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君の知らない僕のダークサイド〜救ってくれるもの  作者: 水波瀬 凪
第三章~それぞれの救い【転換期編から最終まで】

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【優芽】はるくん……言えないことがあるよ

イケメンカウンセラーの本に


浮気について書いたページがあった。


「男の浮気は旅行みたいなもの」


なんだってさ。


つまり、非日常、刺激、帰るところがあるから旅(浮気)に出る。


それで女は? っていうと


「女の浮気は引越し」らしい。


浮気相手に乗り換えたい。


そう考えると、わたしのは浮気じゃないよね?


わたしも、旅行っぽい。


だって凪くんといろいろあったけど、凪くんに引越しするつもりはない。


凪くんは、話してるとき、遊んでるときは楽しいけど、将来はやっぱりイメージできない。



結菜ちゃん、本当に凪くんでいいのかな?


と、余計なことを考えてた。



ここ最近、凪くんははるくんちに来てない。


のんびりと、はるくんとふたり過ごせてる。


2人の家を借りるみたいだから、休みの日は全部、結菜ちゃんと不動産屋さん巡りしてるんだって、はるくんから聞いた。


「凪はめんどくさがって、ネットで決めれば早いのにって言ってるけど、結菜ちゃんが妥協しないんだってさ」


「ふーん、楽しそうで何より」


結菜ちゃんから、見せられないLINEするなって言われたみたいで、凪くんからLINE来なくなった。


凪くんのことは、はるくんから聞く範囲しかわからなくなった。


ようやくまともに、というかこれが当たり前なんだろうけど、落ち着いてきたのかもしれない。


わたしと凪くんのことは、はるくんはなにも言わないし聞いてもこない。


結菜ちゃんが行方不明になった件、はるくんだって事情わかってるくせに、なにも言わない。


凪くんだけじゃなく、わたしにも関係あることなのにね。


聞かれても、認める気はないんだけど。


それよりもこの先、はるくんに言えてないこと、誰にも言えてないことがある。


このままもし、はるくんと結婚するようなことがあれば、言わなきゃならないとき、来るんだろうな。


ずっとはるくんと、2人でいたい。


子どもなんかいらない、欲しくない。


はるくんは、子ども欲しいのかな?


欲しいって言われたら、結婚はしないほうがいいのかもしれない。



「あ、そういえば、タイルのことなんたけどね」


おばあちゃんちのお風呂場の欠けたタイル。


はるくんが壊した思い出。


「月曜日に山口くん、あの工務店の、持ってきてくれるんだって」


「え、わざわざカフェに?」


「こっちのほうにお客さんいるらしくって、ついでにランチ食べに来てくれるみたい」


「そか、俺が取りに行くって言ってたのにな」


あれ、わたし失敗した?


はるくんが行くからって、お断りしたほうが良かったのかな?


ランチ食べに来てくれるって言われたのが、少し嬉しくてつい……



はるくんの気持ち、考えてなかった。



「結局、色はそのままにしたんだっけ?」


「うん、上から薄いブルーのレジンで固めるって言ってた」


はるくんにも作れそうだったけど、サービスでやってくれるって言うから、山口くんにお任せしたんだよね。


ベッド脇に置ける感じの、かわいいミニテーブル。


「楽しみだな」


少しがっかりさせたかと思ったけど、良かった、いつものはるくんだ。



明日の日曜日は、このまえお散歩した公園で、ボートに乗って、公園内にある美術館にも、行ってみようかって約束をしてる。


ここから徒歩で行けるし、お散歩の延長みたいな感じだけど、その分ゆっくりのんびりできるよね?


「明日楽しみだね」


うん、楽しみ。


だよね?




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