出来る事①
「ガルム!起きて!」
「頼む~あともうちょっとだけ」
「ダメ!ガルムが言ったんだよ!」
それを言われると辛いよ。
「分かったから僕の上から降りてくれ~」
うつ伏せになりながら窓の外を見る。
僕がいつも起きてる時間帯だ。
もうちょっとだけ……。
「グガ~!」
「フン!」
「ギャーー!」
背中からの衝撃が痛みとなって体中を駆け巡る。
「ぐううう!お、お前、傷口は、ダメだろ……」
「目が覚めた?」
「さべまじだ」
くそう!
やらなきゃいけない事がありすぎておちおち眠ってられねぇ。
布団から這いだして一階へと向かう。
「ミオは眠くないのかよ?」
「うちは寝ても寝なくてもどっちでも大丈夫だから」
ずる過ぎる!
いっその事、夜動くときはミオに丸投げ……任せるのもありだな。
「なぁミオ夜ーー」
「一緒に頑張ろうね!」
「いや、夜だけはーー」
「傍に居るって約束だよね?!」
「……はい」
ダメか……単独行動がだめなら別の方法だな。
絶対どこかで寝る!
じゃないと体がもたない。
1階にある本棚から本を取り出し机に置く。
アストレア作の魔法概念の本だ。
出発前に欲しい欲しいとお願いしたのだ。
突発で作ってもらったから薄い。
頑張りますかね……、その前に。
隣のミオに顔を向ける。
「ミオも魔法使えるよな、僕に教えたりってできる?」
「うーん、難しいかも……」
「そうなの?教えたことがないからとかか?」
「それもあるし、うちらは魔法も体の一部みたいな感じだから……
う~ん、使えるのが当たり前なんだよね、
人の心臓が動くのは自然な事で、それを説明できないでしょ?」
「なるほどね、何となくは理解できたよ」
そっか、それなら分からない所はラインに聞くしかできないな。
考えても仕方ない、行動あるのみだ!
本を開き気合を入れるーーー
「すぅ……すぅ……」
ミオは胸を小さく上下させながら、規則正しい寝息を立てている。
始めは隣で見ていたミオだが、
暇になったミオが僕の太ももに頭を乗せ、
数分でこの状態である。
僕も同じように叩き起こしていいのだろうか?
考え方を変えれば今が寝るチャンスともとれる。
ミオの寝顔を見て頭を撫でる。
「んぅ」
「……続けよう」
昨日僕よりも頑張ってたからな、
この幸せそうな寝顔を壊したくない。
ページをめくる音だけが、静かに部屋に響く。




