【第18話-04】─ 番外編:芸能界編二期
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【Scene07:閑話(ゴシップ記事)】
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これだけの話題を文字通り「かっさらった」のだ。当然、動き出す人種がいた。
他人の秘密を暴いて飯を食う、ゴシップ専門の週刊誌記者やパパラッチたちである。
由美子と晴道が抱える過去、さらに瑞月との根強い噂。
そして業界ではすでに公然の秘密となりつつある、現在のシェアハウスの実態――。
大衆の目を引くスキャンダラスな燃料には事欠かなかった。
しかし、実際にカメラを手に動いたのは、まだ業界に疎い駆け出しや、現場の下っ端ばかりだった。
中堅以上の記者やベテランのパパラッチであれば、誰もが知っているからだ。
「み組」に手を出し、その逆鱗に触れた人間が、その後どんな目に遭っているかという悍ましい噂を。
下っ端たちがどれだけ血眼になって決定的なネタを掴み、社に持ち込もうと、デスクや編集幹部は青い顔で首を振るだけだった。
「お前、み組に喧嘩を売るなんて、うちの会社を丸ごと潰す気か?」
どこの出版社も、彼らのネタをまともに相手にしようとはしなかった。
そんな中、唯一、我こそはと動き出した編集局があった。
世間では『〇〇砲』などと渾名され、あくどいゴシップネタの連発で急速に成り上がってきた大手週刊誌である。
「これはミリオン確実の大ネタだ」
数字に目が眩んだ編集長は、自ら筆を執って記事を書き上げ、鼻息荒く編集会議へと提出した。
しかし、待っていたのは上層部からの冷酷な一蹴だった。
「この業界で明日からも生きていきたければ、その馬鹿な考えは今すぐドブに捨てるんだな」
だが、近年の爆発的な売り上げをすべて”自分の手柄”だと過信していた編集長は、その警告をただの臆病風だと切り捨てた。
彼は社の上層部に一切の許可を得ることなく、独断でWEB版の誌面にそのスキャンダル記事をアップロードした。――勝負に出たのだ。
しかし、ボタンがクリックされたその瞬間。
会社のサーバーは、突如として発生した大規模なサイバーテロにより完全にダウンした。
ほんの一瞬の出来事だった。
アクセス解析に表示された数字は、編集長自らが確認のために開いた「1」のみ。
世界でただ一人、彼しかその記事を目にすることはできなかった。
やがて社のサーバーは復旧した。
もちろん、そこには「み組」に関する記事など最初から存在しなかったかのように、綺麗さっぱり消去されていた。
当然、この致命的な一連の顛末はすぐさま社の上層部へと筒抜けになる。
会社への明らかな背信行為、そして弁えぬ越権行為。
編集長は即座に更怠され、地方のしなびた取材拠点へと文字通りの「島流し」に遭った。
役職を剥がされ、何の権限も持たない、ただの一地方記者への転落だった。
元編集長は家族を東京に残し、単身赴任を余儀なくされた。
当然、給与は目を疑うほど大幅にカットされ、残された家族の生活は一気に困窮の危機へと瀕することになる。
幸いにも子供はすでに成人近かったため、元編集長の妻は生活を支えるためにパートに出ることを決意した。
するとどういうわけか、未経験の主婦にしては破格に給与が良く、出勤シフトも驚くほど融通が利く、至れり尽くせりの職場がすぐに見つかった。
「本当に助かったわ。捨てる神あれば拾う神ありね」
妻は涙を流して喜んだが――その会社が、他ならぬ新倉南の息の掛かった会社であることなど、誰も知り得るはずがなかった。
そして、元編集長があれだけの暴挙を起こしながら、懲戒免職という最悪の破滅を免れ、形ばかりの「更迭」で済んだ理由。
それさえも、新倉南の意向が裏で通った結果なのだとは、当事者である家族も含め、この世の誰も想像すらしていなかった。
次回予告
「手を取り合う巨乳の才媛!
テレビの前に大衆を釘付けにする『禁断のCM跨ぎ』から、哀愁の演歌が紡ぐ悲恋のメロディ」
第三話の放映、前週の「付き合っている人」の正体として現れたのは、世界に名を馳せる巨乳の才媛・一ノ瀬花音!
その出演に秘められたみ組の秘策とは!?
「皆様、ぜひ私に会いに来てくださいね」




