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始原の裁定者と終結の器  作者: 解放さん
1章 モース村

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出来る事②

「ふ~~」


息を吐きだし呼んでいた本を閉じる。

半分くらい分からない!

(そもそも、魔法の出し方すら知らないからな)


「魔力よ集まれ……集まってください!ファイアボール」


……。


うん、何も出ないし何も感じない。


ま、そんな簡単じゃないよな…。


ミオを起こさないように優しく頭を持ち上げ椅子から立ち上がる。


流し台まで歩き水の入った桶を見つめる。


生き物ねぇ?


「おはようお水さん、今日も元気?」

「え?体が冷えて凍えそう?」

「よーし!僕が温めてあげるよ!じゃぶじゃぶじゃぶ!」

「…………ハッ!アホクサ」



「な、なにしてんの?」


桶に手を入れかき混ぜていた手が止まり、

後ろを振り返る。


体を起こし顔を引きつらせるミオがいた。


「ま、魔法の練習を、ちょっと」

見られたのが恥ずかしく小声になる。


引きつった顔が心配の表情に変わる。

「ガルム、寝ていいよ?」


「いや大丈夫、むしろ目が覚めたから、ほら!外に行くぞ!」


空気を変えるために外に飛び出す。

「あ!待って~」


後ろをついてくるミオを背中に感じながら思う。

(1人になれる時がなくなりそうだな)


この先、ミオに色々な姿を見せる事になりそうで思わず苦笑してしまう。

……まぁ、それも悪くないか。


「ミオ!まずは僕たちの屋根を直すぞ!」

「うん!」


離れた所で木剣の打ち合う音を聞きながら、

屋根を直す為に動き出す。

          ―――――――――――――――――――――――

「ふぅ~、見た目は悪いけどこんなもんだろ、なぁ?」

最後の釘を打ち付ける。


屋根を直し終え、

隣のミオに確認を取る。


「いいと思う!だけどこれ……。」

「ん?遠慮せずに言っていいぞ?」

「雨が降ったら隙間から入ってこない?」


……確かにな、小さいが隙間が空いてる部分を見る。

「こういう時はトーマスさんに聞くのが一番だな!行くぞ!」


屋根から地面に降りそのままトーマスさんの家に向かう。


「……呼ばないの?」

「ん?まだ朝早いからな、しばらく広場で待とう」


まだ起きる気配はないので広場に向かう。


広場の長椅子に座り焚火を見つめる。


午前は魔法を覚える時間、

午後からは村長の家の修理、

それ以外にも聞かなきゃいけない事がある。

夜もミオと楽しい散歩。


「どうして笑ってるの?」

「いや、なんていうか……大変なんだけどさ、

生きてるって実感が凄い湧いてきてるんだよね」

「うちも新鮮で楽しい!」


2人で笑い合い昇る太陽を見つめる。

「ガルムはどの魔法性質が好きなの?」

「ん~正直全部なんだけど」

「じゃあ全部覚えられるかもね!」

「そうなの!なんで!?」

「何となく?」

「……絶対適当だろ?」

「えへへ」


……この子の説明を期待するのはやめよう、心に誓った。

          ―――――――――――――――――――――――












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