↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハッピーバースデー  作者: 松本あおい
PR
3/26

第三回 誕生日の朝

 出勤前にカレンダーを見て初めて、今日が誕生日であることに気づいた。

 何故気づかなかったのだろう。四十回目ともなると思い出したくなくて、心が敢えて逸らすように仕組んだのか。歳をとって忘れてしまったのだろうか。

 誕生日を忘れて歳を感じることが、自分への誕生日プレゼントだと思うと、やりきれない。気づかなければよかったのに自ら地雷を踏んでしまった。爆発は連続する。二度目はおめでとうメールが、一通も届いていないこと、三度目はラインアプリから『友達を登録しましょう』と催促メッセージがきたことだ。

 ライン登録している相手くらいある。アプリが勝手にリセットしたのだ。スマホが古いせいか、最近とみに調子が悪く、アプリがリセットされる珍現象が続いている。考えてみれば三十代で購入したスマホだ。古すぎて、不具合を起こしているのだろう。

 友達を登録するよう、機械に指示されるなんて恥の上塗りだ。リセットされたら全て失う。戻ってはこないのだ。ラインに登録していた、いくつかの洋服屋と化粧品会社と雑誌のサイトに、とっくに疎遠になった数名の知り合いと引き換えに、初心に返れということなのか。ラインがリセットされたくらいで腹を立てている自分に驚く。誰とも関係を深めたくなかったのに、四十になった途端、誰かと関わりたいと思うのは、歳を取った証拠なのかもしれない。

 爆発で瀕死の状態だ。早く出勤しよう。ペンダントを首にかけた。


 目覚めると海だった。

 何が起きたのだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。