人か魔物か②
「ん?」
「どうかしたのか?」
「いや……今何かが通ったような気が」
「近くにはなにもいないぞ?警戒しすぎるとたまにあるよな、そう言う事」
「そう?なのかなぁ」
門を守る衛兵2人の会話を近くで聞きながら街並みを眺める。
大通りを歩くのは冒険者と兵士だけだった。
商人も子供も、姿はない。
今も王国兵が住民を連れて奥の方へ行く姿を見つつ街壁へ続く石段の方へ向かう。
「外に出る冒険者はいるか!!?いないのであれば門を閉めるぞ!」
衛兵の大きな声に振り返り、階段から様子を見る。
(まぁ閉めるのは分かるけど、外にいる冒険者は逃げれなくなるよな)
冒険者も承知の上だとは思うけど。
外に出る冒険者が数組、それ以降は動きを止めていた。
ガシャン!!
大きな音と共に鉄格子が一気に降ろされるのを見て歩みを再開する。
街には入れたけど、この後どうするかなんだよな。
情報を集めるのは当たり前だが無闇に聞いても時間を無駄にするだけだしな…………。
考えながら石段を登りきる。
辺りを見回し、誰もいない場所に進み外を見下ろす。
「魔法解いていいよ」
「分かった!」
「喋っちゃダメだって!」
周りに人がいないといっても声が聞こえる距離ではあるので小声で注意して静かにさせる。
魔物の襲撃が終わるまでは下手に動かない方が良いよな。
下では今も激しくぶつかり合っているが冒険者が優勢なのは見てて分かる。
「う~ん」
冒険者は強い奴と弱い奴の差が激しい。
魔物は全員が平均的に同じ強さって感じだな。
なんでだ?
あれだけ数がいて、飛び抜けた個体が一匹もいない。
そんな事、あるか?
もし手を抜いてるんだとしたら…………。
もしまだここに来てないだけだとしたら…………。
これすらも陽動なのだとしたら…………。
それはすごく――
面白い事だな。




