6
刑事達が帰ると小野との待ち合わせ時間が迫っていた。小野を待たせてしまうから急いで店を出るべきだがそれよりも私はスマホを耳にあてていた。
『おお、お疲れ。どうした?』
「どうしたって、あんた、、」
『泣いてんのか?』
「だって、、」
無事は知っていたがいつもと変わらない雄真の声に安心と申し訳なさで涙が溢れてきた。
『「たく、しょーがねーな」』
電話口と店の入り口から同時に声が聞こえる。店の入り口を振り返るとスマホを耳に当てた雄真と朝とは服装の違う、両手にレジ袋を下げた小野が立っていた。
「え?何で?」
「警察は帰ったけど事件があったって場所で飯食えないだろうと思ってな。小野さんと色々買ってきた」
雄真の言葉に合わせて小野が両手に下げた袋を持ち上げて見せる。二人はいつもと変わらないが私はそうもいかなかった。
「雄真、ごめ、、」
「謝ったりしたら許さねーから」
「でも!」
「そーだよ?千歳ちゃんはなーんにも悪くないんだから」
二人はそう言ってくれるが私の不注意が生んだ事だ。誰も傷つかなかったから良かったもののもしかしたら雄真が怪我をしてたかもしれないのだ。最悪の状況だってあり得た。
「やっぱり泣き虫は治ってなかったんだな。ほれ」
そう言って先日のようにハンカチを渡してくれる。
「危険がお前の方じゃなくて俺に向かって良かったって俺は思ってるんだから。もう気にすんなよ」
「でも、、」
「でもじゃねーよ。それに俺も危険な目には遭ってねーから」
「刃物を目の前で振り回されてどこが危険じゃないのよ!」
「小野さんが最小限に食い止めてくれたから、俺は刃物も見てねーんだわ」
「え?」
刑事の話と違う。一体どう言う事なのか、小野に目を向けるといつものニコニコ顔で取り敢えず食べながら話そうかと小野は再び袋を持ち上げた。




