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始原の裁定者と終結の器  作者: 解放さん
序章 生きる意味

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未曾有⑥

何も見えない暗闇、先ほどまで霧は立ち込めていたが太陽の光が私たちに降り注いでいたというのに私の視界は何も映らない、まるで目をがなくなったかのようだ。


私が放った魔法は?魔力が足りなくて発動できなかった?ガルム君は?


そんな困惑と疑問に頭を支配されていると、急にまぶしい光が私を襲う、暗闇に慣れていた目が急な光に耐えられず腕で目を隠す。


私の目の前には驚愕に顔を驚かせるエルフの兵士たちがいる、その目線は私の少し上に注がれている。

私もその目線を追うかのようにゆっくり上を見上げる。


そこには漆黒の梟が私とガルム君を翼で守るように佇んでいた。


驚愕に固まってるとゆっくりと私の方を見て語り掛ける。



「そなたらは我が守るから安心せい、この小僧ももうすぐ来る奴が傷を治してくれるわ」


その声に張りつめていたものが解けていき、私は意識を手放した。


エルフの兵士たちが一斉に片膝を着き()()()()の方向に頭を下げる。


「夜を統べる賢鳥よ、御身に拝謁賜り慎みて拝礼申し上げます!!」

月梟が頭を垂れたままの指揮官の男を見下ろす。


そこに帰ってくる声はない。


「…恐れながら申し上げます。なぜ、その魔族の者をお救いになるのでしょうか?」


月梟はその問いに目を細めてから白い子犬の方に顔を向ける。


◇ ◇ ◇

間に合ったか、私は息を吐き安堵する。


『おい聞かれておるぞ?この問いはお前の領域だろ?なんて言えばいいのだ?』


デカ鳥がそんなことを言ってくる。


『我々守護獣がその魔族の者を生かすと決めたからだ、とか言っておけばよかろう?』


「我々守護獣がその魔族の者を生かすと決めたからだ、とか言っておけばよかろう?」


周りが静寂に包まれる。


『このドアホ!!そのまま伝えるな!!』


「このドアホ!!そのまま伝えるな!!」


周りがざわざわとなる。


デカ鳥はにやりと笑っている


毎度おちょくりよってこのダメ鳥が!


こころの中で悪態を付きつつ深呼吸して私が伝えるべき言葉を言ってもらう。


「その魔族の者は脅威になりえぬと我々が判断した、よってこの少年に危害を加えることは許さぬ」


それを聞きまたざわめきが広がりエルフ軍が思い思いに話始める。


ドン!!!!


「少し黙れ」


金色の鹿が片足を上げて地面に振り下ろし地響きを起こし静寂が訪れる。


「も、申し訳ありません金鹿(キンロク)さま」


皆が一様に金色の鹿に頭を下げ謝罪を口にする。


「黙れというのが分からんか?」


威圧感が強くなる空気に皆が一斉に黙り込む。


その中でエルフの指揮官が喉を鳴らし言葉を発する


「重ねて申し上げます、我らは女王の命によってその者を殺せと言われております、引くことはできません」


相変わらず固い奴らだなこいつらは、また伝書梟をして伝える。



「殺したいのなら殺せばよい、だがな?その瞬間我らは容赦なくお前らを殺すぞ?」


蒼い炎を纏った狼が崖上から降りてきて指揮官の前にまでくる。

指揮官の男は震えて汗を流している。


「勘違いしないで欲しいんだけどさぁ~、私たちが守るのはこの森であって、あなたたちエルフじゃない、お互いに森を守る使命が同じであってもね?本当に殺しちゃうよ~?」

そう言ってエルフの指揮官の首元までゆっくり牙を近づける。


『もういいアオ!話が進まん』


『は~い』


そう言って崖下で座るのを見送る。


「2度は言わんぞ?女王に伝えろ我らの意思を」


「ハッ!拝命賜りました!しかと伝えます!」



そう言い聖樹に帰るエルフ軍を見送る4匹。


『もうもどっていい~?』


『ああ、わざわざすまなかったな』


蒼狼<アオ>が眠そうにしながら崖上にジャンプして消えていく。


金鹿<ロク>は何も言わずに森の中へ戻っていった。


残るのは私と月梟<バカ>だけである。


『我らを呼ばずともお前がどうにかしたらよかっただろうが』

『私の能力だと皆殺しになっちゃうでしょうが!』


『で?本当にその選択で良いのか?』

『くどい』


『俺は今すぐにでもこやつを殺してやりたいくらいなのだがな?』

そう言って鉤爪をガルムの首筋にあてがう。


そんな事は出来ないのは分かりきってるのでそれを無視する。

私が決定した事が聖獣の総意なのだから。


私が何も反応しなくてつまらなくなったのか地面に足を下ろす。


『おい、俺は本気で言ってるんだぞ?せめてこの小僧が悪に傾いた時に俺らに殺す権利を与えろ』


『ダメだ』


『ならみすみす見逃せと?』


『違う、その役目は私がするって言ってるだけよ、もしガルムがそうなってしまったらその責任は私にあるからな』


『そうか…まあ見込みがありそうなのは認めるさ、岩を打ち砕くとは思わなかったからな』


『そうだな私もあれには…ん?見てたのか?』


『見てたぞ?』


『いつからだ?』


『最初からだが?』


『さっさと助けにこんか!!』


『”いつ”助けろとは言われてないからな!』

そう言うと笑いながら翼を広げて飛び立って逃げていくバカを見送っていると入れ替わりのようにユニコーンの<カク>が来た。


『遅くなってごめんね!セイちゃん!それでそれで?直してほしいのってそこの2人でいいの?』

『ああできるか?』

その声にもちろんと言ってガルムとフリージアが光に包まれるのを見つめる。


『なあカクちゃん私は間違ってるのかな?』


『私は間違ってないと思うよ?エルフの子が魔族の子を守って、魔族の子がエルフの子を守る、そんな事生れ落ちてから一度もない出来事だしね』


『見守るしか私たちには出来ないしな』


◇ ◇ ◇























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