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君の知らない僕のダークサイド〜救ってくれるもの  作者: 水波瀬 凪
第二章~まだ俺は救われない【交際編】

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【遥希】凪が見た変な夢と部屋の掃除とコーヒーミル

「大変だ! 遥希!」


また慌ててる凪。


「今度はなんだ?」


「コーヒーミルがない! それから俺の部屋片付け手伝ってくれ」


今回の凪の頼みはこうだ。


いつも結菜ちゃんの家だから、今度はうちにおいでよ、コーヒーも淹れて一緒に飲もう、と誘ったそうだ。


「前に水筒にコーヒー淹れてったんだろ?」


「あー、あれインスタントコーヒー。あ、それでさ、優芽のカフェいったときに、結菜から、わあ、すっごくおいしい〜コーヒーってこんなにおいしいんだって言ったあと、凪くんのコーヒーも美味しかったよ

ってフォローしてくれたけど、絶対あれって嘘だよな? インスタントってバレてたよな?」


「バレてたかどうかは知らないけどな」


「わかってても言わない優しさってやつか」


結菜優しいからなって言ってる。




「コーヒーミルってどこ売ってんの?」


優芽に聞いたら


「どこって店に売ってるけど。なんなら貸し出ししてもいいよ」


そういうことで、コーヒーミルは優芽に借りるとして、あとは部屋の片付けか。



優芽が手伝ってくれて、凪と3人で片付けたんだけど、


「いつ掃除した?」


というくらいひどかった。


「きったなーーーい!」


優芽も驚いてる。


部屋に結菜ちゃんを呼べない理由が良くわかったし、誰のことも部屋にいれない主義だと言ってたのは、単純に汚かったからなんだな。


片付け間に合うか?


なぜもっと早く言わない?


もしかしてハウスクリーニング頼んだほうが良かったんじゃないか?


「わ! なにこの変な塊!」


バスルーム担当の優芽が叫んでる


見ると、たぶん会社から持ち帰った、失敗作の樹脂の塊。


「捨てろよもう」


しかもなぜ、浴槽に溜め込んでる?


いくら見た目きれいにしてても、部屋がこんなだと、なんていうか…


「コーヒーミル貸すけどすぐ返してよ」


カビはえそうだよって優芽が嫌そうな顔をした。


「あ、そうだ優芽、やり方も教えて」


「教えるのはいいけど、難しいよ」


「いいんだって、どうせ結菜インスタントと味の違いわかんねんだし」


「好きな子のために頑張る気ないんだ?」


「だってあいつ、じゃがりこ好きなんだぜ」


「じゃがりこはおいしいよ」


「フライドポテト食いてーな」


「揚げ物とお菓子は別物だよ?」


「あ、コンビニにポテト買いに行こうよ」



2人の会話ってズレてんな? なんで会話成り立ってんだろ?



いまのところ、いつもの凪で、変化なし。


俺がいるから?


凪っていつもあんなテンションなのに、良く夜の雰囲気まで持ってけるもんだよな。


不思議すぎるけど、凪がその気になると5秒後にはそうなるらしいし…


そういえば、目の話どうなったのかというと。


「顔が無事で良かったー」


と凪は言ってたから、目も無事だったんだと思う。


それよりも凪から聞いた夢の話が激ヤバだった。


聞いたとき、過去のワンシーンがフラッシュバックした。


確かにそんなこと、湊にされたんだよな。



「男同士なのに、そしたら遥希のファーストキス湊じゃねー?」


「あれは不本意だし、ノーカウントだ」


不幸な事故。


ファーストキスは優芽がいい。


そういうことにさせてくれ。


それからこれは絶対夢だし、凪の妄想なんだろうけど、あの日キッチンリフォームのあと、確かに優芽は部屋に休ませた。


でも俺も凪もその部屋にいなかった。


結菜ちゃんと3人でリビングにいて、それは優芽の祖父母も一緒にいたから確実なんだ。


だとしたら凪が見たのは誰で、凪は誰とそういう行為をやったんだ?


いや、夢だったんだよな?


そんなの事実じゃない…よな?



「なにそれ、キモいー知らないやってないー」


後から聞いたら優芽だってそう言ってたんだもんな。


わたしじゃないよ、信じて、凪くんの妄想じゃんって


「俺は信じる」


「優芽って、欲求不満のかたまりみたい」


しつこかったんだぜって。


妄想でもそんなことを言われたらいい気持ちしない。


本当だったらそんなこと信じられない。


だってさ優芽は、悠真さんがちょっと声をかけただけであんなにふるえる。


そんな簡単に、手が出せるわけないし、欲求不満なんて、考えられない。


やっとキスくらいならできる程度なんだ。


そういうトラウマってのは、簡単に消えるものじゃない。


俺たくさん本読んだし慎重になるのもしかたない。


いつも自分で抑えてる。


克服したいのか、優芽は焦ってるときあるんだけど、それに応じたら俺だって樹と同類にならない?


途中で怖がったら? そう思うとなかなか手は出せないもんな。


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