ガルム君の6日目(日常)④
「それを教えるのはまた今度ね」
とアストレアに言われ、僕たちは別れた。
今はヘンリーの家へ向かって歩いている。
「どうしたんだいヘンリー?そんなに睨まれると怖いじゃないか」
「殺されそうになったんだから当たり前だろ!」
まぁ多少やりすぎたとは思ったけど。
「少し苦しいだけで強くなれるなら安いもんだろ?
それとも僕だけが武極を覚えてればよかったと?」
「それは、まあそうだけど」
「正直さ、お前が警戒されてるの嫉妬してんだよ」
「ガルム…あれは、そう言うのじゃないと思う…」
まぁ警戒してるとは言っていないがな。
「何弱気になってんだよ!あのな?僕もお前を認めてるんだぞ?」
「え?」
「なんだ?気づいてないのか自分の凄さに」
「え?それってどういう事!?」
そんなのは知らん!!
口から出まかせだもの。
まぁ全部がウソなわけじゃないがな。
「アストレアに喋るなって言われてるから無理!!」
「なんだよそれ~!」
めちゃくちゃ嬉しそうだなこいつ。
それと…これはこいつらには言っておかなきゃな。
「ヘンリー少し真面目な話だ」
「…なに?」
嬉しさで顔がにやけてたヘンリーが僕の顔を見て顔を引き締める。
「クララを死ぬ気で守れ」
「え?」
驚いた顔のヘンリーに構わず話を続ける。
「アストレアから聞いた。
クララはこの先危ない目に遭う」
「…なんでそれを俺に?」
「お前だけに言うつもりはない、ラインにも同じことを言う、お前らにとっては僕以上に大切な存在なんだろ?ならお前らが守れよ、{男ならな}」
そう言って僕は笑う。
僕がフリージアを守ったように、
こいつらにも誰かを守る強さを知って欲しいと思った。
「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
突然の叫び声に声の方へ振り向く。
なんだ…?
「わしの家がああああああああ!!!」
その声に村の皆が外へ飛び出してきた。
クララは元気そうだな、よかった。
クララが無事なのを確認してから、僕はまだ叫んでいる村長を見る。
正座の姿勢で両手を天に挙げていた。
お?
なんでヘンリ―走って村長に向かってんだ?
そう思ってるとグレイソン家、アルフレッド家が村長の周りに集まり土下座し始めた。
あ!そうだ村長の家を壊したのと関係がある人たちか、まぁ僕もなのだが。
関係がない村人たちは、少し離れた場所からその光景を眺めていた。
村長の周りで土下座している姿は神を拝んでいるみたいだった。




