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始原の裁定者と終結の器  作者: 解放さん
序章 生きる意味

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モース村

霧が立ち込め肌寒さに僕は体を震わして目を覚ます。

上半身を起き上がらせ周りを見るとまだ皆寝てるようだった。

フリージアが寒そうに体を抱え込んでいるのを見て僕の寝袋を上に被せてあげる。

おじさんの方を見るとこんなに寒いのに坊主頭に大量に汗をかきうなされている。


おじさんのうなされてる姿は珍しいものじゃない、何回も見てきたが夢の内容を聞いてもはぐらかすか覚えてないと言う回答しか返ってこない。


まだ皆起きてくる感じはしないが、目が覚めてしまった僕は自分が寝ていた地面に「散歩」とだけ書き残し

1人森の中を南東に進む。


15分ほど森の中を歩いてるが聞こえる音は微かな鳥のさえずりと、ざわざわとした葉が風に揺れる音だけだ。

動物たちもまだ夢の中なのか姿は見えない。


そのまま歩いていると開けた場所に出る、最初に目についたのは周りの木々と比べて一回り巨大な木が中央に鎮座している光景だった。


そしてその巨大な木の下に、尻尾が6つあり小金色の毛並みを輝かせる動物が座った姿勢で巨大な木を見上げていた。


その神秘的な光景に息を飲み、呼吸するのも忘れてしまっていた。

慌てて呼吸を再開するとそのかすかな音に気付いた獣がこちらをゆっくり向く、僕との距離は20メートルくらいだったが獣のエメラルド色の瞳と額にある赤い宝石が特徴的だった。


目は切れ長で前へと鋭く伸びた鼻先、一目見て美しく愛らしいと思った。


それと目が合うと獣は目を見開き驚いた顔をする、だがそれもすぐ元の状態に戻りこちらに体を向け四足の足を立ち上がらせ六つある尻尾をそれぞれ空に向かって伸ばす。


敵意を向けられてるのがありありと分かる反応だ。争う気はなく、僕はみんなの所に戻ろうとキビスを返そうとしたところ、獣の額にある赤い宝石が光りあたりを照らす。


まばゆい光に手で目を守り恐る恐る手をどけ確認すると、先ほど見ていた巨大な木も美しい獣もどこにもおらず、どこにでもある森の中で佇む僕しかそこにはいなかった。

◇ ◇ ◇


「おまえそりゃ~狐様に化かされたんじゃねぇか?ここら辺に長く住んでるがそんな特徴の魔物は見たことないし、聞いたこともないぞ」


あの後訳も分からないまま来た道を戻りすでに起きていたおじさんとフリージアに僕の体験した話を聞かせると、おじさんがそういってきた。


「額に宝石があるので言うとカーバンクルがいるんだけど、尻尾は6つもないからそれも違うと思う」


フリージアもそう言い分からないと首をかしげる。

幻覚でも見てたんじゃねぇかと言われ僕も訳が分からないので唸るしかできなかった。


「まぁそんなことは後回しだ!モース村はここからすぐ着くと思うからな、すぐに出発するぞ!」


僕が戻るころにはすでに片付けがされていたので、その号令の後すぐに出発する。


おじさんが言うようにあれから一時間ほど南西方向を歩いていると森を抜け、そこから100メートルほどに小さい村が見えた。遠目から洗濯をしてる人や子供たちが、かけっこをしているのが分かる。


村の入り口だろうか大きい枠の下には、よれよれの帽子とローブを着た人が見える。


「なんで俺たちが来ることが分かってんだよ…」


おじさんは恐怖に慄き顔を引きつらせる。

ため息をつき覚悟を決めたような顔をして僕たちに行くぞと声を発する。


同じ腕と足が同時に出て歩いていたが僕たちは何も言わないであげた。


ブッ!!

「あっ」

おじさんの情けない声、

おじさんのお尻から聞こえたおならの音に僕とフリージアは大笑いしながら村の方へ歩く。
























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