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上映が終わると余韻に浸る暇もなく私達は出口に急いだ。次々と出口に吸い込まれて行く人達を注意深く観察する。出て行った人の多くは館内の売店で足を止めて土産品などを物色しているようだ。
「またすぐ来よ!プラリターム!」
「だから、プラネタリウムだって。また来ような」
「本当プラネタリウムが大好きになっちゃったね」
そんな会話がふと耳に入る。以前も似た会話を聞いた気がしてそちらに目を向けると男性と抱き上げられた子供が楽しそうに話をしながら出口に向かって来ていた。その傍らには二人を微笑ましく見守る女性の姿もあった。
「居た」
子供は以前小野に見せてもらった写真の晴翔君にそっくりで、抱き抱える男性は顔色が凄く良い社畜さんだった。私の視線を雄真と小野も追うとすぐにその親子連れ風の者達に二人も気がついた。
「確かに、匂いが強いね。たまに掻き消えるけど」
「写真の子だな」
目の前を通り過ぎて会場の出口を出ていく一行の後に私達も続く。
「雄真君と僕で男性の両サイドを抑えよう。千歳ちゃんは女性の方をお願い出来る?」
「わ、分かりました」
お願いと言われて咄嗟に了承したがどうしたらいいんだろうか。体術に心得はないのだけど、二人は淀みなく配置に付くから私も何となく女性の背後に陣取ってみた。
人混みに押される風を装って小野は女性と社畜さんの間に入り込むと肩に手を掛け何事かを耳打ちしたようだ。社畜さんはギョッとして小野を見返すと距離を取ろうとするが反対側の雄真に阻まれて叶わない。異変に気がついて女性が不安そうにそちらに行こうとするのを私は咄嗟に腕をとって引き留めた。
「すみません、落ち着いて一緒に来てもらえませんか。晴翔君の帰りを待ってる人が居るんです」
腕を掴む私に驚いて振り向く彼女にそう告げるとたちまちその表情は絶望に変わった。それまで本当に仲睦まじく幸せそうだったのを見ているだけにその表情を見るのは辛かった。




