終わった後、画面には幸せそうな家庭を築いている晴道と千晴の姿が映し出され、物語は静かに幕を閉じた。



【Scene25:真実】



最終回の感動的な結末に、視聴者たちがどっぷりと余韻に浸っていた、まさにその時のことだった。

テレビ画面にはCMすら挟まれることなく、唐突に特別なインフォメーション映像が始まった。


画面に現れたのは、先週と同じく、美由と美久の二人だった。


「皆様、このドラマを永らく視聴いただき、本当にありがとうございます」

「……実は、この映像、いま生放送でお届けしているんです」

「私たちも、いま楽屋で皆さんと一緒に最終回を視聴していました」

「本当に、とっても素晴らしい最終回でしたよね」


二人は画面の向こうの視聴者に語りかけるように微笑むと、テンポよくいつもの告知へと移った。


「それでは、いつものインフォメーションです。本当に多くの方に事前予約をいただきました特別写真集ですが、予定通り、明日から全国の書店や店頭での受け取りが可能となります」

「さらにここで、皆様へ重大発表です! 実は明日から、この写真集の”千晴バージョン”も緊急発売されることが決定いたしました!!」


その瞬間、テレビの前、そしてネット上の視聴者たちの間で凄まじいどよめきが起こった。


『すっげー!!』

『買う! 千晴バージョンとか絶対に買う!!!』

と、SNSは瞬く間に大盛り上がりとなる。


しかし、そのお祭り騒ぎのような喧騒は、次に美由が口にした一言によって、水を打ったように静まり返ることとなった。


「――そしてもう一つ、特別発表がございます」


『えっ、何……?』

『続編の決定か? それとも特別スペシャル番組?』

視聴者たちが固唾を呑んでモニターを見つめる中、美久が真っ直ぐにカメラを見据えて告げた。


「それでは、中継を繋ぎます」



パッと切り替わった画面に映し出されたのは、夜間ということもあって静まり返った、どこかの役所の時間外窓口の光景だった。

カメラの前には、晴道と千晴の二人が並んで立っている。


「はい。それでは皆様、私、小泉晴道から発表させていただきます」

晴道と千晴は一瞬だけお互いに顔を見合わせ、深く深く頷き合った。そして、二人の声が完璧に重なり合う。


「小泉晴道と」

「高橋千晴は」

「「ただいまから、役所へ婚姻届を提出することを、ここにご報告いたします」」


『な、なんだって~~!?』


日本中のリビングから、そして夜空の向こうから、一斉にそんな絶叫が響き渡った。


驚天動地のサプライズの最中、晴道は手にした婚姻届を窓口の夜間受付職員へと手渡した。

事前に書類の不備をチェックし終えていたのか、婚姻届はその場ですぐに、あっけなく受理される。

役所への手続きを終え、カメラの方へと振り返った晴道と千晴の二人は、丁寧に深く頭を下げた。


「これからも、小泉晴道と」

「――小泉千晴を」

「「暖かく、応援いただきますよう、よろしくお願いいたします」」


そして、ゆっくりと頭を上げた晴道と千晴の二人は、劇中のどんな名演技をも遥かに凌駕する、心の底からの、本当に幸せそうな本物の笑顔を画面いっぱいに見せるのだった。


次回予告

「一件の漏洩すら許さない」


全国の書店に届けられる商品に掛けられた、み組の徹底された”仕組み”

そこまでして守った秘密とは?


「こんな条件、法的に許されるのか?」


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