【第18話-14】─ 番外編:芸能界編二期
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【Scene17:閑話(準備)】
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それは、ドラマの撮影が開始されてまだ間もない頃。
千紗たちは、例のCD特典となる限定写真の撮影を控えていた。
今回、撮影のために葉月の演技指導を受けることになった三人は、”霞の宿”に来ていた。
現在妊娠中である葉月の体調を思いやり、東京まで呼び出すことが無いようにとの計画だった。
「あのね……高校の卒業旅行のとき、ここに泊まったの。まさに、この部屋だったなぁ」
案内された新別館最上位の部屋。
畳の上に布団が“四つ”並べられた『霞の間』で、千紗がふと、懐かしそうに昔の思い出を語りだした。
「ああ、五年前のことですね」
すかさず千秋がニヤニヤしながら茶化す。
「四年ちょっと前よ、千秋! あなた今晩は隣の”霧の間”に一人で泊まりなさい」
振り返った千紗の目が、ガチで据わっている。
「……で、誰と来たんですか?」
お茶を啜りながら、千鶴が淡々と尋ねた。
「晴道と、優香とよ」
「えっ? 優香さんって、その頃はまだ……」
(晴道お兄ちゃんを千紗お姉ちゃんと取り合ってた頃だよね)
後半の言葉は飲み込みながら、千秋が驚きに目を見開く。
「あの時はさ、千紗と優香と花音さんと美由さんと、五人で“した”っけ……」
そこへ、湯上がりの晴道が、何気ない様子でいきなり会話に割り込んできた。
「は、晴道っ!? なっ、何言ってるのよぉぉぉ〜〜〜っ!?」
顔面を真っ赤にして、文字通り飛び上がって絶叫する千紗。
そんな大慌ての千紗の姿を横目に、
「千紗お姉ちゃん、今さら?」
千鶴の冷静なツッコミが鋭く冴え渡った。
「ふふ、でも今週は私たちの”夜の当番”の週でよかったね。今回は四人だからその時より少ないよ」
千秋が妖艶な笑みを浮かべて晴道の腕に絡みつく。
「あら、五人でよ」
鈴を転がすような、しかし絶対的な存在感を放つ声が室内に響いた。
声のした方を全員が一斉に振り返る。
そこには私服姿のままで、堂々と部屋に佇む花音の姿があった。
「なっ……なんだってぇぇぇ〜〜〜っ!?」
こうして、五人の熱く、どこまでも濃密な夜が幕を開けるのだった。
次回予告
「静かな新幹線の中で始まる物語」
あの日と同じ観覧車で明かされる『まだ、駄目』の真実と、完璧に重なり合う二人の魂――
すべての決着をつけるために向かう先とは――
「……結論は、出たのね? 決心はできた?」




