ガルム君の5日目(日常)④
暖かい日差しが頬を照らす。
広場では子供たちが円になって何やら真剣に話し合っていた。
クララが頷き、ラインが腕を組み、ヘンリーが必死に何かを説明している。
……平和だな。
今日は何も考えたくない。
僕はその場に寝転がり、大きなあくびをした。
目を閉じていると、子供たちの声が聞こえてくる。
「ガルムがいれば大丈夫だって!」とヘンリー。
「昨日お母さんに怒られたからさすがにやばいって」とライン。
「クララはいってみたい!」
どうやら、ろくでもないことを考えているらしい。
……関わらないのが一番だな。
僕はそう思い、ゆっくりと起き上がる。
さてと、家に帰りますかね。
「ガルム!」
……ほら来た。
「却下!」
「まだ何も言ってないよ?」
「…考え事に忙しいんだよ」
「それでね!?聞いてほしいことがあるんだ!」
人の話は最後まで聞けって教わらなかったのか?
アストレアにこいつらの再教育を任せたいくらいだ!
「この村の井戸に伝説があるんだって!!」
その言葉にヘンリーとクララの目が輝く。
ラインだけが顔をしかめていた。
……そして僕もだ。
「伝説~?」
と、思わず聞き返す。
まぁ少しワクワクするじゃないか…それで?
体を起こし、前のめりになる。
「おばあちゃんが言ってたの!」
ラインを見ると、察したように口を開く。
「もう亡くなってて、この村にはいません」
「はぁん?その伝説ってのはどんな内容なんだ?」
「村長の隠し財宝だよ!」
「見つけたら幸せになれるって!」
「悪霊が封印されてるんです!」
……なんて?
3人の声が重なって何も聞こえなかったんだが…。
三人が一斉に言い合いを始める。
「落ち着けお前ら、それで?結局僕に話って言うのはなんなんだよ?」
「ガルムと一緒に確認しに行こうって話だよ!」
「お兄ちゃんと一緒に井戸に行くの!」
「僕は嫌なんだけど…」
まあそうだろうと思ったが、正直行きたくない!
さすがに5日連続で問題は起こしたくない。
「分かった、じゃあ確認して何もなかったら解散だぞ?」
……今日は思った事と反対の事をすると決めたのだ、決して気になったわけじゃない。
……本当にだ。
そうと決まれば出発だな。
「ほら行くぞ!」
井戸は村の外れの畑を抜けた先だ。
……めんどくさい。
本当にめんどくさい。
コソコソ
「なんでガルムの奴スキップしてるんだ?」
コソコソ
「鼻歌も聞こえて来たよ?」
コソコソ
「あ!急に笑い出した」
「「「こわいわ~」」」




