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君の知らない僕のダークサイド〜救ってくれるもの  作者: 水波瀬 凪
第一章 〜救ってくれるもの【出会い編】

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【凪】結菜と水筒持参の公園デート、見ていたのは彼女のひざなのに

午前11時半頃、水筒を持って公園に来ていた。


水筒の中にはコーヒーが入っている


悠真さんがコーヒーにしろって言ったんだ。


今日の俺は、カフェ好き男子の設定。


インスタントコーヒーだけどな。


女の子はカフェ好きだってゆーけど、果たして本当?



昼ご飯用に、結菜と一緒にコンビニでサンドイッチを買ってきた。


そのとき飲み物を手に取ろうとした結菜に俺は言った


「あの、コーヒー持ってきたんだ」


引かれるかって思ってたんだけど、結菜は笑って


「すごい凪くん! 気が利くんだね!」


え、めちゃめちゃ高評価?


そしていま、こうして公園のベンチにふたり並んで座っている。


昨日のLINEでは、合コンで話せなかったから話したいです


と結菜が書いてきたから、てっきり結菜のほうから話しかけてくれるかと思ってたんだけど、なんか違う。


俺もしゃべらないけど結菜もしゃべらない。


こんなとき、なにを言えばいいのか、俺は知らなかった。



手に持ってる水筒を見つめて、意味もなく撫でてみたりして。


顔を上げると、太陽がまぶしすぎたってこともあるし、それに隣に座る結菜の膝がちょうど見えてて目の保養。


触りたい……と思った瞬間


「あの、凪くん」


結菜から呼ばれてドキッとする。


「話したいって言ったけど、あんまり話さないね」


「あ、いや、すみません」


膝を見ていたことに対するものなのか、話さないことに対するものなのか自分でもわからなかったけど、とりあえず謝ってみた。


そして、


「なんていうか、こう、あの、落ち着きすぎるというか、あの、のどかで…癒されます」


意味不明なことをさらに言ってしまったのに


「なるほど、自然体に自然を感じているってことなのね」


と前向きにとらえてくれる


「凪くんって、人見知りとか?」


「え、あ、そう、そうなんだ人見知り」


なんて便利な言葉、人見知り。


それから結菜は


「人見知りの凪くん」


に気をつかってくれたのか、あれこれと話してくれたんだけど


「凪くんって、草原の風みたいだね」


「色素薄そうだし、天使界隈の住人みたい」


などと、聞いたことのないようなセリフを次々に出してきて、答えようがなく曖昧な感じで笑ってうなづいていたんだけど、それさえも


「なんかさ、凪くんってもの静かでいい感じだね!」


と過大評価するんだもんな、びっくりするというか不思議な気持ちになった。


夕方近くになり、少し肌寒さを感じてきた頃、結菜は自分から誘ってきた


「凪くん、このあとどうする?」


え、どうしよう?


いきたいところある? と聞いたら


「サイゼ行きたい!」


「え、いいの?」


悠真さんから、サイゼには誘うなよって言われてたんだけど、これっていいのか? 


いいんだよな? 


自分から行きたいっていうなら、だぶんいい。


天然? 計算?


あれで計算だったら怖い。


でも結菜は、そんなタイプには見えなかった。


それにさっきの言葉のチョイス。


結菜ワールドっていうのか、ポエム調っていうのかな、あんなの計算して言えるものじゃないだろ?


そして結菜はかなりワインを飲んでハイテンション、すごく楽しそうに笑うし、おいしそうに食べるんだ。


「サイゼってねすっごいんだよ! こんなに食べても安いの」


美味しいのにすごいよねって言うんだよ。


俺もつられて笑っていた。


あんま来たことなかったけど、俺もサイゼが好きになってきた。


なんで悠真さんはサイゼに誘うなって言ったんだ?


悠真さんの言うことがすべてじゃないよな。


そうだ、これからは結菜に直接聞いていけばいい。


わからないなら聞けばいいんだってことがわかった。


「もう飲めない、お腹いっぱい~」


結菜が言ったので会計をして店を出た


結菜は本気で酔ってるのか


隣でふわふわ笑ってるだけだった。


いつもなら女とご飯行ったとき、当たり前におごられる気でいるんじゃねーしって思ったものだけど、なんだ?


結菜かわいいからおごりたかった。


そして店を出たとき


「帰りたくないー」


っていきなり抱きつかれたからびっくりした


なんだ? これも天然なのか?


結菜のふわふわした胸を押し付けられてしまって。


そんなことをされたもんだから、


「泊まってく?」


と言いそうになった。


それをぐっと飲み込み、結菜の家まで送っていったんだよ。


遥希のいう「我慢大会一回目」だった。



結菜の家に到着


「鍵開けられな〜い」


酔った結菜に鍵を押し付けられたので、開けて中にはいる。


結菜をベッドに寝かせてから、ふと部屋の中を見ると


「なんだ、あれ」


窓際に干しっぱなしの洗濯物


男物っぽいパーカー


洗面台には歯ブラシが2本。



結菜は合コンの自己紹介のとき、中学の頃から同級生ひとりとしかつきあったことがないと言っていた。


その彼氏とは一年前に別れて、いまはフリ―だと言ってたんだけど…


元カレ……のもの?


それとも本当は彼氏持ちなのか?


しばらく悩んだ結果、


「ま、どうでもいっか」


彼氏でも元カレでもいたって関係ない


別れてもらうだけ


あのときはまだ、俺のことを好きになってもらうことだけ頑張ろうとしてた。


寝てる結菜には手を触れず鍵をかけ、ドアポストにそれを落としてから帰った。





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