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計画通り朝と帰りの電車には小野と同乗したり、私も雄真も客から噂話を集めたりもしてみたがこの数日はなんの成果も得られなかった。週末を迎え雄真は月に一度の豆のセールで忙しく過ごし私も現場出張などをこなして慌ただしい土日が過ぎて行った。
「小野さん、明日は何か用事とかあるんですか?」
日曜日の夜、いつものように「珈琲屋」に集まって夕食をとりながら情報の共有などのついでに小野に明日の行動予定を尋ねてみた。
「用事も何も指示があれば転移者を帰してまわる、平常運転だよ。二人は休みなんだよね?ゆっくりしてねー。あ、食事とかも明日は僕の事は気にしないで良いから二人とも寝坊しちゃいなね」
「その事なんですけど、、」
私と雄真で計画していた事を小野に提案してみる。
「明日、良かったら一緒に出掛けませんか?」
「迷い転移者を帰す指示って基本小野さんの周辺に発生するんすよね?もし一緒に出掛けてる最中に指示があっても俺車出すんで手伝えると思うし」
私達の提案に小野はキョトンとしてる。雄真が言ってくれた転移者を帰す作業は私達が認識しているよりも本当はもっと複雑なんだろうか。
「お出掛け?」
「はい。行き先は秋保なんすけど」
「晴翔君探しも行き詰まってますし気分転換というか。これまでに雄真が転移者と訪れた所を巡るつもりなんですけど小野さんも一緒に行けたら良いなって」
小野は未だにキョトン顔だ。遠出に誘われるのとか嫌だっただろうか。
「僕お邪魔じゃない?」
「「全然!!」」
声が揃ってしまった。別に二人きりが今更気恥ずかしいとかそう言う訳じゃないが小野とはあとどれくらい一緒に居られるのか分からない。せっかくの外出計画、ぜひ小野にも参加してもらって思い出を作りたいと雄真とも話していたのだ。
声を揃える私達に小野は声を出して笑った。
「二人が良いならぜひ。この世界で何処かに遊びに行くなんて考えもしなかったから嬉しいよ」
「やった!」
「よろしくっす」
晴翔君や小野の同僚さん、それに小野自身を思うと一刻も早く帰してあげなくちゃとも思う。だが焦ってなんとかなるわけでもあるまいし、小野は時空のおっさん業のかたわら常に晴翔君探しに歩き回っているのだ。いつもと違った行動が運を動かすとも言うし明日の一日だけでも小野と羽目を外すのを許して欲しい。




