表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/29

受験勉強?

  「本当にすみません」


  俺は勉強を教えてもらう為に、まりんの家に来ている。

  それなのに、なぜ俺はまりんに平謝りをしているか⋯⋯。


  「深夜って馬鹿なの?」


  魔法について勉強し始めて僅か一分で、まりんにこう言われてしまったからだ。


  やはりと言うべきなのか、俺は魔法論理の基礎が全く分かっていなかったのだ。

  まりん曰く、足し算や引き算レベルの問題すら出来ていないらしい。


  「何で他は完璧なのに、魔法論理だけはこんなに駄目なの?」

  「いや⋯⋯それは分からない」


  あまりの不出来さに、嫌味混じりな事も言われてしまった。


  「⋯⋯魔法技術の方は大丈夫なの?初めて会った日は使えるって言ってたけど⋯⋯」


  はい、これには自信があります。

  父親にも天才だと褒められたし、何よりも何種類もの魔法が使える。

  これでまりんに「魔法技術もダメじゃん」と言われたら泣いてしまいそうだ。


  「それは大丈夫だよ」

  「本当?⋯⋯」


  俺は大丈夫と言ったが、まりんには信じてもらえなかった。

  それもそうだ。魔法論理ではズタボロな結果を出したのだから。


  「なら、俺の魔法を見てみる?」


  だから俺は、まりんに魔法を見てもらう事にした。


  「いいけど⋯⋯使うのは水属性の魔法にしてね?相殺レジスト出来ないと、大変な事になっちゃうから」


  まりんからは了承を得た。


  本当は複合魔法を見せてやりたかったが、水属性と限定されてしまった。


  (まぁいいか⋯⋯では、やりますか)


  俺は魔法を発動させる為に、集中した。


  今回使う魔法は、少し発動に時間がかかる。

  俺の使える水属性魔法の中で、最大の威力を誇るからだ。


  「水作成クリエイトウォーター


  俺はまず、水作成クリエイトウォーターを発動した。

  今回作った水の量は、水溜り程度のごく少量の水だ。


  「それで終わりなの?」


  俺の魔法を見たまりんの表情は、普通すぎて何にも言えないという様な表情だった。


  「まだだよ、まりんその水の中に入ってみて」

  「?⋯⋯分かった」


  俺は次の魔法を発動する為に、まりんを水の中に誘導した。


  「じゃーいくよ、渦潮マールシュトローム


  俺は次の魔法を発動させた。


  この魔法は名前の通り、渦潮うずしおを発現させる魔法だ。


  「何も起こらないよ?⋯⋯キャッー!」


  俺の魔法を受けたまりんは、女の子のらしい可愛い悲鳴を上げた。


  「ちょっと!深夜止めて⋯⋯」


  まりんは魔法を止めてと懇願してきたが、俺には止める気が無かった。

 

  こんなに可愛いリアクションを見せられては、もっと見てみたいと思うのが男の性というやつだ。

  何というか⋯⋯ナニカに目覚めそうな気さえしてきた。


  「相殺すれば?」


  俺は更に突き放すような言葉を放った。


  「深夜のバーカ!!渦潮なんて相殺出来るわけないじゃん」

  「あれれ?何で出来ないの?」

  「うー⋯⋯使えないからだよ!」


  どうやらまりんは渦潮を使えないらしい。

  しかし、発動元は水作成で作った水なのだから、そっちを相殺すれば渦潮も消える筈なのだが⋯⋯。


  「水の方を相殺すれば?」


  俺はまりんにその事を教えてあげた。


  「え?⋯⋯水作成」


  俺に指摘されたまりんは、呆然と言った表情を浮かべながらも、魔法を相殺した。


  「深夜に魔法論理で負けた⋯⋯全くその事に気付かなかった」


  どうやら俺に指摘されて、呆然としていたらしい。

  少し悔しいが、呆然としたまりんの表情は、とても可愛かったので良しとする。


  「これで俺が魔法技術の方は大丈夫って分かった?」


  俺はまりんに認めてもらえるかを確認した。


  「大丈夫も何も、魔法技術だけで入試をクリア出来そうだよ」


  何と⋯⋯俺の魔法技術はそんなに高かったようだ。

  それも、魔法論理抜きで合格出来るレベルだそうだ。


  「俺の魔法ってそんなに凄いの?」

  「凄いも何も、渦潮は超級魔法だよ」

 

  俺は全く知らなかったが、渦潮は超級魔法だったようだ。

  超級魔法は、階級で言うと二番目に高かった筈だ。


  (確かにそれは凄いな)


  俺は自分の魔法技術の高さに少しだけ驚いた。


  「へー⋯⋯それよりまりんの魔法を見せて!」


  だが、俺は自分の事よりも、まりんの魔法の方が気になった。

 

  正直どの程度の魔法が使えようとも、俺には関係ない。

  俺はただ、色々な魔法が使いたいだけなのだ。


  「へーで流さないでよ!⋯⋯まぁ見せるのは良いよ⋯⋯溝渠ドロップ・ウォーター


  溝渠とは一体どんな魔法何だろう⋯⋯俺には全く想像出来なかったが、その魔法の効果はすぐに出た。


  「うわっ!」


  俺はまりんの魔法に驚き、素っ頓狂な声を上げてしまった。


  なぜ俺がそんな声を上げたかというと、まりんの発動した溝渠とは、足元に2m程の深さの水溜りを作る魔法だったからだ。


  「さっきのお返しだよ!」


  俺が驚いているのに対して、まりんは無邪気な笑顔を浮かべていた。


  ここでやり返したら楽しそうだが、それでは埒が明かないので俺は欲求を抑える事にした。


  「もういじめないので許してください」


  俺は一言謝りを入れた。

  これで、この楽しい⋯⋯不毛なやり取りも終わる筈だ。


  「いいよー、それじゃー勉強を再開しようね!」


  俺は今のやり取りを惜しみつつも、まりんとの勉強を再開した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ