表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仁義なき異世界転生 ~勇者マサヨシの任侠伝~  作者: 風来坊 章
第三章 代理戦争
69/163

第68話 大義名分

 俺は母親の清水正代の魂を救い、教王ソフィアの生まれつき患った目も、救ってやる事が出来た。


 あとは、さっさと王国の回し者の、王党派議員との選挙に勝利し、この共和国を一つにまとめねーとやばい。


 王国の魔王軍の代理みてえなアレクシアと、皇国を支配している神界の代理の勇者ガイウスに、冥界代理の俺。


 三国志かっての。

 しかもこの共和国の立地が最悪。

 二つの勢力に、挟まれていやがる。

 同時に来られたら、この国滅んじまうよ。

 魔王軍の本隊だって、南の大陸にいやがるし。

 

 まずは、選挙の後のプランも立てねえと。

 先にどうにかするなら、王国だな。

 

 皇国の情報が少なすぎるし、情報を収集してからじゃねえと、万が一下手打ったら、バックに神界がついている以上、俺達は死ぬだろう。


 俺も頭は悪い方じゃねえが、やる事多すぎる。


 夕方に俺とロンの兄弟が武神隊の基地に戻ると、ニコとブロンドの野郎が、殴り合いの喧嘩していた。


 いや、喧嘩とかそんな話のレベルじゃねえ。

 もうブロンドの野郎が、抵抗できてねえのに、ニコが馬乗りになってボコボコにしてやがる。


 そして、ニコとブロンドの喧嘩やってる手前で、ドワーフ三兄弟がうつむいて泣いていた。


 理由はどうあれ、子分同士の喧嘩はやめさせようと思い、ロンと止めようとしたら、ガルフが出てきて俺たちを止めた。


「兄者よお、兄弟喧嘩だ。止めてやるな、あいつらにケリつけさせろ」


「ああ? ていうかよお、なんで喧嘩になったんだい」


 ここまで荒れちまう喧嘩には、理由がある筈。

 何が起きやがったんだ?

 すると、ニコは馬乗りのまま、ブロンドの胸倉掴んで、顔を引き寄せた。


「お前いい加減にしとけってんだ。あいつらに謝れよ。一々ドワーフがなんだ、エルフがなんだとか、おめえおいらの事も、人間だからってナメてんだろ」


「違う、僕はそんなつもりじゃ」


「何が違うんだよ。お前、こいつら馬鹿にしてたろう、おいらの見てねえ所で泣かしやがって! お前の血がついたおいらの拳見ろ! おいらやあいつらと同じ赤い血だ。お前とあいつらの何が違うんだよ、言ってみろよ!」


「……」


 そう言う事か。

 俺はガルフを見やった。

 確かに、こいつら子分達で解決すべき問題。 


 だがな、子を導き、諭してやるのは、親である俺の役割よ。


「おい、てめーらその辺にしておけ。ニコとガイ、マシュ、オルテは残れ! ブロンド、おめえはこっちこい」


 俺はガルフを見やり、頼むと目配せした。

 その様子を、ロンがジッと見ている。

 そして俺はブロンドを、座らせて見つめあう。


 懐かしいな。

 俺が転生前、最初に一家持ってた時も、若い衆同士がくだらねえ事で喧嘩して、そのたびに俺の部屋に呼びつけて、言い分を聞いてやったり、たまにぶん殴ったりしたっけ。


 大抵の場合は、兄貴弟分での意地の張り合いだとか、女を取ったの取らねえだのや、金のトラブルばっかりだった。


 ヤスと一緒に往生したっけなあ。

 ヤス……あの野郎。

 

 もう少し俺は、あいつの本質に気がついて、色々世話を焼いてやるべきだった。


 たとえ、奴が破門の憂き目になっても。


「なあ、ブロンドよ。この一家には、エルフの男はおめえ一人だから、ナメられたくねえって気持ちはわかる。だが、ニコの言い分は、おめえもわかるよな?」


 俺が言うと、ブロンドは目を伏せる。

 ボコボコにして、こいつを無理やり子分にしたが、俺はこいつの婆さんのカレンシアに、男にしてやると約束した義理がある。


「おい、目を伏せてんじゃねえ、俺の目ぇ見ろ。わかるよな? って聞いてんだよ」


「はい」


 ブロンドは両目で、俺の右目を真っ直ぐ見据える。

 目の色に怯えがあるな。

 もう少し、ビッと気合い入れて欲しいんだが。


「おめえいくつだっけ?」


「150歳です」


 年だけは組の年長なんだよなあ。

 ガルフは130歳だし。

 一応、元王だが、エルフではまだまだ子供だ。

 エルフの女共なんて、最低180歳超えだし。

 

「ニコは13しか生きてねえが、あいつが若衆の頭、若頭だ。あいつの意見は俺の意見、わかるな?」


「はい」


「いいか? おめえは、これからの一家を背負って立つ男だ。俺やニコも、ドワーフも先に死ぬ。おめえが憎んでるガルフもだ」


 ブロンドの目の色が変わった。

 俺が知らねえとでも思ったか、ガキが。


「なあ、俺達は戦いで死ぬか寿命で死ぬか、そんな事はわからねえ。だが、誰がこの先、俺達の意思を受け継ぐかって言ったら、一番寿命が長いおめえしかいねえ、わかるな?」


「はい、わかりました」


 ブロンドは俺の目を見ながら、涙を流す。

 こいつは、ニコの次の頭だ。

 ドワーフの三兄弟も、素直でいいガキらだが、見たところ、こいつの方が頭が回るし、まだ甘ったれたガキだが、根性もある。


 こいつはいつか化ける。

 元々、王の素養があったしな。


「わかったら涙を拭いて、若頭とガイ、マシュ、オルテ、おめえの兄弟達に詫び入れてこい。おめえには期待してるが、俺の期待を裏切るな、いいな?」


「はい」


 ブロンドのは右手で涙を拭い、ニコ達の所へ駆け寄って行った。


 俺も丸くなったもんだ。

 昔だったら、一発か二発張り倒したもんだが。


 しかし、あのニコの男気はすげえもんだ。

 あいつ一体何者なんだ?

 俺が転生前、あれほどの気合いを持ち合わせているのは、ヤスくらいなもんだった。


 いや、そのうち嫌でもわかる時が来るか。


「ニコって言ったか? あいつすごい奴だな。他種族間を、あの年頃でまとめるなんて、王の気質、いや皇の気質を持ち合わせている。どこで見つけてきたんだ?」


 ロンが腕を組ながら、俺に訊ねてくる。


「そうだろ? 俺の自慢の若い衆の頭よ。あいつが成長したら、俺は組を譲るつもりだ」


「なるほど、その後でお前はどうするんだ?」


「さあな、考えてもいねえや」


 俺は、子分らの成長を見届けて、今度は我らが神さんの所まで赴く。


「よう、ヤミー入るぜ」

 

 ガキみてえに、ベットのシーツに包まって、塞ぎ込んじまっている。


 自分が神界から嫌われていて、嵌められてると知ったからに違いない、可哀想に。


 勇者ガイウスと女神アテネって言ったか?

 必ず落とし前はつけてやる。


 俺が冥界の代表の勇者として、親分から絶対勝利って命令を受けた以上、敗北は許されないからな。


「よう、俺がついているからよ、元気出せよ」


 返事がない。

 なんかおかしいぞ?

 俺はベットのシーツをめくる。


 すると、毛布をくるめて置いてあるだけで、あいつの姿は、影も形もなかった。


 ……あいつまさか。


「大変です! 馬車と気球の点検中、突然一台の気球が物凄いスピードで空に浮かび、中にヤミー様が乗ってどこかに飛び去りました!」


 武神隊の伝令隊員が、廊下を叫びながら通り過ぎる。


 あの野郎、まさか女神アテネの所に行く気か。

 直接交渉でもするつもりなのか?

 ちくしょう、手がかかりやがる。


「野郎共! まだそう遠くには行ってねえはずだ! あいつを探せ!」


 俺は魔力回復用の聖水を用意して、兄貴を左手で抱えて、上空から探し出す。


「まずいぞ、マサヨシ。お嬢様の匂いがどんどん離れて、このままだと共和国を超えて行く」


 マジか。

 あいつ黙っていたが、かなり力を付けてる。

 いつの間に、魔法を扱えるようになった?

 神の力のみなら、魔界魔法は使えねえ筈。


「兄貴、魔法の種類はわかるか?」


「神界魔法、それも神のみ扱う魔法に違いないが、見当がつかん」


 くそ、未知の魔法か。

 兄貴がわかんねえなら、俺も見当がつかねえ。

 

 だが、俺の知識だって、転生前にシノギの合間や、刑務所の中でも、くさるほど本を読んできたんだ。


 これは、あれを狙うしかねえ。


 この世界、いやこの星は、地球と同様、東向きに自転している筈で、ここは地球で言う北半球に位置し、そして中高緯度域の上空では偏西風が吹いている。


 ……ならば!


 俺は偏西風に乗り、精霊化して、上空の大気の気圧を下げて、さらにジェット気流を生み出し、超高速で空を飛んだ。


「マ、マサヨシよ。さ、寒い、毛皮が凍える」


「俺も凍えちまうが、勘弁してくれ兄貴」


 鼻水垂らしながら、俺は一気に速度を上げ、魔力回復用の聖水を何本か飲んで、小一時間、ヤミーの乗る気球が見えてきた。


 そして、ここは皇国領。

 いつ、俺達へ攻撃が来てもおかしくねえ。


 すると、地上から炎魔法らしき攻撃が、ガンガン飛んでくる。


 まあ、そりゃあそうか。

 予告なしの、領空飛行って奴だ。


 すると、気球に攻撃が当たり爆発炎上した。


「ちくしょうが!」


 俺は精霊魔法をマックスにし、まつ毛や髪の毛が凍るのを感じるが、根性で気球から投げ出され、気を失ったヤミーの体を右手で抱きとめた。


「マサヨシよ、間一髪だったな」


「ああ、なんとかな」


 そして、速度を落としながら、皇国領域を飛び続けると周囲を山で囲まれた盆地に、おびただしい数の城塞が築かれた、城塞都市の上空に到達した。


 ロンから聞いていた、皇国首都ブラフンだ。

 そして一際でけえ、五重の塔みたいな建物があったり、入り口に鳥居のような門が立ち並び、インドのタージマハル宮殿を、青く塗った建物が、皇居、ブルーパレスだったな。


「マサヨシよ、どうするつもりだ?」


「決まってるじゃねえですか兄貴。こっちが領空侵犯したとはいえ、先にウチの神様に手を出したのは、奴らよ。大義名分バッチリじゃねえですか」


 俺は、一気に上空から降下して、皇居の最上階に突入する。


「ガイアスって野郎は、どこだゴラァ!」


 俺が突入すると、竜を模した金の御座居(みくらい)に座る、金髪で背丈がおおよそ195センチ前後の、体格ががっしりとした、筋肉質の、20代前半くらいの男がいた。


 顔は眉が太くて、眉間に深いシワが刻まれており、頭がやや大きく知性を感じさせるような目付きの、彫りが深く端正な男が、俺の顔をチラリと見る。


 身につけているのは、赤い衣に漆黒のアダマンタイトの板金を重ね合わせたような鎧に、赤いマント、派手な野郎だ。


 でかい石の机に、サイコロと遊戯盤と、金のカップが一個……お楽しみ中を邪魔しちまったようだなあ。


「私がガイ()スだが、まず人の名を呼ぶ前に、自分の名前を名乗りたまえ。それと、大きい声を出さなくとも、良い」


 なんだこの野郎?

 上から大物垂れやがって。


「あん? 俺はよお、マサヨシってんだ。で、俺が右手に抱えて気を失っちまってる、黒いちんちくりんが女神ヤミーで、左手に抱えてるのが、冥界の公爵の拒魔犬兄貴よ。でよ、てめーが勇者とか言ってやがるからよお、挨拶に来たら気球が撃墜された。どう落とし前つけるんだコラ?」


「申し出無しに上空を、飛ぶからだろう? この世界の蛮族共は、常識と言うものを知らな……」


「なんだてめーこの野郎。てめーの常識ってのは、挨拶しに来た人間に、予告無しに魔法ぶっ放して来るのが常識かコラ?」


 ガイウスの俺を侮るような視線が、警戒の視線へと一気に変わった。


 予告無しの撃墜は、てめーらの落ち度よ。

 馬鹿な奴らだ。

 極道に、落ち度を見せるのは禁物よ。


 なんせ、相手の落ち度をつかねえと、交渉やシノギにならねえからな。


「前言撤回しよう、申し訳ない。私は客人に無礼を働く気はなかったもので……」


「ああ? そんな気がねえだとこの野郎。どんな気だ馬鹿野郎。てめーじゃ話にならねえからよ、女神アテネって女呼べ」


 俺がジロリとガイウスを睨み付けるが、全然動じる気がなく、静かに俺の口調、そして顔つき、仕草を深く観察している様子。


 この野郎只者じゃねえな。


「ほう、マサヨシと言ったかな? 言葉は荒々しいが、交渉術や弁論の心得でもあるのか? あいにく女神アテネは、自室で読書中で邪魔すると、うるさ……」


「なんだとこの野郎? てめーそれが無礼を働いた、人間の態度かコラ? 誠意って言葉がねえのかよ、野蛮人がよお」


 ガイアスの眉がピクリと動く。

 野蛮人って言葉に反応したな?

 生憎こちとら、文化と文明が発達した日本から来たんでな、若造と思って、ナメてやがったなこの野郎。


 俺はこんなナリしてるが、155歳よ。

 前の世界と、冥界と、この世界合わせてね。

 もっともコイツも、天界から来た俺と同類か。


「調子に乗るな、冥界の罪人よ」


 皇帝の間に、鎧を来たまさしく女神がいた。

 身長おおよそ170センチ、黄金の鎧に、白く光り輝く鳥のような翼を持ち、黄金色して光り輝く美しい髪に、気が強そうな細い眉と、意志が強そうな灰色の瞳は、青みがかっている。


「へえ、あんたが女神アテネさんね、お会いできて光栄だ。俺はマサヨシってんだ、夜露死苦(よろしく)な。この可哀想な世界を見捨てた張本人さんよ」


「黙れ罪人が。ようやくこの世界を救える、チャンスを待っていたのだ。この私が……」


「何言ってんだ姉ちゃんよお? 全部俺と、このヤミーの手柄じゃねえか馬鹿野郎。イキがって上からもの言ってんじゃねえよ、バーカ」


 俺が言うと、まるで歯軋りする様に、女神アテネは唇を噛み締める。


「マサヨシと言ったかな? いい加減、君の目的が知りたい。君の狙いは何だ?」


 ガイウスは、俺の目を見据える。

 目的ねえ、決まってんだろうが。

 てめーらをハメるためだアホ共が。


「おう、そうだったわ。そういやよ、てめーら俺の兄弟分のロンから、この国奪いとったらしいじゃねえかコラ。てめーら世界救済に来たのか、世界を混乱させに来たのかどっちだよ?」


「統治能力を失っていた国をまとめ上げ、より適任者である、私が玉座に座ったのだが何か?」


 必死に大義名分を作ろうとしてやがるな。

 抜け目のねえ野郎だ。

 だが、俺の大義名分は揺るがねえ。


「そうかい? てめーは俺の質問に、全く答えねえ野蛮人だからハッキリさせとくわ。てめーらこの世界を混乱させるために来たんだろ?」


 閻魔大王親分からの情報。

 それを今ここで活かしてやる。

 そして俺の大義名分をぶつけてやる。


「それを証拠に、俺の兄弟分の国を奪いやがってコラ。あとウチの女神のヤミーを、ぶっ殺そうとしただろ? 喧嘩してえならハッキリ言えよ、なめてんのかゴラァ!」


 ガイウスは、一瞬対応がまずったって顔しやがった。


 コイツ頭がかなりキレやがる。

 場の空気が一変して、俺の有利な場になったのを理解しやがった。


 そこのお高く気取った、馬鹿女神と違って。


「ざ、罪人! ふざけるな、そんな事」


「うるせえこの馬鹿アマが! もうバレてんだよクソボケ! てめえ閻魔大王親分と喧嘩するつもりで、俺とヤミーに喧嘩売ってんだろコラ! ジタバタすんじゃねえ、役立たずの馬鹿共が!」


「黙れ罪人が。そもそもこの世界救済は、私が創造神様より与えられた使命だ。それを勝手に横から奪うように……」


「だぁかぁら、要するに閻魔大王親分と俺に喧嘩売ってんだろ? こっちも創造神さんから認められてんだアホ共が。喧嘩してえならしてえって言えよ、役立たず共め!」


 まあ、喧嘩売ってんのは俺なんだがな。

 だがこの場では俺の大義名分が上よ。

 場の空気は、風上の俺が支配する。


「今から1ヶ月後に、魔王軍が、人類抹殺に動くみてえだからよお、俺の喧嘩だから手を出すなよ、この役立たず共が! あと、この落とし前は必ず付けに行くからよ、待ってやがれ馬鹿野郎」


 まあ手を出して来いって言ってるんだがね。

 俺の後塵を拝したコイツらが取れる手柄は、魔王軍討伐くれえなもんだ。


 俺の実績はすげえからな。

 おかげで得得ポイントは、マイナス4989、文字通り四苦八苦してるが、超えられるなら、超えてみろや馬鹿共め。

 

 そして俺の絵図にハメてやるぜクソボケが。


「どうやら、君と魔王軍との総力戦に、我々を巻き込もうとしているようだが、それはバレバレだよ君」


 ガイウスは、ニヤリと俺に笑みを浮かべる。


 チッ、見抜きやがったガイウスの野郎。

 だが俺の対象は、もうお前じゃねえ。


「あん? 邪魔すんなって言ってんだよ役立たず共め。今まで手をこまねいてこの世界を放置してた、クソボケ共はさっさと帰れ馬鹿野郎」


「いいだろう冥界の罪人よ! 女神アテネの名において、魔王軍の総攻撃などさせる前に、我が勇者ガイウスの力で滅ぼしてくれる!」


 ガイウスは、嘘だろって顔でアテネを見た。

 この女神、頭の回転は悪くなさそうだが、直情的すぎる馬鹿アマだぜ。


 そう、この世界に2ヶ月前に来たばかりの、ガイウスにとって、状況が一切不明の相手など、本来は俺なんかを当て馬にして、様子を見たかったはず。


「ああ、南の氷の大陸に魔王軍総司令部があるから、存分に喧嘩して来い、役立たず共め。俺は俺のやり方で世界を救済する、じゃあな」


「ワン!」



 俺は、皇居を後にして、上空を風魔法で飛ぶ。

 これであいつら、当分魔王軍討伐に向かう筈。

 そして共和国の選挙と、王国、いやアレクシアと俺の再戦に、邪魔が入らなくて済む。


 なあ? ちんちくりん。


「おめえ気を失ったフリして、本当は起きてただろ? おめえが言いたかった事は、俺が代わりに言ってやった。そう言うわけでよ、あいつらの落とし前は必ず付けてやる、心配すんな」


 俺が言うと、ヤミーは抱えて飛んでる俺の体を、両手で抱きしめた。


「ありがとう、マサヨシ」


 ヤミーは一言だけ呟く。

 心配しねえでも、オメーには俺と極悪組がついてる。


 安心しなウチらの神様よ。


「さあて、選挙戦も終盤だ! 気合いれ直して共和国を救ってやるぜ!」

 

 俺は夜通し夜間飛行で、共和国への帰還の途についた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ