【悠真】逃げてる凪がいるところはやっぱり…
「全部見られてたみたい」
と結菜ちゃんから連絡を受けた。
しばらく連絡するなと言われたらしい。
そして、俺との仲を誤解しているようだとも結菜ちゃんは言っていた。
「悠真くんのこと、詳しく話す前に、電話切られちゃって…」
そう言われてしまうと、俺も責任を感じる。
良かれと思ったことが裏目に出たというやつだ。
いずれ凪の知ることになるかと思ってはいたが、まさか見られていたとは、まさかこんなに早く知られるとは想定外だ。
凪に話してみるよと結菜ちゃんには言った。
だが、凪がつかまらない。
電話に出ないしLINEも未読スルー。
会社で声をかけようにも、俺に近づいてこないし、目が合うと逃げるんだ。
これじゃあ、話にならない。
相手が話に応じる気がなければ、こっちがどんなに頑張っても無理だ。
話を聞かせることはできても、話を受け入れるとは限らない。
それで遥希に連絡すると、あの日は凪を送ってきたから遥希もその現場をみたという。
「それで遥希から、どう見えた?」
「どうって言われても、あんま状況わかってなくて…」
遥希も凪のことを怒ったらしく、凪は出てってそれきりだという。
その経緯はきちんと説明を受けたが、
「そうか、凪は行き場をなくしている状況なのかもな」
俺が言うと遥希が焦ったようにいう
「ヤバいかな? 俺、優芽とのことで頭がいっぱいでさ、凪の気持ちまであんま考えてやれなかったかも」
「凪がいま、一番頼れるのは…」
「もしかして優芽?」
それはだめだと遥希は言って、優芽に連絡を取っていたが、
「凪? 知らん、と言いたいとこだけど」
どうやら優芽ちゃんの部屋にいるらしい。
「俺、優芽のところ、行ってくる」
俺は優芽ちゃんに叫ばれてしまったこともあり、少し行きづらい。
遥希にまかせることにした。
これまで俺は、なにかあれば凪のほうから来てくれると思っていた。
いつでも話を聞くよと、受け入れ態勢は整えていたつもりだった。
たかをくくっていた、かもしれない。
なんとなく、そろそろ俺自身の生き方も変える必要があるのか?
守る側でいるだけじゃ、 守れない相手もいる。
そんなこと、 俺はもうとっくに知っていたはずなのにな。
と、ぼんやりと思っていた。




