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君の知らない僕のダークサイド〜救ってくれるもの  作者: 水波瀬 凪
第二章~まだ俺は救われない【交際編】

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【遥希】湊の葬儀、大勢の前で大泣きした「有名人」だった俺?

サウナ出入り口付近の椅子に、優芽がいた。


「あ、待っててくれたんだ?」


「うん、さっきまで少し凪くんと話してた」


「あー、そうなんだ」


「ひかりちゃんの世話で大変そうで」


代わりに抱っこしてたんだ。


その優芽、見たかったなー。


ちょっと残念。



先日、優芽のおばあちゃんから言われた「ひ孫」のことを意識してしまってる。


いつか俺たちも、そういう日が来るんだろうなって想像する。


「で、凪となに話してたんだ?」


聞くと、思いもしてなかった名前が出て驚き!


「ああ、湊の話か…って、え、あのとき葬儀場に優芽もいた!? 知らなかった」


「わたしははるくんがいたこと、知ってたよ」


「そうなの?」


「はるくんたち、有名人だったし」 


「有名人って、なんだよそれ」


「有名人のはるくんが、あんなにめちゃくちゃ泣いてるんだもん、見るよ」


「知らなかったな、見られてたとは」


そして恥ずかしい。知ってたなら言ってくれたら良かったのに。


「凪くんが湊くんの弟って聞いてびっくりした」


「湊のことも凪のことも、優芽に言ってなかったな」


「湊くんに弟がいるのは知ってたけど、どんな子なのかは知らなかった」


「あーあのとき凪は確か、中1で…」


あれ? だったら優芽も中2だったし、知らないって変じゃね?


湊の弟だって言われて凪、かなり目立ってたよ?


湊のこと知ってるなら、当然知ってるものと思うだろ。


「だからバルで初めて凪くん見たとき、湊くんかと思ったよ!」


「似てるもんな」


「湊くんイケメンだったよね、凪くんもかっこいいし」


確かにスポーツ万能で、顔も良くて、いつも女の子にきゃーきゃー騒がれてたっけ。


だからあいつの葬式、すっげーたくさん、女子が集まってた。


その中に、優芽もいたってことか。


あー俺って、そんな大勢の女子の前で、目立つほど泣いてたなんてヤバい。


「でも、俺のこと良く覚えてたな」


「だって湊くんと、はるくんと、お兄ちゃん、いつも3人一緒いたじゃん?」


「そか、そうだったな、(いつき)もいた」


「女の子たち、みんな見てたよ、目立ってたし、はるくんファンもたくさんいたよ?」


「えーそうなの?」


「みんなでさ、誰担にする? とか騒いでたよ、いまでいう”はるくん推し”とかそんな感じでね」


推されてたっていうわりに俺、彼女いなかったけどな。


あ、でもあのあと樹から紹介されて、優芽がそばにいたっけ。


そうか、あのときから優芽は俺のこと……


「そういや樹とはあれから連絡してんの?」


「お兄ちゃんとは全然だよ、はるくんに会えたし、もういらない、用なし」


「おま、用なしって……」


「いいんだって、あんなゴミ」


「まあ、ゴミ…言われても自業自得か」


そう、優芽に、あんなひどいことやったんだ。


もう許されてんのかと思ってたけど、やっぱりまだまだなんだな。


別にもう、会わなくていい。


義理なんだし。


それにしても、世間は狭いな。


ありきたりだけど、そう思う。


「たぶん、もともと縁があったんだよ、わたしたち」


だからこうして、再会できたのかもよ?


優芽にそう言われて納得する。


そか、縁か。


つながってんだな、昔からずっと。


そしてきっと、これからもつながり続ける?


切りたくないな、切れないように縁をつなげていこう。


そうしたいと本気で思っていた。



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