ミオの強さ①
「よし!不格好だけどうまく出来た方だよな」
「土台はしっかり作ったからね大丈夫だと思う、でもこれ目立つね」
昨日の夜から休まず動き続け完成した物見櫓を見上げる。
もう周りは明るくなり始めてる。
「侵入者からも丸わかりなのはしょうがないさ、僕たちが発見を早くなればそれで十分」
「逃げるのにも撃退するのにもね」
「そう言う事」
作ってるときに上からの景色は見たがもう一度登る。
見張り台まで登り、少し時間を空けてミオも隣に立つ。
左を見れば所々焼き払われた森、右を向けば崖がある。
そして前方の点在する街や村を睨みつける。
前に見える街と右上に遠くに見える街を交互に見る。
(警戒するならこのどちらか、あるいは両方、か)
「はぁ、ずっとここに張り付いてるわけにもいかないしな」
魔法の練習もしたい、村長の家も皆と一緒に直したい。
お腹をさ擦り傷口を確かめる。
治ったわけじゃないけどほとんど気にならない。
「ミオお腹の傷も治ってきたから訓練に付き合って」
「まだ3日しか経ってない、絶対嘘」
「いや本当だって傷の治りは早い方なんだよ!見てみろよ」
服をめくりお腹をミオに見せる。
近くでお腹を見たり手で触って来たりしてくる。
息や手がくすぐったくて笑いそうになる。
「…………本当だ、問題はなさそう、」
「だろ?早速始めよう」
「無理だけはしないでね?」
頷きで返し櫓の上から飛び降りる。
ドン!
スタ!
僕の足が地面に食い込むのとミオの軽やかな着地の音が響く。
これからはミオと鍛錬をする事にしている。
もし僕がミオと戦った時のあの力、
それをヘンリーやウィリアムさんに使ってしまった時を考えたくなかったから。
「尻尾1本だからな?」
「6本使っちゃダメなの?」
「今の僕には過剰戦力です!」
自分で言っててかっこ悪いが事実だからしょうがない。
「分かった!2本分にしとく!」
「…………ミオさん聞いてました?」
「限界ギリギリの方が強くなるんだよ?」
「まぁ、言いたいことは分かるけど」
正直一本で限界ギリギリだって思ってるんだけど、、
でもそうだよな、いつかは超えるんだ、それなら早い方がいい。
「分かった頼む、殺さない程度に頼むぞ?」
「それくらいは分かるよ!!」
その言葉を受けてミオに駆け出ーー
「ミオ!もっと櫓から離れよう!!ここだと嫌な未来が見える」
学習をしている僕の危険察知が働き2人で村の方角へと走る。
頑張って作った物が壊れたら絶望だろうな…………。
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日が頂上に昇るまで僕とミオは一緒に戦い続ける。
体を動かすのはやっぱり楽しいな、それにちゃんとミオの動きも分かる。
ミオに近づくことは出来ないし1歩も動いてないのは悔しいが。
「ところで魔法の訓練は良いの?」
「あ!!」
「終わりにする?」
「そうだな帰ろう!」
そうだよな……体の鍛錬と魔法の訓練を両方するなら結構時間きついな。
【イグニスおいで】
僕の目の前に魔法を呼び出す。
「君が嫌じゃなったらこのままの状態で傍に居てくれない?
嫌になったら姿を消していいからさ」
僕が歩くとそれに付いてくる炎を見つめ頷く。
後ろに浮かぶ炎と魔力を繋げるイメージを造る。
「ガルム何してるの?」
「時間が取れないなら日常生活の中で学ぼうと思ってな」
「お~!やっぱり考え方が変わってるね!」
「それ褒めてるんだよね?」
「もちろん!」
まあいいか、繋がるのを感じ魔力を注ぎながら村の道をミオと走る。
「あはは!なんかうちらが火の玉に追われてるみたい!」
「確かに、この光景は襲われてる風に見えるな」
一緒に後ろを振り返り巨大な炎がその後に続いている。
「村に付いたら騒いでみる?」
「ミオがそんなこと言うの珍しいな」
「ガルムの影響、かな?」
「いい影響を受け継いでるな!1日1騒ぎだ!」
「アストレアさんが絶望しそうな言葉だね」
2人笑い合いながら村へ。
(魔法の時間は取れなくなるかも………)
ラインとクララには謝らないとな。




