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『カオスノイズ:東京拠点化計画~拠点を東京に移し、自分を殺せる勇者の育成に励むことにしました~』  作者: 猫寿司
第10章 欲望の守護天使

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第七話:筋肉の降臨、あるいは屈辱の終焉

後日、ネネはこの出来事を振り返り、どこか遠くを見つめるような瞳で語ることになる。


「……あんな快楽、初めてだったわ。これ以上の刺激をくれる男なんて、もう二度と現れないでしょうね。生物として、本能のままに感じきってしまった。最高の体験だったと言わざるを得ないわね」


混濁の限界


 岩陰の繁殖場。

 トカゲたちの粘液に塗れ、秘部から糸を引くネネとマカロニは、羞恥と快感の余韻が入り混じる思考の迷路にいた。


「産めぇ!? 何を言ってるんですかぁああ!! 産まない、あたしはタヌキであって卵生じゃないんですぅ!!」


 マカロニが涙目で喚き、パニックを爆発させた、その瞬間だった。


 ――ズ、バァァァァン!!


 洞窟の湿った空気を切り裂き、銀色の閃光が走った。

 ネネたちを苗床として見定めていたトカゲの一匹が、一切の抵抗も許されず、脳天から股下までを「垂直」に両断され、左右に泣き別れて地面に転がった。


「修行の邪魔をするなと言ったはずだ。不潔な鱗どもめ」


 そこに立っていたのは、一糸まとわぬ全裸のヴァレリアだ。

 温泉の熱気で火照った鋼の筋肉。濡れた肌に美しく光る銀色の産毛。その手には、自らの背丈ほどもある大剣が握られていた。


圧倒的強者の蹂躙


「ひ、ひえぇぇ!? なんだこの全裸の化け物は!?」


 仲間の死体を見たトカゲたちが、蜘蛛の子を散らすように距離を取る。

 ヴァレリアは、己の股間の裂け目をさらすことなど微塵も気に留めず、大剣を肩に担ぎ直した。彼女の放つ威圧感は、生物的な本能で動くトカゲたちですら、即座に「自分たちは捕食される側だ」と理解させるに十分なものだった。


「……ま、待ってくれ! 我々はただ、一族の存続のために……! わたしたちは……」


 リーダーの土下座に倣い、周囲のトカゲたちも次々と平伏していく。

 さっきまでネネとマカロニを苗床として弄んでいた「支配者」たちの姿はどこにもなく、そこにあるのは、全裸の暴力に屈した卑屈な爬虫類たちの群れだった。


 ネネとマカロニは、粘液まみれの身体で呆然と、大剣を担いだ銀髪の女騎士の背中を見上げていた。


ゲマの告白と、ヴァレリアの裁定


 ヴァレリアは、どかっとその場に胡坐をかいた。

 一糸まとわぬ姿のままで、大剣を膝に置き、平伏するトカゲを見据える。


「……言ってみろ。わけを。なぜこんな真似をした」


 リーダーは震える声で語り始めた。

「……わたくしはゲマといいます。……わたしたちの一族の女たちが連れ去られて、もう何年も経ちます。そして、子がいないのです。跡継ぎがいないまま、わたしたちの世代でこの村は終わってしまう……。だから、お願いします! 卵を産んでください!! 誰に頼んでも、お金をいくら積んでも、誰も産んでくれないんです! だから、強引に……申し訳ありませんでした!!」


 ゲマは声を上げて泣いた。一族の絶滅を止めるため、なりふり構わず、あらゆる手段を尽くした末の凶行.


 だが、その悲劇的な告白を最後まで聞いたヴァレリアの手が、すかさず動いた。


 ――パァン!


 軽く、しかし芯に響くようなビンタがゲマの頬を打つ。


「頼む生物を間違えている」


 ヴァレリアの冷徹な一言。

 ゲマは衝撃で吹き飛び、洞窟の地面をコロコロと虚しく転がっていった。


 転がりながら、ゲマは何を思うのか。

(……やはり、哺乳類に頼んだのが間違いだったのか? それとも、頼み方のマニュアルに不備があったのか……?)


 視界が回り続ける中、ゲマの思考は解決の出口を見つけられず、ただ物理的な回転に身を任せるしかなかった。


食堂での約束


「では、昼にそこの角の食堂で細かい話を聞こう。力にならないこともないが、まずはお前たちが『無害』だと判定してからだ」


 ヴァレリアはそう宣言すると、ちらりと背後の二人に目を向けた。

 そこには、トカゲたちの粘液に濡れたまま、いまだに恍惚とした表情を浮かべてぼーっとしているネネとマカロニの姿があった。


「……そうか」


 彼女たちの様子に何かを察したのか、ヴァレリアは短く呟いた。

「では、解散!」


 言い捨てると同時に、ヴァレリアは地面に転がっていたゲマの腕をガシッと掴み上げた。


「お前は私の話を聞け。……逃がさんぞ」


 他のトカゲたちが逃げ去る中、リーダーのゲマだけは、全裸の女戦士の剛腕に捕らえられたまま、その場に取り残されるのだった。

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