ミオの強さ⑤
深夜の時間帯、街の明かりも騒がしかった音も今は聞こえない。
木々のざわめきだけが僕らを包む。
イグニスは夜は目立つので夜は出していない。
「ガルム!」
ミオが指さす方向をすばやく見つめる。
遠くの平原を駆ける影の群れがこちらに向かって来ている。
「どうするの?敵かどうかまでは分からないよ?」
「…………関係ない、
今この村に近づく奴は誰であろうと敵だ」
「分かった」
「数は分かるか?」
「ちょっと待って………、10,6くらいだね、全員馬に乗ってる」
「……迎え撃つぞ、あそこの森に隠れて後ろから襲う」
「殺してもいいの?」
「ああ、戦闘の意思がなければ見逃すけどな」
「その時はガルムがうちを止めてね?」
「分かった」
ミオと一緒に飛び降り地面に着地する。
ドン、と地面が沈む。
ミオの体が光に包まれたと思ったら狐の姿に変わる。
「こっちの方が速いから、木は6本までしか持てないよ?」
「十分だろ」
6本で既に試してある。
「行くぞ!」
「うん!」
息を殺し音を消し全力で目的地まで走る。
「ミオありがとう」
「ん?急にどうしたの?」
「いや、僕一人だったらここまで落ち着いていられなかったからさ」
「そっか…………守るよ………ガルムも、ガルムが守りたいモノも」
「頼む、僕もミオを守るから」
「うん!よろしく!」
甘さは捨てる。
守るためなら――何でもするさ。
ゼルムおじさんがそうしたように。
ズキッと、心臓が傷む。
(離れ離れになってまだ寂しいのかもしれないな………)
おじさん、次会う時楽しみにしててよ?
僕の成長した姿を今ここで証明するから!
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