また会う日まで④
◇ ◇ ◇
ガルム君が王広間から出ようとする背中を追いかけようとしたところお母様が私を呼び止め、私はお母様と対峙している。
言いたいことはある、でも女王として私と向き合うお母様に甘さなどがない事も知っている。
「フリージアあの少年と別れの挨拶は済ませたのですか?」
「いえ…まだです、迷いの森の外まで送り届けてその時に言おうかと思っています」
「あなたが森に入ることは許可しません、別れならこの城、もしくは正規の道の前までです」
私が何かを言うよりも早くお母様を続ける。
「あなたの言いたいことは分かります、ですがあなたは自由に動いていい立場でないという事をもう一度自覚なさい、攫われたのはあなたのせいではありません、ですが攫われたことでこの国に多大な迷惑をかけたのもまた事実なのです。そして王国に通告した通りあなたが帰ってこなかったら私は問答無用でかの国に攻撃を仕掛けていました。あなたの王女と言う立場はそれほど重いということを理解なさい!」
私の拳は無意識に握りこまれる。
お母様は何も間違ったことなど言っていない、その内容も幼いころから何度も言われてきたことだ。
正しい選択と正しくない選択。
したい選択としたくない選択。
私は今それを自分で選び取れる立場にはいない。
「お母様に聞きたいです」
私のこの質問で私がどうするか決める、王女として生きるのか、ただのフリージアとして生きるのかを
「なんでしょう?」
「私は一生この国で過ごすのでしょうか?この国から出ることは叶わないのでしょうか?」
お母様の目をまっすぐに見つめぶつかり合う。
そしてお母様が目を閉じ、そしてもう1度私の目を見つめる。
「そうは言いません、あなたが1人でも生きていけると私が判断をすればあなたが外の世界を見に行くのも自由です、もちろん有事の際などは国に帰ってきてもらいますが」
その言葉を受けて今度は私が目を瞑むりお母様とまた目を合わせる。
「明確な判断基準をいただけますか?」
そう言うとお母様はにやりと笑い考え込む。
「そうですね、超級魔法を最低1つ無詠唱を10以上は扱えるようになりなさい、そして最終的に模擬試合をして勝てば認めることにしましょうか、ただし誰が相手をするかはその時に決めます、もちろん勉学も疎かにはしてはいけませんよ?」
「分かりました、その約束必ず守ってくださいね?」
「女王としても母親として誓いましょう」
◇ ◇ ◇
娘が王広間から出る背中を見送り、私だけが残される。
「嫌なものね娘から敵意を持たれるというのも、でも嬉しくもある」
おどおどしていた頃のあの子がこうまで力強い顔をするようになった。
それもあの魔族の少年のおかげなのだろう、まぁ加点はしといていいだろう。
「魔族…か」
背もたれに体を預け天井を見る、魔族でなければ素直に歓迎していたのだろうか?普通の人間であれば。
鼻で笑いそんなタラレバを考えることを追い払う。
「フリージアに嫌われたら寝込んじゃいそう…」




