人か魔物か⑪
ミオが1歩前に出てギガントロールを見上げる。
「俺の名前はバルゴロスだ」
「うちはミオだよ」
ギガントロールが名乗りを上げ、それにミオが応える展開に驚いてしまう。
その光景を見て疼きが引いていく。
途中で乱入しようと思ったがその考えを今捨てる。
2人の戦いを見届けるため、邪魔にならない位置まで下がり芝生に腰を下ろす。
「ミオー!!頑張れよー!」
声と同時に獣人の姿に変わる。
ミオが肩越しに振り向き、楽しげに笑った。
(ヤバそうならミオを抱えて逃げるか)
代わりに戦ったりもしない、それは2人に失礼だもんな。
頑張れよ。
◇ ◇ ◇
「そうか、俺を楽しませてくれるのであれば命は見逃してやるぞ?」
ニヤリと笑うその顔にあるのは慢心。
それだけ自分に自信があるのだろう。
それはうちも同じ、だからその態度は何とも思わない。
だけど最後の言葉だけは許せない。
「…………それはうちへの最大限の侮辱だぞ?」
ミオの瞳孔が細く潰れた。
瞬間、巨体の力が抜け、大きな頭を下げて来た。
「失礼した。ならば礼を尽くし――全力で殺そう!」
「ガルムがいる限りうちは死なないよ」
「ガルム。あの少年の事か?………そなたより強いとは思えんがな」
「ガルムは強いよ、誰よりもね」
うちがそう信じてる――
それが何よりの証拠だから。




