【遥希】女慣れしてない俺のアドバイス「デートに水筒」が採用されるっていったい……
「なんで、カチッと閉まんねーかな!」
いま作ってる試作品、電池をいれるときの蓋の閉まり心地に納得がいかない
俺はひとりでイライラしていた。
同じチームメンバーの、悠真さん主催の合コンに誘われてたんだけど、行く気にならない。
行きたくなかった。
その場のノリに合わせてみたものの、まったくテンションあがってこない。
「こだわるととことんだよな」
って悠真さんから言われたけど、仕事を理由に、単に合コンにいきたくないだけだ。
ひとりでこんなのやってたって、本来意味はないんだよな
「はあ、だる…帰ろ」
結果的には凪にとって合コンは成功だったらしい。
気になる子がいたって嬉しそうだ。
あの日、急なキャンセルをした俺のせいで、頭数揃えなきゃってことで、悠真さんが誰かいないかって探してた。
で、俺のそばで樹脂の塊でなんか造って遊んでた凪が呼ばれたんだけど
「えーやだよめんどくさ!」
全部おごってやるからって悠真さんに連れていかれた
凪、いつも「めんどくさ…」ってあれ、口癖なんだろうけど、いったいなにが、めんどくさ、なんだろうな?
それは恋愛にも言えることで、寄ってきた女の子に自分から手を出しといて、結局めんどくさ…でバッサリ切るんだ。
俺は凪の暗黒期を知ってる。
「銀河街の悪夢は永遠のバイブル」
って言ってた凪が
合コン以来、明るめの曲を聴いてるのを見ると、すこし変わりつつあるんだろうかと思う瞬間はある。
人はそんなに簡単に変われない。
でもまあ、ここに入社してからは、真面目に仕事に取り組もうとする姿勢はみえてる。
まだ入ったばっかだし、とりあえず、辞めないでくれればいい。
……いや、俺が勝手にそう思ってるだけだけど。
楽しそうにやっているから見守るだけ。
あれでふらふらバイトやってたら、どうなることか心配でしかない。
そして週明け、悠真さんと凪で合コンの話をしている。
しゃべりながら手も動かしてるからいいんだけど、俺だけ仲間にはいれねーっていうか、話がわからない。
「結菜ちゃんってどんな子? かわいいの?」
「おー、かわいいぞ」
悠真さんがいう
「でも、グイグイくんのは莉愛って女」
美人だけど金かかりそうな女だし、うるさいししつこくてめんどくさ、だって。
悠真さんはまた合コン飲み会3回目やろうか? って言って俺のことも誘ってきた
「遥希も来るか?」
そんなめんどくさそうな集まり、行ってもなって思って俺は断った。
それからも悠真さんと凪は合コンの話ばっかしてる。
それでとうとう凪がその結菜ちゃんって子と初デートすることになったらしく、
「初デートって何すればいいんだ?」
って俺に聞いてくるんだけど、それ、俺に聞く?
婚活では3回目ルールだかなんだかがあって、3回目で告白するんだよな、
そういう知識は一応俺にもあった。
そのまんまを凪に言ってやったんだけど俺のアドバイスなんか
「うわ、無理!」
ばっさり否定されてしまう。
禁欲無理!
まだつきあってないし、ほかで遊んだっていいじゃんって言ってた凪がその後、焦ったように聞いてくる
「遥希! 公園ってなにすればいい? なに持ってけば?!」
「水筒だろ」
って言ってやった。
水筒の斜め掛け、リュックにバナナでも入れていけば?
あ、あと黄色い帽子かぶっても面白いんじゃね?
名札には、ひらがで
「なぎ」
初恋1年生ってとこな
初めまして。
読んでくださり感謝いたします。
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