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『カオスノイズ:東京拠点化計画~拠点を東京に移し、自分を殺せる勇者の育成に励むことにしました~』  作者: 猫寿司
第7章 それって恋のはじまりじゃんよ

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第三話:ビビの工房と、背中のぬくもり

夜の帳が降りたアナトリアの街を、一台の旧式バイクが疾走していた。

 ハンドルを握るユウサクの後ろには、赤毛の少女ビビが密着するように座っている。


ユウサク「(……っ、これだ。これだよ……!)」


 背中越しに伝わる、少女の確かな体温と柔らかいぬくもり。加速のたびにぐっと押し付けられるビビの感触が、トロール王女による「股間蹂躙」という名の深手を負ったユウサクの心を、劇的に癒やしていた。

 恐怖で萎縮していた彼の股間が、久々に、誠に健全な(?)たぎりを見せ始めていた。


ビビ「いい走りだね、あんた! あたしの直したバイクを初見でここまで乗りこなすなんて、やっぱりあたしの目に狂いはなかったよ!」


 ビビは風を切りながら、ユウサクの耳元で熱く語り始めた。


ビビ「あたしの家、『ビビ工房』はね、今は落ちぶれた貧乏工房だけど……今度の王主催のレースで優勝すれば、莫大な賞金が手に入るんだ。それだけじゃない。優勝すれば国に認められて、軍の御用達工房になれる。そうなれば、死んだ父さんも浮かばれるし、あたしもメカニックとして次の軍事参戦に加われるんだ!」


 彼女の声は、エンジン音に負けないほどの決意に満ちていた。ユウサクの背中にさらに強く顔を埋めるようにして、ビビは本題を切り出した。


ビビ「あんたのライディング、背中から凄く伝わってくるよ……。ねえ、お願い! ビビ工房のライダーとして、あのレースに出てくれないかな!?」


 ユウサクは、背中に伝わる感触に全神経を集中させていた。

 それは、トロール王女のあの岩石のような肉圧とは対照的な、控えめで……いわゆる「つるペタ」な感触。だが、今のユウサクにとっては、その繊細かつ清純な圧迫感こそが、この世で最も尊い福音ふくいんであった。


ユウサク「……即決だ。出よう、そのレース。俺のテクニックを信じろ、ビビ」


ビビ「本当!? やったぁ! ありがと、ユウサク!」


ジェレミーの不器用な忠告と、誓いのキス


 二人がバイクを止めてビビの工房へ戻ると、そこには複雑な表情を浮かべた数人の男たちが待ち構えていた。

 中心にいるのは、隣の区画にある大手ライバル工房の息子、ジェレミーだ。


ジェレミー「……おいビビ、まだそんなポンコツをいじってるのかよ。もう諦めて、さっさと店を売っちまえよ」


 ジェレミーは乱暴な言葉を吐いたが、その瞳にはどこか影があった。


ジェレミー「お前のところ、両親がなくなってからずっと経営が苦しいんだろう。……無理して潰れるのを待つより、俺が引き取ってやるよ。そうすれば、お前のことくらいは俺が最後まで『面倒』見てやるからさぁ」


 ジェレミーは不器用に顔を逸らした。


ユウサク「……おい、いい加減にしろ。本人の気持ちも考えないで、勝手なこと言ってんじゃねえぞ」


 ユウサクの怒りに、ジェレミーは哀れみの混じった複雑な視線を返し、「……勝手にしろよ、後悔しても知らねえぞ」と吐き捨てて去っていった。


ビビ「……いいのよ、ユウサク。あんな奴の言うこと、気にしないで」


 ビビは少し寂しげに笑い、ユウサクの腕にそっと手を添えた。


ビビ「あんたがレースで勝ちさえすれば、全部ひっくり返せるんだから。……これ、前祝い」


 言うが早いか、ビビは背伸びをして、ユウサクの頬に「ちゅっ」と可愛らしい音を立ててキスをした。


ユウサク「(……っ!)」


ビビ「期待してるからね、あたしのエース!」


 顔を赤らめて工房の中へ走っていくビビの背中を見送りながら、ユウサクは自分の頬を指で触れた。

 トロール王女の肉汁まみれの蹂躙とは天と地ほどの差がある、羽毛のような軽やかな感触。ユウサクの股間は、もはや爆発せんばかりの出力で「勝利」への決意を固めていた。


栄光のチェッカーと、あまりに過酷な「初夜」


 レース当日。ユウサクは魔王時代の超人的な反射神経をフル稼働させ、圧倒的なタイム差でチェッカーフラッグへと飛び込んだ。


 その日の夜。

 工房の二階、優勝賞金と軍の認可を祝い、静かにシーツにくるまってベッドでユウサクを待つビビ。


ユウサク「(……ついに、天使との時間が……!)」


 ユウサクは逸る心を抑え、シーツをそっと剥がした。そこに広がっていたのは、しなやかな大胸筋と、自分と同じ「竿」であった。


ビビ「……驚いた? あたし、本当は『男の子』なんだ。……やさしくして、ユウサク……」


 震える声でそう告げるビビ。その瞳は潤み、一人の「乙女」としての熱を帯びていた。


ユウサク「え……。ええええええっ!?!?!?」


 ビビは困惑するユウサクを、逃がさないとばかりに組み敷いた。整備士としての力強い腕がユウサクを固定し、熟練のテクニックで吸い付く。

 男の体を、そして男の弱点を完璧に知り尽くしたかのような、緻密で容赦のない「奉仕」。


ユウサク「う、うっ、ううぅぅぅっ……!!」


 激しい吐息が漏れる中、ユウサクの脳裏に、昼間のジェレミーの言葉がリフレインした。

『もう諦めて、店を売っちまえよ』

『俺が面倒見てやるからさぁ』


 ユウサクは、絶頂と絶望の狭間で悟った。


ユウサク「(……あいつ、本当に親切だったんだ……! ビビの経営難を本気で心配して、ジェレミー……お前、なんていい奴だったんだ……!!)」


 気づいても、もう遅すぎた。

 断りたいはずなのに、ビビの圧倒的なテクニックに翻弄され、理性は呆気なく溶けていく。ついには抵抗を諦め、ビビによって文字通り「掘られて」しまうユウサク。


ユウサク「うっ、ううっ……。なんでだよ……。ジェレミー、ごめん。お前の親切、無駄にしちゃったよ……」


 月明かりの寝室に、ユウサクの啜り泣く声が響く。

 結局、彼は天使のような顔をした「男の娘」ビビによって、完膚なきまでに尊厳を奪われる初夜を迎えることとなった。


(第十三章 第三話 終了)

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