表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
始原の裁定者と終結の器  作者: 解放さん
1章 モース村

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

63/145

ガルム君の6日目(日常)②

1話割り込み投稿しました!!!

見てない方はそちらもご覧ください!

「そんな事を急に言われても答えなんて出せないよ」


「それなら、答えが決まったら聞かせて頂戴」




僕は頷きだけで返し、外へ向かった。




朝稽古の時間にはまだ少し早い。


広場で、今言われた事を考えたかった。




外はまだ薄暗く、朝の冷気が肌に触れる。




広場に置かれた木製の長椅子に腰を下ろす。




中央には焚き火の跡があり、


黒く焦げた薪と灰だけが残っていた。




「こういう時に魔法が使えれば楽なのになぁ」




「火、つける?」




「うん、お願い──って、うわ!」




なんでこいつ付いてきてんだよ!




振り返ると、アストレアが焚き火の跡に手を向けていた。


次の瞬間、魔法で火が灯る。




「クララの件で、言い残しがあっただけよ」




その言葉で、重要な話だと理解する。




「クララの事、死ぬ気で守りなさい。


もちろん、あたしの手が届く範囲なら、あたしも守る」




引っかかりを覚える。




「言い方的に、クララに憑いてる蛇から……って話じゃないよね?」




アストレアなら、そんな回りくどい言い方はしない。


蛇に気をつけろと言えば済む話だ。




なのに、それを言わない。


それがやけに嫌な感じがした。






「固有持ちってね、貴重なのよ」




パチ、と薪が弾けた。




「戦力としても――」




揺れる炎がアストレアの顔を照らす。




「見世物としてもね」




「固有持ちを殺してその能力を奪う固有持ちもいる」




「……は?」






「…それ、冗談じゃないんだよな?」




アストレアは何も答えず焚火を見ている。




「伝えたかったのはそれだけよ」




そう言い残し、アストレアは去っていった。


僕だけが焚き火の前に残される。




空を見上げると、黒い雲がゆっくりと頭上を流れていった。




「…嫌な感じだな」


でもクララの件で悩む必要はない。






― ―当たり前だ。
















王国。


奴隷を使い坑道を掘らせた黒幕。


戦争のために、人を攫い、使い潰す国。







王国がそこまで憎いか聞かれたら。


答えはいいえだ。




生まれすらよく分からない僕にとって、


坑道で過ごした日々こそが“普通”だった。




比べられる日常がない分、恨みも薄い。




アストレアの言う「楽しい人生」というのも、少し分かる気がする。




僕がアストレアに言った王国を滅ぼす計画。




退屈はしないだろう。


命を懸ける人生にはなるが。






そして一番大事なこと。




「それが僕の夢と繋がるのかねぇ?」




先の見えない選択を前に、思わず弱音に似た声が漏れた。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ