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始原の裁定者と終結の器  作者: 解放さん
1章 モース村

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見送り③

「ヘンリーにもアストレアを見送って欲しくて……」

「結果がこれ?」

「……」

「下手くそね…あたしは嫌いじゃないけどね」


僕は肩を落とし、

アストレアの言葉が落ちてくる。


ヘンリーが痛みにのたうち回った事もあり、

今は皆苦笑いだ。


間違った事をしたとは思ってない、

だけど僕の押し付けも入っていた…。


「反省してます…」



「ガルムさん!僕は、感謝してます!」

「ちゃんとヘンリーと仲直りしてねお兄ちゃん!」

クララとラインが僕の前に来てそんな事を言ってくれる。


「ありがと、ちゃんと僕も謝るよ」


子供たちの後ろに村長も来て2人の肩に手を置く。


「先ほどのは幻痛魔法じゃろ?どの程度の痛みにしたんじゃ?」

「えっと、僕がお腹を貫かれた痛み…です」


「おぉ~、それは褒められたことではないのう、

痛みで人が死ぬ事もある、子供のヘンリーにはちと酷すぎる、

怒るつもりはない、ガルムも分かってることだろう、そうじゃな?」


「はい、加減はもっとするべきでした」

「…ガルムは悪くない、それをしたのはうちだ」


僕を見上げてから、村長に対して敵意を見せるミオ。


「やめろミオ、お願いしたのは僕なんだから」


ミオの肩を引く。

少しだけ、強く。


そんな事を気にせず微笑んでくれる村長に心で感謝を伝え、

周りの大人たちにも頭を下げる。


「皆さん驚かしちゃってごめんなさい…」


「ほんとまったくだぜ!」

「ちょっとパパ!」

「エド君!」


エドワードさんの言葉にクララとマーガレットさんの焦る声が続く。


顔を上げエドワードさんを見る、その顔は笑顔だった。


「ガルム、ここにいる子供たちは外での生活を知らない、

皆仲良く、皆で助け合い、皆で遊ぶ、この村の子供達は全員の子供でもある、

皆の性格、得意な事、苦手な事なんかも知り尽くしてる」


エド―ワードさんの言葉を真剣に聞く、

彼が伝えたいことをくみ取るために。


「人が少ないとさ”変化”が少なくなるんだよな、

ヘンリーが勝ってラインが負ける、それが日常だった。

それをガルム、お前が壊してくれた、俺は気持ちよかったぜ?

こいつらもいつか外に送り出す時が来る、

その時のために多少痛い思いした方がこいつらの為にもなると俺は思う。

娘を泣かせたら許さないけどな?」


「ぱぱカッコイイ!」

「もう!エド君そんなこと言ったらまたガルム君が無理しちゃうでしょ!」

「え?!そうなっちゃうの!?なんで?」


エドワードさんの周りに集まる家族を見つめる。


アストレアの横にいたトーマスさんと目が合い僕に近づいてくる。


「私からもいいかな?

正直やりすぎだよガルム君?そこだけは言わせてもらう」

「はい……」


「私はエドワードさんの考え方とは違う」


その言葉に皆の視線がトーマスさんに注がれる。


「私たちは辛い思いをしてきた……だからこそ子供達に辛い思いをして欲しくはない」

「でもそれはーー」

「分かってる!分かってるんだ、それは私のただの我儘で願望でもある」

エド―ワードさんの言葉をトーマスさんが遮る。


「ガルム君のした事は本来私たちがしなきゃいけない事だとも思った。

それをせずに見守る事しかしてこなかった自分を不甲斐なく感じてる……」


「そうじゃな…」

村長が答えエドワードさんが俯く。



「ガルム君を責めたいんじゃない、むしろ君がしたことは誇るべき事だ、

私には……出来ない……。

子供たちに辛い思いをさせたくないと思いながら、

君に、いいや息子にも辛い思いをさせ続けた事が何よりも悔しい…」



パンパン!


「反省会は後にしてもらっていいかしら?」


アストレアが手を叩く音で皆がハッとする。


「す、すいませんアストレアさん」

「気にしてないわ、ガルム来なさい」


アストレアが背を向け歩き出すのを見て追いかける。


皆から少し離れ向かい合う。


「ガルム」

「なに?」


「お前の夢と正反対の事をあたしは言う、だが守れ」

「どういう意味、それは…」


馬車の陰になり村の皆から僕らは見えない。


僕らから見えるのは馬車の先頭に座る御者だけだ。

帽子を深くかぶり、顔は見えない。

だが――こちらを見ている気がした。


「お前だけは何があろうと生き残れ」


「は?」


「たとえこの村の人たちを犠牲にしようとも」


「何を言ってるんだよ…

僕がそんな事するわけないだろ」


「分かった上で言ってる、

あたしにとってはお前の命が最優先だ」


その言葉を最後に馬車へと歩き出す背中を見つめる。


アストレアから言われた言葉を嬉しく感じる…


だけど、その選択だけはーー


絶対にない



アストレアが馬車に乗るのを見て駆け出す。


ズキっと腹の痛みが増し顔を歪める。


歪む理由が痛みだけならよかったのにな…。








作品を見ていただき本当にありがとうございます!!

嬉しくて嬉しくて涙を流しているところでございます!!


早速本題に入ります!!タイトル名を変えたいと思っております!!


これ➡【始原の裁定者と終結の器】

4月1日から変えようと思いますのでご理解お願いします!


急でホントごめんなさい!!


もしよろしければブックマークなどをお願いします。


ただ今現在この作品を見てくれてる方だけに作者としてのお願いです。


どうか今のタイトルは忘れないでいて欲しいです。


それだけの想いを込めて付けたタイトルであり、すべて”その時の為の”タイトルです。




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