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始原の裁定者と終結の器  作者: 解放さん
1章 モース村

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出来る事⑥

「なんでそんなに睨むんじゃ!

上手にできてるじゃろうが!」


僕とミオが村長を睨み、それに反発する村長と対峙している。


「これの!どこが!上手にできてるだ!」

「ゴミ!残飯!腐り飯!」

「な、何もそこまで言わなくても…」

僕とミオの暴言に悲しそうにする村長だがそれは僕たちも同じである。


お皿に盛られた生臭い肉の山を見つめる。




〜少しだけ遡る〜

あの後村に戻ると村にいる人全員が村長の家の修復に動いていた。


僕らは目的でもあったエリザベスさんの元へ向かうと、トーマスさんと一緒に設計図を書いていた。


それよりもご飯が先に食べたくなっているので食べたいとお願いしたのだが…。


「ごめんね?村長が急に「皆で直す!」って言い出したからご飯作れてないの…」


「え?!じゃあ皆のお昼ご飯はどうするの?」


僕はいつも食べてないから大丈夫にしても他の皆に不満はないのだろうか?


「それが村長がつくるって言い出してね?

あそこに……」


指差す方を見つめると広場にテーブルが置かれその上に大きな皿と茶色い塊が見える。


ちょうどクララの家族が食べようとしてるのを遠目で見つめる。


「ん?なんか止まってない?」


口に運ぼうとしていた手が止まり、クララに至っては皿にそのまま戻していた。


「匂いがね、凄いの…行ってみたら分かると思うわ」


エリザベスさんの苦悶の表情を見て、

僕らも肩を落とす。



「一応行ってみよう」

「……」


嫌そうなミオの手を無理やり引きテーブルの元へ向かう。


「あ!食べた、すごく美味しそうだ」

「吐きだしてるけど?」

「妄想と現実がごちゃ混ぜになったみたいだ」

「近づくほど鼻が曲がる〜」

「そうか?僕は何も匂わないけど?」

「人間とうちを比べないで!」

「僕魔族なんだけど」

「うっ!」


ミオが急に僕の腕に顔をくっつける。

確かに臭くなってきた…これが原因か。

確かに、これは…。


エド―ワードさんとマーガレットさんがどこかに走り去り、

クララもその後を追うのを見送って村長の前に立つ。


「村長、これは何?」


「獣をそのまま焼いてから

グチャグチャに混ぜた肉!栄養満点じゃぞ?!」


「…獣の内臓はどうしたの?」

「当然そのままじゃが?」


「「……」」


〜ここまでがさっきまでの出来事だ。


「これはガルムが頼んだ事でもあるんじゃぞ!?」


「ん?」


僕とミオが顔を見合わせ首を傾げる。

もう一度テーブルの肉塊を見つめる。


「僕がいつゲテモノが食べたいって言ったの?

そんな変態じゃないんだけど」


「この料理の事ではないわ!これは単なるわしの思いつき、

って!そうではなくて、皆を作業に加える事がお主の頼みに繋がると、

わしが考えてしておるって事じゃよ」


下を向き村長の言葉を考える。


「………ああ、そう言う事か」

「分かったじゃろ?昨日の件はわしが責任を持ってやる、終わり次第ガルムに届けるさ」


「別に村長の家でもいいんだよ?」

「今この村で一番安全な場所は、ミオちゃんがいるガルムの家なんじゃよ」

「そう……だね、うん分かった終わったら受け取るよ、ありがとう村長」

「感謝する必要はないさ、お主の考えを聞いてわしがしたいと思った、ただそれだけじゃて」


ありがとう

もう一度心で感謝を伝え僕達も家の修理に向かうために背を向ける。


「え?!食べんのか!?皆一口は食べてくれるんじゃぞ?!」


「僕たちは村長の顔色を気にしない村人だから」


背を向けながら喋りその場を”逃げる”


「儂の故郷の思い出の味なのに…………、

うーん臭い!!でも力が漲る!!」


後ろからのそんな声が聞こるのを背に、

皆が作業している光景を見つめ思わず笑う。



「皆で何かをするって楽しいね」

「うん、少し分かるかも」


「おーい!ガルム!ミオちゃん!こっち手伝ってくれないか!?」


屋根の上の縁の部分にいるウィリアムさんが僕たちを呼ぶ。


ヘンリーもいたので手をあげ挨拶をすると恥ずかしそうに頷く。


「行くか」

「うん」


「待って!ウィリアムさん、ミオちゃんは下からの作業の方がいいです!」


「分かった!じゃあガルムだけでいいぞ!」


トーマスさんとウィリアムさんのやり取りを聞き頷く。


「だってさ、ミオは下で作業な?」

「やだ」

「…………そんな距離ないじゃん」


首を横に振りまくるミオにため息をつきたくなる。


「なんかミオが僕と離れたくないってさ!!」


大声で2人に伝える。


「…………なら上に来てくれ!!」

「…………それなら下の方がいいですね!」


2人の声が重なるのと同時に、

2人の間に火花が散っている気がした。


「上で作業できる奴が俺とヘンリーしかいないんだぞ!?

下と比べてこっちは大変なんだ!!」


「な!下も大変ですよ!上と違って細かい作業がたくさんあるんです!!」


「お前は紙と睨めっこして指示を出すだけじゃないか!

いつもそうだよなお前は」


「こういうのには役割があるんです!

ウィリアムさんには出来ない事を私がやってるんです!!」


なぜか喧嘩を始めてしまった2人を見てミオに向き直る。


「ミオは下ね?命令で」

「うーー」

「うーーじゃなくて」

「…………分かった」


不服そうなミオの頭を撫で、2人の喧嘩を止めに間に入るのだった。









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