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君の知らない僕のダークサイド〜救ってくれるもの  作者: 水波瀬 凪
第三章~それぞれの救い【転換期編から最終まで】

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【おまけの凪視点】初恋のひまりとフライドポテト、そして優芽のこと

事故にあったのが中1の夏。


そして意識不明から目覚めたのが、17歳を少し過ぎた秋頃。


それからリハビリ、メンタルカウンセリングなどを経て、定時制高校に入学したのが、19歳だった。


そこで出会った女の子、ひまり。


いろんな年齢の人がいる定時制。


その中でも、ひまりは17歳になったばかり。


一番年下だった。


普通高校に通える年齢、なのにあえて定時制を選んでるのってどういう理由?


ちょっと興味を持ったので、


「ね、今日一緒に帰ろう?」


そう誘ったのをきっかけに仲良くなった。



話を聞いてみると、ひまりは祖父母家庭に暮らしてると言った。


「親、いねーの?」


聞いてみると、虐待されてて引き離されてるんだって。


「そっか、でもさ、居場所あって良かったじゃん」


そう言ったら、ひまり、俺の顔じっと見てきてさ、その目が不思議なものでも見るようだったんで


「え、なんか俺、変なこと言った?」


「うん、いつもみんな、かわいそうだねって同情されたり、ひどい親だねって親の悪口言ったりするのに、凪くんは良かったじゃんて言うからびっくりしてただけ」


「ふうん、そっか」


同情したり親の悪口言ったりしたって、ひまりが元気になるわけじゃない。


明るい目的がないとさ、人生ってつまんねーんだよ。


生きる意味っての、ときどき考えるけどやっぱり楽しくないと無理だ。


「それより、ひまりなんか食ってこっか」


「あ、ポテト食べたいな」


「いいな」


ってことで、ふたりでファストフードの店行って、山盛りポテトパーティやったんだ。


あのときから、ポテト食うと元気になる。


元気になりたいから、ポテト食うって、癖になってるのかもな。



その後、ひまりと少しつきあった。


だけどだんだん、ひまりは学校に来なくなっていって


「なんかあった? いじめられてんの?」


来れない理由を聞いてみるんだけど


「ううん、そんなんじゃない、でも行けない」


理由はわからないけど、行けない。


登校拒否ってやつなのかな?



それから、ときどき、ひまりの住んでる祖父母の家ってところに行ってみたんだけど、会わせてもらえなかったんだ。


連絡しても、つながらない。


当時ひまりはスマホなんか持ってなかったしな。



そうしてるうち、だんだん疎遠になっちゃった。



学校卒業できたものの、就職が決まらず、適当にバイトやってたんだけど、それもあんまり続かなかった。


ふらふらしてたとき、遥希がいまの会社に俺のこと引っ張ってくれたんだ。


それで、今に至るんだけど。


たまに思い出す、ひまり元気かな?


まだ、別れようって言ってないじゃん?


でも、自然消滅ってことなんだよなって、一年くらいたったとき思った。


社会に出たら、いろんなところでいろんな女の子との出会いがあって、ひまりのこと、だんだん忘れていってた。



なんとなく、ポテト食ってたら思い出す。


そして、後に出会うことになった「優芽」。


優芽も家庭が複雑で、祖父母宅で生活してたなんて聞けばさ、思い出すだろ? 重なるときあるんだよな、ひまりと。


ひまりを救えなかったって気持ちがあるから、優芽が気になってほっとけないのかもしれない、なんて思ってたけど、どうなんだろ?


別人だし、性格違うし、俺の単なる自己都合かもな!



事故に合わなきゃ出会えなかった人間関係。


出会いは偶然じゃない。


大事にしなくちゃなって、俺はいつも思っている。










ありがとうございました!






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