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社畜さん達はとりあえず大人しくついて来てくれた。館内のカフェの隅の方に席を取ると飲み物だけを注文して席に戻る。急に合流した三人の大人に不思議そうだった晴翔君は「星空サイダー」を与えられて今はご機嫌そうだ。
「晴翔を返せって何の冗談か知りませんけど、この子はうちの子ですよ!」
席に着くなりまず口を開いたのは社畜さんだった。顔面は先程と打って変わって青白く挙動不審で落ち着きがない。
「まあまあ落ち着いて。自己紹介でもしましょうよ。僕は小野優吾、刑事です」
小野の自己紹介に「刑事…」と呟いて更に社畜さんは顔を白くする。女性も驚愕を隠せていなかった。
「この二人は晴翔君の捜索に協力してくれている友人の如月雄真君と佐藤千歳ちゃんです。その子は鈴木晴翔君で合ってますよね?うちの子と言うのならお二人は鈴木さん?」
社畜さんはテーブルに視線を落として答えない。
「こっちは鈴木で合ってます。鈴木大樹です。私は川村夏菜子と言います」
「答えなくていい!」
「そうもいかないでしょ!」
素直に答えてくれる川村を社畜さん改め鈴木は非難する。しかし川村はそれには取り合わずこちらと話をする姿勢をとってくれた。
「苗字が違うようですがご夫婦では?」
「今は違います。少し前に別れましたから。晴翔を私が引き取ったんですけど、、」
「だから!黙れって!」
鈴木があまりにも大きな声を上げるので周りから注目を集めてしまう。店員も訝しむ視線を向けていた。場合によっては退店を要請しに来てしまうかもしれない。そんな心配をしていると小野がテーブルに身を乗り出して対面の鈴木に静かに語りかける。
「鈴木さん落ち着きしょうよ。僕はね、ここじゃ何の権限も持たないんでご安心下さい。異世界人なんで」
「は?」と言いつつ鈴木は顔を引き攣らせて小野を見返している。
「その晴翔君と一緒でねこの世界の人間じゃないんですよ。だから誘拐犯であるあなたをとっ捕まえて牢にぶち込むなんて事もないんで、ね?」
笑顔なのに笑ってない。小野の妙な迫力に鈴木は怯えるように大人しくなった。捕まらないと言われて安心しているようにも見える。
「さて、これで少しは落ち着いて話せますかね」
調子を戻した小野は再び椅子に腰を落ち着ける。しかし小野の異世界人だと言う発言を笑ったり戯言と言って怒り出さない所を見るとやはり晴翔君の連れ去られた状況を鈴木は知っているのだろう。




