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第八十三部 守りたい相手は、ひとりではない話 ⑤ 伐採道と、王印のための檻
日が落ちる前。
リューリックたちは、伐採道へ入った。
沢沿いの泥へ。
新しい車輪の跡が残っている。
一台。
応急処置をした左車輪。
途中で道を外れ。
石小屋の方角へ向かっている。
さらに。
その後ろ。
複数の靴跡。
灰色の糸。
テオが拾う。
「追手だ」
リューリックは。
剣へ手を置いた。
沢の下流から。
僅かに煙の匂いがする。
「急ぎます」
セドが。
道の脇へ落ちた小さな紙を見つけた。
青い二重線。
黒い楡の葉。
「黒楡」
少年が言った。
「次は、黒楡の渡し」
リューリックが顔を上げる。
レオンたちは。
すでに石小屋を出たあとだった。
それでも。
距離は。
確実に縮まっている。
一方。
黒楡の渡しでは。
灰色の外套を着た男たちが。
王印を受け取るための檻を、川辺へ運び始めていた。
──第八十三部 了




