人か魔物か⑩
頭が一気に冴える。
外にいる僕らなど眼中にないように、
全ての魔物が街へ向かって走り出した。
早くアイツを殺さないと……。
足を止め、こちらを見下ろすギカントロールへ走る。
この状況で邪魔が消えたのは好都合だ。
「イグニス!!あのデカい奴を燃やしてくれ!」
避けるそぶりも見せず炎が巨大な体を包み込む。
「効いてねぇのか?」
「肌は焼けてるよ、ただ回復力がけた違いだね」
まじかよ、さすがにあのデカい頭を吹き飛ばせる気がしないんだが。
「痛みはあるんだよな?」
「魔物は痛みに鈍感な奴が多いからねぇ~、痛覚遮断なんて持ってたらお手上げだね」
ギカントロールが大きく息を吸い込み炎が吸い込まれる。
「イグニス!!戻って来い!!」
魔法を食べられそうになるのを見て慌てて呼び戻し姿を消す。
「づぎは……どっぢが相手だ?」
ギガントロールの口から言葉が出てきた。
「え?!喋れるの?」
「魔物が喋れるのは珍しくないよ?」
へぇ……。
なんで喋れるのか聞きたかったが、それは後で聞こう。
そんな事よりも、次は誰かなんて決まってる!
「僕がーー」
「うちがやる」
…………
2人で顔を見合わせて首を横に振る。
「任せとけ!」
「ガルムじゃ無理!」
「はぁ、分かったよ2人でやろう」
「うち1人で十分」
いやいやそうじゃなくてさ、僕が戦いたいだけなんだけど。
「時間かけてる暇はないんでしょ?黙って見てて!」
「……はい。すみません」
街の方へ視線を向ける。
壁に近づいてる魔物を見つめる。
(あの爺さんたちは殺しまくっているがさすがに数が多すぎるな)
街に侵入するだけだと思ってたのにな……
なんでこんな事になったんだろう。
場違いな疑問が、頭から離れなかった。




