第3話:魔王(♀)と学校
「そろそろ2人共、学校の時間じゃない?」
月曜日の朝、母からアタリマエのことを言われた。
「ん、ああそう、だね。うん」
「そ、そそそそそう、だ、ね?」
俺等揃って、動揺した。
異世界のせいで学校のことがすっぽり抜けていた。
この5年間学校と勉強をサボっていたせいで授業内容が消えた。
終わった。
「そろそろ出なさいよ?この義理兄弟め」
「変なルビ振らなかった?」
「気の所為よ。」
「気の所為じゃないよ♡私達、カップル♡」
「ちがうよ。」
俺等はカップルじゃないはず。はず!!
***
マオの要望により、腕を組んで登校することになった。
カップルじゃないのにさ、そんなのハレンチだよッ!!
実際、周りの人からチラチラ見られている。
それに右腕に柔らかい2つのブツが当たっている。
俺の頭はお湯が沸かせそうなくらい熱くなった。
「私、正直学校の位置知らないんだけど、お義兄ちゃんは覚えてる?」
「ん?あぁ、何となくね。何となく。確か〜みたいな感じ。」
「...周りの制服の人についていこうか。」
「そうだね......」
無念。
***
「おう一!!久しぶりだな!!」
学校に入るとすぐに相田 心が絡んできた。
俺がBLの出しにされているという情報を流してくれたのはこいつだ。
「おひさっても大体2,3日くらいだろ?」
返事をする。
「いや、なんとなく久しぶりな気がしてさ、」
「お前...!?」
「つってもなんとなくだけどなー...」
びっくりした。朝から驚愕のあまり漏らすかと思った。
...危なかった。
***
授業後、次は移動教室ではないことを確認して、授業の準備をする。
準備が終わると、俺は数学のワークを開く。
受験生だ。
勉強しないと終わる。マジで。
ああ、久しぶりの学校で心配だったけど、案外楽勝なのかもな、さて、あと5時間。頑張りますか!!
「お義兄ちゃーーん」
心配がきた。
「......」
「お義兄ちゃん!!どうして無視するの?どうして?」
「(深呼吸)」
「お義兄ちゃん?」
「あのさ、昼休みに来るのはわかるけど、10分休憩にも来るの?」
「毎時間来るよ♡」
コイツッッ
「一?だれ、その女の子、」
心が質問する。
真面目に返答しようと、口を開く。
「ああ、こいつは義理のいもう―――『どうも!!一お義兄ちゃんの嫁ですッ!!』おいコラ。」
教室の空気が凍りついた。
数秒立った後、教室が騒がしくなった。
「ウソだろ!?あいつ男とくっつく枠だろ!?」
「違う!!心キュンとでしょ!?」
などなど、色々言われた。
男子とくっつきそうといった人、後で話があります。
横を見るとマオはヤッてやったぜと言わんばかりに無い胸を張ってドヤ顔をしていた。
時々こいつが魔王だって忘れてしまうのは俺だけじゃないはず。
結局、この後休憩のとき、毎時間毎時間両刀魔王は教室に来て、俺の膝の上に座った。
男子からは妬まれ、女子からは悲しまれた。
俺の久しぶりのスクールライフは最悪のスタートダッシュを切った。




