孤独①
最近朝は寒くなって来たなと考えていると、ミオが身じろぎするのでそちらを見る。
寒そうに身を丸めるミオの上にイグニスを待機させる。
音を立てないように起き上がり、外へ向かう。
(今日は魚でも獲って来ようかな)
毎日肉ばかりじゃ飽きちゃうだろうし、
それに体を動かしてないと嫌な事ばかり考えちゃうからな。
「バケツバケツっと」
物置小屋からバケツを探し出し、真っ暗な森の中を進む。
10分ほど歩き、
川のせせらぎと共に川辺へと辿り着く。
「はぁ、ほんとバカだな僕は」
月が雲に隠れ、暗すぎて何も見えない川を見つめる。
ザブ!
ザブ!
太ももまで浸かり、
水面を見据えたまま、腰を落とす。
次の瞬間――
ザバァァッ!
右拳を握りしめ横に薙ぐように川面に叩きつける。
水が川辺に降り注ぐ音を聞く、
その中に地面を跳ねる音を聞き、もう一度右手を振り上げーー
「お水さんとお魚さんが可哀想だよ?」
振り下ろそうとした腕が止まり、声が聞こえた方を向く。
「クララ?こんな時間に何やってんだよ………」
「お兄ちゃんには言われたくないかな~」
「僕は今日のご飯を集めるって言う理由があるから」
「クララは眠りたくないから………スイレンとお話ししてたの」
眠りたくない?
ていうか、気配なんて感じなかったぞ…………。
向かい岸にいるクララの元へ水をかき分け進む。
「なんでわざわざ川を渡ったんだ?寒くないのか?」
「えへへ濡れてないよ!見てて!」
クララが立ち上がり川に向かってジャンプした。
川面に波紋が広がりその上に立つクララに目を見開く。
川面に浮かぶクララがこちらを向き、スカートの裾を持ち上げ会釈をしてくる。
その瞬間雲に隠れていた月が顔を見せ月光が辺りを照らす。
それを合図にクララが水面の上で踊り始める。
水の球が次々とクララの周りに浮かぶ。
その幻想的な光景から目を離せない。
さっきまで悩んでいた事が、どうでもよくなっていく。
その幻想的な踊りが終わるまで、目を離せなかった。




