【悠真】優芽の印象、そして凪が限りなく黒に近いグレーな事実
結菜ちゃんから聞いていた印象と、かなりの相違があって驚いた。
優芽という子は、
「笑顔のかわいい女の子」
しかもどちらかというと地味。
この娘が凪と、声が漏れるほどのそんなことをするんだろうか?
どちらかというと、遥希から聞いてたイメージのほうが、ピッタリくるんだよな。
あ、だから男は騙されるのか!
少し、優芽と話してみたいと思った。
だか、初対面だしいきなり2人きりで話すのは難しい。
かと言って、遥希を同席させるのは危険だ。
だとするとやっぱり、結菜ちゃんと3人?
それとも、凪ひとりから話してみるか?
凪を見ると、ひかりちゃんを首からぶら下げてるような姿で……
ああ、離れないんだな。
子どもに懐かれる凪なんて初めてみた。
確かに結菜ちゃんがいうように
「レア」だ。
俺は
「大変そうだな、変わろうか」
と凪を呼んだ。
ほかのみんなは受付をしている。
この後、どう回るか自由ということにすればいいだろう。
みんな仲良くルート通りにってのは、いまのこの状況、いいんだか悪いんだか判断がつかない。
なにしろひかりちゃんをぶら下げたままじゃ、凪だってついていけない。
「じゃあ、館内自由にしよう」
昼の時間だけ決めて、フードコートかな、そこに集合。
それから凪を呼んだ
「ちょっといいか」
麻紀にひかりちゃんを頼まれたらしく、麻紀は結菜ちゃんとどこか行ってしまった。
「最近どうだ?」
「どうだってなにが?」
何について聞いてんのか言ってよと言われる。
こいつ、結菜ちゃんがいなくなった途端に態度悪いな。
さっきまでの天使顔、どこ捨てた?
でもしっかり、ひざにひかりちゃんを座らせているのは、ほめてやらなければ
「かわいいな」
「悠真さん、代わる?」
ひかりちゃんを俺に預けるつもりで凪が抱き抱えると
「やめてたしゅけてー!」
ひかりちゃんが拒んでる。
いや、助けてって俺、そんなに怖いか?
「しょーがねーなー」
凪がひかりちゃんの頭を撫でてる。
その目は、ちゃんと天使だったけれど
「俺、子ども欲しくなった」
ほらな、非現実的なことをいうだろ?
「それは結婚してからな」
いきなり作りそうでこわい。
そして結菜ちゃんもそれに応じそうでヤバい。
できちゃったーなんて…言いそう。
やばーい天使が生まれるー
とかな。
間違いなく、見た目は天使がうまれるんだろう。
「それよりほら、まえに遥希を怒らせたって言ったろ?」
あれから遥希とはどうだ?
「仲良くやってるよ」
ピザパーティーもやったしな。
「遥希、俺の好きなフライドポテトまで買ってくれてた」
「そうか、良かったな」
「でさ、遥希のやつ、いちごなんか買って、アイテムに頼らねーとキスできない」
しょぼいだろって笑っている。
「で、遥希はできたのかなキス」
「さー知らね」
「遥希の彼女、初めて会ったけどかわいいな」
「口悪いけどな、かわいいとこもある」
「へえ、どんなとき、かわいいとこ見せるんだろうな」
「そんなの、好きな男といるときだろ」
「その優芽ちゃんなんだが、バルに行ったときの件で遥希に怒られたって言ったよな? そのとき凪は、なにもなかったと言ったろ?」
「しつこいなーそう言ってんじゃん」
「ピザパーのときも、なにもなかったか?」
「なんだよ、疑われてんの?」
ああ、限りなく「黒」に近いグレーだ…………
「悠真さんめんどくさい」
行こ、ひかりちゃん、とひかりちゃんを抱えて、凪は席を離れた。
「どうしてこうも、わかりやすいんだ」
ただ、はっきり認めたわけじゃない。
でも凪は話から逃げた。
もう少し泳がせるか




