表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/39

第四巻 第三章 (人は能力に応じて神へ捧げものを捧げて神へ報いる必要が有る)

 第四巻 第三章 (神は人を思いやってくれている)(神は神を見ずに畏敬する事を人に求める)(人は人の目には見えないものを軽視せず知る事ができるように学ぶ必要が有る)(人は能力に応じて神へ捧げものを捧げて神へ報いる必要が有る)


 「ソクラテスと共にいた友人達が、とにかく、節制、自制という基礎を十分に整備しないで、話す才能や行動の才能や、考案の才能を見せるように、ソクラテスは()かさなかった」と推測できる。

 (「ソクラテスと共にいた友人達が、話す才能や行動の才能や、考案の才能を見せるように、ソクラテスは急かさなかった。なぜなら、それらの長所より先に、節制、自制という徳、力と、心の健全さを、自身の心の中に植えつける必要が有るからである」と推測できる。※別の版)

 なぜなら、「同程度に節制、自制という徳を守れないで、前述のような(話す事や行動の)才能を所有している者どもは、害悪のための、より大いなる力を持った、より悪い人に成るだけである」とソクラテスは信じていたからである。

 ソクラテスの第一の目標とは、神々に関しての賢明な精神を、ソクラテスと共にいた人々へ染み込ませる事であった。

 ある個別の時に、その場にいた人々と(ソクラテス)の話から、「ソクラテスの第一の目標とは、神々に関しての賢明な精神を、ソクラテスと共にいた人々へ染み込ませる事であった」事が、人々に対してのソクラテスの話の趣旨であった、と理解する事ができる。

 私クセノフォンが、その場にいた、(ソクラテスの、)エウテュデモスとの個別の議論に限定して取り上げる。

 次のようにソクラテスは話した。

「教えてください、エウテュデモスよ。『人の必要なものを全て人にもたらすために、神々が、何とも思いやり深く労苦している』のをあなたは、かつて気づいた事が有りますか?」

 次のようにエウテュデモスは話した。

「実に、いいえです。私エウテュデモスは、『かつて気づいた事が無い』と思います」

 (次のようにソクラテスは話を続けた。)

「ええ、あなたは気づく必要が無いのです。第一に、人は光を必要とします。そして、神々は光を人にもたらしてくれています」

 次のようにエウテュデモスは話した。

「最も正しいです」

「人は、光が無かったら、(光が有れば)人の目が人に(映像を)見せて役立つ事ができる範囲内でも、生まれながらの盲人のように成ってしまうでしょう」

 次のようにソクラテスは話した。

「それから、さらに、人が安息と休養を必要とするので、神々は、『静かな夜という神聖な癒やす物』を人にもたらしてくれています」

 (次のようにエウテュデモスは答えた。)

「はい。我々、人は、その恩恵をとても受けています」

 次のようにソクラテスは話した。

「では、太陽が、輝いて昼の時刻を人に明らかにしてくれますし、明るさを全てのものに浴びせてくれますが、一方、やがて夜が、闇で区分を消してしまうので、神々は、星々という諸天体を空高くに見せてくれます」

「(神々による、)星々は、夜の時刻を人に教えてくれます」

「星々による夜の時刻によって、人は、多数の必要な物に達する事ができます。そうですよね?」

 (次のようにエウテュデモスは答えた。)

「そうです」

 次のようにソクラテスは話した。

「また、(神々による、)月は、夜の時刻を人に明らかにしてくれるだけではなく、一か月間も明らかにしてくれるのを、人は忘れないようにしましょう。そうですよね?」

 (次のようにエウテュデモスは答えた。)

「確かに」

 次のようにソクラテスは話した。

「では、次のような事については、どうでしょうか?」

「人は食べ物を必要とするが、天の神の力が、これ(、食べ物)も人にもたらしてくれているのでしょうか?」

「神々は、大地の内部から、人に利益をもたらすために、善いものを湧き出させてくれています」

「また、神々は、人に利益をもたらすために、多数の色々な必要な物だけではなく喜びの源も人にもたらすために、適切な諸々の季節を順に(人へ)もたらしてくれています。そうですよね?」

 (次のようにエウテュデモスは熱心に答えた。)

「はい。それらの諸物は、正に、(神々から)人への愛の証拠をもたらしてくれます」

 次のようにソクラテスは話した。

「ええ、では、価格をつけられないほど貴重な別の(神々から人への)贈り物である、水については、どうでしょうか?」

「水は、人に役立つ全ての物を生じると共に増やすために、大地と諸々の季節と協力します」

「いや、むしろ、水は、正に人自身を育ててくれますし、また、人を養う物を、全ての物と混ぜ合わせて、より消化しやすく、より健康に良く、より味覚に心地良くしてくれます」

「また、人が必要とする多量さに応じて、(神々によって、)水は、過分に提供されているのを、留意してください」

「これらのような恩恵について、あなたは、どう思いますか?」

 次のようにエウテュデモスは話した。

「これらの中にも、神意の思いやりの証拠が見られます」

 次のようにソクラテスは話した。

「さて、同じ天の神の力が、火を人にもたらしてくれている、のは事実である」

「火は、寒さに対しての人への助けと成ってくれますし、闇の中で人への助けと成ってくれますし、役に立つので、いつか死ぬ運命の人が作る、と同時に、もたらす、全ての道具と、全ての技術において、同胞である人の職人達への助けと成ってくれます」

「要約すると、『火くらい話すに値するほど人の生活に役立つ物は無いし、火で作られた物は火のおかげである』のについては、どうでしょうか?」

 次のようにエウテュデモスは話した。

「ええ、神の思いやり深い計画、意図の、超越的な一例です」

 次のようにソクラテスは話した。

「さらに、太陽の動きを考えてください」

「太陽は、冬に自身の身を(ひるがえ)すと、ある果実は実らせたり熟させたりしながら、また、別の、ある果実は旬を過ぎさせて枯らしながら、再び我々の所へ近づきます」

「太陽は、務めを果たすと、それより近づいて来なくて、まるで人を焦がして過度に損傷させるのを恐れるかのように、背を向けて去ります」

「また、太陽は、もし太陽の後退が長引いたら、人が明らかに寒さで凍死してしまうであろう点に到達すると、温暖な最善の影響を人に及ぼす事ができる軌道で天空の領域を横断して自身の身を(ひるがえ)して接近を再開する事に、注目してください」

 (次のようにエウテュデモスは答えた。)

「はい。神に誓って!」

「前述のような太陽の動きが見られる事は、人のために、無上の存在である神が、そのように命じている痕跡をもたらしてくれます」

 次のようにソクラテスは話した。

「それから、また、焼けつくような暑さか、凍えるような寒さが、人を突然に不意に襲ったら、人が耐えられないのは、明らかです」

「どのように最終的に暑さや寒さの両極にまで来たのか人が気づかないほど、太陽は、徐々に接近してくれるし、徐々に後退してくれる事に、気づいてください」

(「暑さや寒さの両極にまで過酷さに人が気づかずに来るほど徐々に、太陽である神は、接近してくれるし、後退してくれる事に、気づいてください」※別の版)

 (次のようにエウテュデモスは応えた。)

「私としては、必要な物を人にもたらす事しか神々には務めが無いのか否か疑問に思ってしまいます」

「ただ、人以外の動物も、これらの(神からの)利益を人と分かち合っているので、そう思うのをやめました」

 次のようにソクラテスは話した。

「ああ、確かに」

「しかし、人のために、人以外の動物が生まれて増えるのは、明らかではありませんか?」

「いずれにせよ、羊や山羊、馬や牛やロバ、他の動物達から、非常に多数の喜びを得る生物は、人だけなのである」

「私ソクラテスが思うに、野菜達などの植物達よりも、人は、動物達に、より依存している」

「いずれにせよ、植物達と同様に、動物達は、生活手段として、また、商品として、人の役に立っている」

「実は、人の諸家族のうち大部分は、大地からの産物(である植物)を食べ物として全く利用しなくて、羊や牛の、ミルクやチーズや肉で生きるのである」

「一方、全ての場所で、全ての人が、もっと役に立つ種類の動物に成るように飼い慣らして家畜化しているし、戦争や、その他の目的のために、仲間の労働者として動物を利用している」

 (次のようにエウテュデモスは答えた。)

「ええ。私は、あなたソクラテスの話に同意せざるを得ません」

「なぜなら、人よりも非常に強い動物達が、人が思い通りに、それらの動物達を利用できるほど、人に服従しているのを、私は知っているからです」

 次のようにソクラテスは話した。

「また、人が自然の無限の美しさと有用さと多様さを熟考する限りでは、自然の多様さと調和している五感が(神々によって)人に与えられている事実について、人は、どう思うべきなのでしょうか?」

(「また、『人の役に立つ美しい諸々のものが、どれくらい存在するのか? それにもかかわらず、人の役に立つ美しい諸々のものが相互に、どれほど違うのか?』を人が熟考すると、諸々のものの各分類に適応している五感が神々によって人に与えられている事実について、人は、どう思うべきなのでしょうか?」※別の版)

「(神々によって)人に与えられている、自然の多様さと調和している五感によって、『人は、神からの全ての恩恵に満たされている』と人は理解するのである」

(「神々によって人に与えられている、諸々のものの各分類に適応している五感によって、幸せな一世界に入っているのである」※別の版)

「また、この(、神々によって人に)植えつけられている論理的に思考する能力は、人が知覚する諸物について結論を導き出す事を人に可能とさせますし、また、記憶力の助力によって『どのように諸物の各群が人にとっての善い物に変わるのか?』を理解する事を人に可能とさせますし、また、善い物を楽しみ、悪い物を退けるために無数の手段を考案する事を人に可能とさせます」

「また、最後に、(神々によって)人に与えられている理解し合うための話し合える能力について熟考すると、理解し合うための話し合える能力によって、人は、相互に教え合う事が可能であるし、前述の全ての恩恵を分かち合う事が可能であるし、諸々の社会を形成する事が可能であるし、法を確立する事が可能であるし、洗練された生活を手に入れる事が可能である事について、どう思うべきでしょうか?」

 次のようにエウテュデモスは話した。

「ええ、ソクラテスよ」

「確かに、『神々は、多大な配慮を、いや、思いやり深い配慮を人に示している』と思われます」

 次のようにソクラテスは話した。

「ええ、では、人には有益な未来を予見する力が無い時期に、神々は自ら、予言(、神託)によって起こりそうな出来事についての知識を質問者に教えて、また、『どのような手段によって、起こりそうな出来事を最善に利用できるか?』を質問者に教えて、人に協力してくれている事実について、あなたは、どう思いますか?」

 次のようにエウテュデモスは話した。

「ああっ、そして、神々は、他の人よりも更に、より思いやり深く、あなた、ソクラテスを大切に扱っているように思われます。神々は、あなたからの質問すら待たずに、事前に、『何をする必要が有るか』を、また、『何をしてはいけないか』を合図によって示してくれているならば」

 次のようにソクラテスは話した。

「ええ。また、神々御自身の(、人の)目に見える姿形を見るのを待たずに、神々の働きを見るだけで満足するならば、『(神霊が合図を示してくれる、という)私ソクラテスの話が真実である』と自分の目で知る事に成るであろう」

「また、あなたの前の諸物によって、諸物の創造者である神を畏敬するべきです」

「『正に神々御自身が、この(、見ずに畏敬しなさい、という)教えを暗示している』事を私ソクラテスは、あなたに熟考させるつもりです」

「神は、諸々の恩恵のうち一つだけではなく、神の諸々の恩恵を多数、人にもたらしてくれています」

「しかし、神々は、一つの恩恵を与えるのにも、ヴェールの奥から踏み出しては来ません」

「また、超越的に、神は宇宙を整理して保守していますし、宇宙の中の全てのものは美しいし善いのです」

(「また、超越的に、神は宇宙を整理して保守していますし、神の中の全てのものは美しいし善いのです」※別の版)

「神は、宇宙を病気や腐敗から解放し続けて疲弊させずに終わり無く宇宙を用いるために、宇宙を創造したし再創造してくれているので、人の思考よりも速くて正確に宇宙は神意を執行します」

「この神は、最強の働きをすると理解されるが、現実の中では、同じ神の統治は、いつか死ぬ運命の人の目には見えないのを甘受している」

「次のような事をさらに熟考してください」

「人が思うに、全ての人の目に見える、人の頭上にある、太陽は、人が太陽を(直視して)詳細に見過ぎるのを許容するつもりが有りません」

「実に、太陽は、厚かましく凝視して(直視して)太陽を見るのを試みた全ての人の視力を奪います」

「また、このように、神々御自身が人の目には見えないのであれば、同様に、神々の使い達も人の目からは隠されているであろう」

「雷は、高き天の高みから明らかに発射されて、衝突する全ての物に勝利するが、全ては人の目には見えないし、人の目は、雷の急降下の瞬間に、雷の去来の全てを感じ取る事ができない」

「風の働きは明らかですが、また、風の接触によって人は風に気づきますが、風自体も、人の目には見えません」

「また、特に更に、人が神と分かち合っている、人の魂自体は、明らかに人の内部で王座についているが、魂以外の全て(の精神的な物)と同じくらい完全に人の目からは隠されているのを、忘れないようにしましょう」

「あなたは、前述の事を心に留めるべきですし、人の目には見えないものを軽視せず、神々の力を認知できるように学ぶ必要が有るし、人の目に見える諸物で明かされているので、神の影響力を知る事ができるように学ぶ必要が有る」

 (次のようにエウテュデモスは応えた。)

「いえ、わずかでも神の影響力に対して聞く耳を持たない可能性は有りません」

「私エウテュデモスには、そのような可能性は有りません」

「ただ、いつまでも、ふさわしい感謝の気持ちで神々の思いやりに報いない、人の心について考えると私エウテュデモスは意気消沈してしまいます」

 (次のようにソクラテスは話した。)

「そのせいで、意気消沈するなかれ」

「デルポイの神アポロンが『どのように神へ感謝を返せば善いのですか』と質問してくる各人へ、どのように答えるのか知っていますか?」

「『あなたの都市国家の法律と慣習に応じて神へ感謝を返しなさい』」

「私ソクラテスが思うに、『人は、その人の能力に応じて捧げものを捧げる事によって、神々を喜ばせるべきである』というのが、全ての国家で、法律であり慣習である」

「では、どうしたら、神々が人に命じている事を行うよりも美しく、または、神聖に、人は、神々を畏敬する事ができるというのか?」

「人は、(捧げものを捧げるのを、)決して、怠けたり、能力に対して不十分であったりしてはいけない」

「なぜなら、人が、捧げものを捧げるのを怠けたり、能力に対して不十分であったりした時に、人は、神々を畏敬していない事に成ってしまうからである」

「そのため、能力に対して不足せずに、あなたの能力に応じて、あなたは、神々を畏敬する必要が有る」

「能力に応じて捧げものを捧げて神々を畏敬したら、元気に成って(神々からの)諸々の恩恵を最大に受け取る事ができると期待しなさい」

「なぜなら、どうして、論理的な感性の人は、最も人を助ける事ができる者達である神々以外の誰かから、諸々の恩恵を最大に受け取る事ができると期待できるというのか?」

「また、どうして、論理的な人は、助けてくれる者達である神々を喜ばせるように努める以外に、諸々の恩恵を手に入れる事ができると期待できるというのか?」

「また、どうして、最も従順に服従する以外に、助けてくれる者達である神々を喜ばせる事ができると期待できるというのか?」

 ソクラテスは、前述のような話によって、また、言行一致の行動によって、ソクラテスの友人達の心をより信心深くする、と同時に、より高徳にして、ソクラテスの友人達の心を形成した。

 (ソクラテスは、前述のような話によって、また、言行一致の行動によって、ソクラテスの友人達の心をより健全にする、と同時に、より信心深くする、のと同じくらい、より節制的、自制的にして、ソクラテスの友人達の心を形成した。※別の版)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ