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君の知らない僕のダークサイド〜救ってくれるもの  作者: 水波瀬 凪
第三章~それぞれの救い【転換期編から最終まで】

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【遥希】頼むからみんな、公私混同しないで仕事して

凪が朝からスマホばっか見てる。


なんだろ?


「おい、凪!」


後ろから声をかけたら、凪が飛び上がった。


「うわ! 遥希びっくりさせんなよ」


慌ててスマホ隠してるし、なんかあるな。


「ここはどこだ?」


悠真さんのまねをして言ってみる。



悠真さんも事務の美咲さんのところへ


「ちょっと重要書類の件で行ってくる」 


と行ったきり帰ってこない。



「わかってるよ、仕事すればいいんだろ」


めんどくさいなーって言うけど


「間に合わなかったらヤバいんだって」


「遥希じゃねーんだから、楽勝」


そういうと凪は、目の前の「小道具」であるお守りを投げつけたり、踏みつけたりしてる。


本物じゃないとはいえ、その扱いはひどい。


「なかなかいい仕上がりだぜ」


ボロボロになったお守りを、やればできるだろ?


という顔で俺に見せてくる。



”使い古した感”を出すための制作なんだけど、それくらいじゃだめなんだな。


「じやあ次はこれな」


材料を渡すと、凪はまるで粘土遊びするみたいに楽しそうに丸め始めた。


「何作るかわかってるな?」


「団子だろ?」


「惜しいな、饅頭だ」



凪が中途半端に汚したお守り


「まだまだだね」


これ言うと優芽が微妙に笑うんだけどさ、もしかしたらこのセリフって、凪に言わせたほうが似合うんじゃね?


と思ってすぐ打ち消す。



だめだめ、優芽のことだ


「凪くん萌える〜」


なんてことになりかねない。


「封印しよ」



俺はお守りをサンドペーパーで少し削ったり、ライターであぶったりしてみた。


「これじゃ凪がやってたよりひでーな」


いや、でも、今どき4K画面だもんな…


偽物だとバレたら嫌なんだよな。


できる限りリアルさは追求したい。


凪に教えてから


「同じこと10回繰り返しやっといて」


と言ってみる。


「燃やすなよ、ギリで頼む」


言うとわりと真剣な顔で凪は燃やしてた……


「わわわ、失敗したっ!」


火がついたお守り(偽物)の燃えカスを眺める。


ああ、残念。


やり直し、だな。


 


「終わったら打ち上げするから」


と凪に声をかける。


「フライドポテト食いたい」


「山盛りにしてやるから頑張れ」


「よし、頑張る!」


やる気を見せた凪を確認すると、次は悠真さんか。



俺は、総務課まで悠真さんを呼びに行くことにした。


「悠真さん、重要書類はまだですか?」


悠真さんの手には、銀魂のボールペンしか握られてない。


それ、書類?


なわけないか。


悠真さんは俺に気づくと、余裕の笑顔で振り向いた。


「ああ、重要すぎてなかなか渡してもらえなくてな」


そうだよな、と美咲さんに笑いかけている。


「そうなの、ごめんなさいね遥希くん」


美咲さんもなのか?


そうなのか?




みんな公私混同しないでくれ。


ちゃんと頑張ろうな




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