第1話 始まりはいつも空っぽ
初心者なので悪しからず。
「おうシューヤ。」
「なあ聞いたかあのウワサ。」
「え 何それ?」
「お前のクラスの川崎さんの噂だよ。」
「A組の北野カップル、川崎さんのせいで別れたらしいぜ。」
「それって修羅場ってやつ?笑」
「ちげーよ。なんかな川崎さん怪しい商売しててどうやら情報とかも売ってるらしんだよ。」
「ほーん。てことは川崎さんがそのカップルのどっちかに情報をうって別れたって感じか?」
「そーそーそーなんだよ。川崎さんに北野が金渡してる所を見たってやつがいるんだよ。」
「うわ〜川崎さんそれじゃ死の商人みたいだな。」
「まあ川崎さんにも事情があるんじゃねーの。てかオレのアレ、川崎さんにバレてないか心配だよ...。」
「あっ お前の二股のやつな。」
「おい、口に出すんじゃねーよ。このやろ。」
「わりーわりー。ま知ってたとしても加茄子ちゃんはお前の事疑ったりしないと思うぜ。」
「おーまあそうなんだけどよ〜。」
「あ〜オレちょっと思ったんだけどさ、川崎さんYM事件についてなんか知ってないかな?」
「お!それナイスアイディアじゃん。お前今度聞いといてよ。」
「え〜オレかよ。川崎さんと話した事ないから聞きにくんだけど、、。」
「まあまあこれを機に仲良くなれって。オレ部活忙しんだわ。」
「お〜ん。まあ暇だし今日の中に交渉してみるわ。てかそもそもその噂本当なんだろうな?」
「おうよ。信頼できる情報源だ。パチじゃねー。」
「おけ。じゃーそろそろ。」
「おう。じゃーな。」
こいつはオレの1番のダチである順也だ。中学2年からの付き合いで、今じゃ旅行にいく仲になった。
で、オレは望月終夜で、顔は上々、スタイルは抜群、成績が悪いのは置いといてまあそんなとこだ。この話は半年前に起きたカワサキ事件の全貌だ。オレの高校2年はこの物語にかたられる。
はぁ〜ため息混じりに午後の4限が始まりさっきの話しを思い出す。川崎さんに声掛けなきゃいけないんだよな〜。このクラスでのオレのカーストは中の上ってとこだ。まじパリピって訳じゃないけど、まあまあ友達多しって感じ。あとルックスいいし。だからオレが1回も話した事のない川崎さんにいきなり話し掛けても別段変な感じにならい。はず。多分。何で直接話さなきゃいけないんだって?だって川崎さんのLINEもってないんだよな〜。Twitterもやってないみたいだし、悩むわ〜まじ。つらたん。てまあこんな事考えてる時点でコミュ障なんだよな〜オレ。とかまあ昼からずっと考えてる。こんなふうに考えるようになったのは、昔こういう事で周りに勘違いされて、話しかけた向こうもその気になってたっていう黒歴史があるからなんだけど。机のひんやりとした木目に顔を当てて川崎さんの方を見る。オレの斜め右前の前くらいに座ってる川崎さんはいつも眼鏡をかけている。黒縁の眼鏡をかけ薄暗いミディアムでサラサラの髪質がやけにエロい。耳に髪の毛をかけているもみあげがまたまたエロい。何で今まで話した事が無いのか。不思議やな。なんてかれこれ50分考えてたらしい。チャイムが鳴った。授業をまともに聞いたことは無かったけどこんなんで1時間程潰したのはもったいないなかったと少し悔やまれる。因みにオレの休み時間の行動パターンは決まってる。仲良しこよしの美咲と智と陽愛花の4人組で色々話したり愚痴ったりする。
「ヘイ乙カレー!\(^o^)/」
「ヘイ乙彼氏ほしー」
「ヘイ乙カレー食いてー」
「ヘイおっぱいもみてー」
「シューおっぱいはキモいわ〜」美咲がめを細めて少し呆れた顔で言ってくる。
「美咲は知らないだろうけどな、男子高校生の性欲まじ半端ないんだよな!シュー。」サトルは良くオレの味方になってくれる頼もしい奴。
「うわ〜性欲うつるわ。あっちいこヒメカ。」
「シュー君、私の彼氏になるんだったら揉ませてあげるよ。」ヒメカが上目遣いなのに甘えよりも不思議に謎めいた冷たさが先行して見つめてくる。
「オレと結婚してください。ヒメカさん。」
即座にオレはキメ顔でそう言った。
「ちょっと待った!」サトルも続く。
「うわ〜うわ〜そういう事軽く言っちゃう男まじ無理だわ〜。」美咲は微笑みながらだが顔が笑っていなく口を尖らせて言う。
「美咲。安心して。私は美咲としか結婚しないから。」美咲を本当に愛らしく頬を赤らめて見つめるヒメカ。
「本当!嬉しい。いや、日本でそれできねーし!」美咲のボケツッコミがいつになくジワる。
こんなやり取りが日常茶飯事だけど、これはこれで楽しいものだ。
「そういやさ、シュー授業中ずっと川崎さんの事見てたよな。」改まって言うサトルにみんが注目する。
「えっまさかシュー君川崎さんラブなの?」
「確かに川崎さん可愛いし..どうなのシュー?」
オレは言葉に詰まった。この3人とジュンヤに繋がりはない。だからYM事件について話す訳にはいかないし、巻き込みたくもなかった。
「んーまそんなとこ。」
「きゃーこま???スクープだよ!」美咲がはしゃぎだした。「いつからなの?なんかアクションしたの?」矢継ぎ早に聞いてくる。
「今日。まだ。」もうめんどくさくなった。
「ふ〜ん。そうやって教えてくれないんだ。」美咲はふてくされてる。
「シュー君にももうすぐ春がくるかもね。」
「え?ヒメカ今夏だけど。」サトシの天然には言葉がでない。
「「恋の季節だよ!」」口を揃えて美咲とヒメカがつっこむ。サトシはとぼけ顔で
「ほーう。」と一言。と同時に
「お前ら席につけ〜。」先生が教室に入ってきた。
5限が始まった。ややこしくなった。最悪。とまたため息をつく。オレが川崎さんに話しかけにいったら絶対あいつらはヒュヒューとかパパパパパーンとか絶対言う。憂鬱だ。
なんやかんや授業も終わりあいつらの所に行くかな〜と思っていると、川崎さんがこっちの方をみながら向かってきた。え。さっきの聞かれちゃったのか。オレの席の真ん前まで来て、
「君、話があるの。」と澄んだ目でさらりと言った。呟いた。
「お、おうよ。」完全にさっきの話し聞かれてる。オレは少し引きつった顔になった。
「佐倉さんのこと。」、、、、、、、、、、
、、、、、、、、、、、、
思いがけなかったワードに体が固まった。と同時に身が凍るように小刻みに震えた。何でその名前。焦りと恐怖がまじって変な汗をかいた。