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第一章 第三十話 〜再会の戦士たち〜

「ブレブ!」

「旦那!」

「よう。何だかみんな久しぶりな気がするぜ」

「ブレブ、それに皆さんも、よく来てくれました」

 いつの間にか、遺跡の存在を報せてくれた二人の兵士も戻ってきていた。魚人の村に援軍を要請していたのか。おそらく第一王女の手腕だろう。

「……!? あんた、まさかラティナ嬢ちゃんか?」

「そうです。お久しぶりです」

 ブレブはすかさずテティカに耳打ちした。

(一体どうしたんだ? ラティナ嬢ちゃんは)

(変身した)

(変身? ああ、昔リボンつけてたもんな)

(そう、最近はしてない)

「聞こえてます!」

 耳まで真っ赤にしたラティナと、後ろを振り向いたまま笑いをこらえる女王。

「みんな知り合いなんだね」

 僕が尋ねると、ブレブが答えた。

「そりゃそうさ。お互いに子供の頃から知ってるぜ。なあ、女王」

「ええ。ブレブもみんなもお変わりありませんでしたか?」

「ああ。子育ても一段落したし、母ちゃんや村のみんなにもお願いしてきた」

「すまんの。顔も見せられず」

「おっちゃん、アンタは忙しいんだから仕方ないって。今回も頼むぜ」

「任せとけ」

「ブレブは親方のことをおっちゃんと呼ぶんだね」

「ああ。親父の幼なじみだからな。だからこいつらのこともよーく知っている」

 ブレブは魚人の三人の戦士たちを指した。

「遠距離モリの名手フィンリー、擬態の名人シード、儂みたいな特殊工作が得意なギルバートじゃ」

「そんな名前があったんだな。知らなかったぜ」

「「「ブレブ! お前が言うな!」」」

 なんだこれ。古典芸能というやつかな?

「それで、話を戻すと、俺らも加勢するぜ。女王、王については済まなかった。他の兵士たちについても災難だったな」

「いえ、よろしいのです。蟹についてはリベルとスキュアルドが打倒してくれました。……ですが、新たな脅威が迫っている。それこそが問題なのです。

 知っての通り、この人魚の国は大規模な集落が発展し、長い年月をかけてこの城下町を構えるに至りました。私たちの一族は代々体が大きく、力にも恵まれていました。けれど、その力は国民の安定と発展のためにこそあるもの。私たちはあくまで皆の代表者に過ぎず、決して偉いわけではないのです。ゆえに、敬称に『様』をつける必要もありません。それがこの国の抱く理念なのです。

 しかし、その平穏を重んじてきたこの国が、今、未曾有の危機に瀕しています。どうか、力を貸していただきたいのです」

「ああ。だから今回、俺たちも来たんだ。人魚の国と魚人の村は、もともと密接に親交があるからな。おっちゃんも村出身なのに、今じゃ城下町に住んでいる」

「その方が発展させやすかったからじゃな。その分、村にも調理器具や換水口など便利になっとる」

 そういうことだったのか。国もすごいけど親方もすごい。

「で、俺たちは何をすればいいんだ?」

「旦那たちは俺とリベルで一緒に、その遺跡を調査しながら敵を殲滅してほしい。聞いていると思うが、正体不明の黒い兵士ーー元仲間たちがいたらしい。他にも何が出てくるかは分からない。もしヤバいと感じたら一旦引いて、情報を持ち帰る。ただ準備は万全を期した方がいい。蟹の時に、痛感したからな」

「なるほど。おっちゃんは何かあるか?」

「新兵器をいくつか開発しといたぞ」

さすが親方。この短期間でよく色々作れるな。

「まず、ブレブ、お前さんにはこの衝撃グローブじゃ。拳の当たる部分に小型の超高熱ユニットがついておる。なので両手で計八カ所じゃな。事前に対応するボタンを押しておいて、対象を殴る瞬間に高熱で衝撃が発生する仕組みじゃ」

「それはすごそうだな! ……ん? 衝撃? これ、殴ったら俺自身はどうなる?」

「大丈夫。お前さんは屈強じゃ」

「答えになってねえ! 何でアンタは昔からそのあたりは大雑把なんだ!」

 さもありなん。スキュアルドがジト目で親方を見ている。

 次にテティカはとある器具を取り出した。

「私からはこっち。推進器改。スキュアルドの推進器と違って、動きそのものをアシストする。移動距離や移動時間は一瞬だけど、素早く攻撃と回避ができる」

「それはすごいな。テティカ嬢ちゃん、やるじゃないか!」

「……なあ、それって酔うんじゃないのか?」

「試してないから知らない」

 相変わらずこの師弟は……。魚人三人衆もドン引きしている。

「まあ、他の三人にもいくつか武器は持たせた。詳しくは後ほど説明しとくわい」

 

 毎度思うけど、僕に武器がなくて本当に良かった。

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