撃退①
森を駆け回ったが見つからず、物見櫓の所まで戻る。
「あ!いた」
2人の死体を見下ろすウィリアムさんがいて一息つく。
僕の声に気づきウィリアムさんが振り返る。
近づいて来ようとするのを手で制し、こちらが駆け寄る。
「良かった、森に探しに行ったんだけど見つからなくてさ…………
足ふらついてるけど大丈夫?」
僕が近づきーー
ウィリアムさんの足が後ろに下がり頭を振る。
少し震えてる体を見て限界なのだと悟る。
「あ、ああ、大丈夫だ、さっきの奴に頭を打たれて、それでちょっとな」
「そっか、でも無事でよかったよ、先に櫓で街の方見てきてもいい?」
「俺もさっき見て来たが見た方が早いかもな」
ミオと同じような言葉にドキリとするが声の感じからして嫌な感じはしないし、
焦ってる様子もない。
心が軽くなるのを感じながら梯子を上っていく。
(人、はまだ街の前にいる……だけど守りを固めてる感じかな)
街の入り口以外に人の動きがないのを確認して櫓から飛び降りる。
地面に着地しウィリアムさんの方へ歩み寄る。
そう言えば…………、なんであいつらこれを壊さなかったんだろう?
櫓を振り返り首を傾げる。
「今日はもう来ない気がする、
それとさっきの奴はどうなったの?」
「…………すまんさっきの奴は逃げられた。
この後どうするかはガルムに合わせる」
「そっか………帰ろう、村の皆も心配してるだろうし」
「そうだな、それとこいつら2人は罪人みたいだな」
「そうなの?なんで分かるの?」
「背中に入れ墨と肉を抉っても消えない血契印ってので罪の種類が分かるんだよ」
「ふーん?そうなんだ」
あまり興味のない事だったが頭の片隅に覚えておく。
「どうしたの?」
ウィリアムさんが僕を見つめ動かない。
「もし、襲撃者が女性やこ…………いやなんでもーー」
「殺すよ、襲撃者ならね」
「…………そうか、帰ろうガルム」
「うん、そうだね」
ウィリアムさんが駆け出しその後ろに続く。
「ガルム、すまなかった」
「ん?何に対して謝ってるの?」
「………俺の今日の”行動”…………全てに対してだ」
首に剣を当てられた事かな?
「気にしてないよ?分かり合うのって難しいよね」
「そうだな…………本当にそう思うよ」
村へと帰る道中会話はなかった。
(女性だから子供だから許す?手加減をする?
意味が分からない。敵は敵だよウィリアムさん)
ウィリアムさんとのずれを感じる、
やっぱり僕は………。
……やめよう、考えても意味なんてない。
ミオの魔法で奴隷の時にされた事がちらつく。
「ミオ…………」
小さく呟くその声は風に乗り後ろへと流れていく。




