第二巻 第八章 (老後も働ける知識労働者に成りなさい)(虚偽の非難を避ける方法)
第二巻 第八章 (老後も働ける知識労働者に成りなさい)(虚偽の非難を避ける方法)
別の、ある時、ソクラテスは、長い間、会えなかった古くからの友人エウテロスを偶然、見かけて、次のように、挨拶した。
「世界の、どの地域から来たのですか? エウテロスよ」
次のように、他方のエウテロスは答えた。
「終戦直前に、外国から戻って来ました」
「しかし、今は、都市アテナイの、ある地区から来ています」
「なぜなら、あなたソクラテスも知っての通り、国境も超えて、財産を奪われたからです」
(「なぜなら、あなたソクラテスも知っての通り、植民地の財産も奪われたからです」※別の版)
「そのため、父は、私エウテロスのために、アッティカに何も残せなかったのです」
「私エウテロスは、自国アテナイに滞在して、肉体労働によって生活必需品を自身にもたらさなければならないのです」
「『他人に物乞いするよりも、肉体労働は望ましい』と思います」
「また、特に、私エウテロスには、金銭を借りるための担保が無いので」
次のようにソクラテスは話した。
「では、肉体を貸し出して生活必需品を自身にもたらすのに、あなたの肉体が見合うのは、どのくらいの期間だと、あなたは予想しますか?」
次のようにエウテロスは話した。
「神だけが御存知です、ソクラテスよ、しかし、長くは無いでしょう」
次のようにソクラテスは話した。
「そうして、あなたが自身が老人に成ったのに気づいた時には、(老人は病気に成りやすいので)出費は減らないだろうが、『(肉体労働に不向きな老人である、)あなたを肉体労働者として雇って給料を支払いたい』と思う人は誰もいないだろう」
次のようにエウテロスは話した。
「それは事実ですね」
次のようにソクラテスは話した。
「では、すぐに、財産の管理の助手を必要としている大金持ちの誰かに申し出て、老いた時に大いに役に立つであろう仕事を当たってみるのが、より良いのではないだろうか?」
「金持ちの仕事を監督したり、金持ちが収穫を得るのを助けたり、金持ちの財産を全般的に守ったりする事によって、財産の継承者である金持ちのために成って、お返しに利益を与えてもらいなさい」
(次のようにエウテロスは声を上げて話した。)
「私エウテロスには奴隷の重圧は耐えられないのです! ソクラテスよ!」
次のようにソクラテスは話した。
「しかし、国家の諸部門の長達は、公共の財産を管理しているので『奴隷である』という評価を受け入れているとは見なされず、『かなりの、より高度な自由民の地位に到達している』と見なされます」
次のようにエウテロスは話した。
「一言で要約すると、ソクラテスよ、他人に対しての責任を問われるのを考える事は、全く、私エウテロスの好みに合わないのです」
次のようにソクラテスは話した。
「しかし、エウテロスよ、何らかの責任を取る必要が無い仕事を見つける事は困難だろう」
「実際、何らかの誤り無しに、何らかの事をするのは困難なのである」(何かをすると、何らかの誤りを伴いやすいのは、実際、仕方が無いのである。)
「それに劣らず、もし完全無欠に、何らかの事をするのに成功しても、敵意による非難から免れる事は困難なのである」(完全無欠に何かをしても、虚偽に非難される場合が多いのである。)
「さて、あなたエウテロスが、非難無しに、完全に、現在の仕事を終わらせるのは、簡単であるかどうか、私ソクラテスは疑います」
「非難無しに、完全に、仕事を終わらせるのは、簡単ではない?」
「あなたが、どうするべきか、私ソクラテスは言っておきましょう」
「粗探しが好きな者どもを避けるべきである」
「そして、思いやり深い人達を慕うべきである」
「また、何事でも、あなたができる事は快く進んで引き受けるべきである」
「そして、『できない』と思う事は断るべきである」
「何でも、心を込めて魂を込めて行って、最高の結果にしなさい」
(「何でも、心を込めて魂を込めて行って、最高の結果と成るように、全くの真心の熱意の表れと成るように、努力して研究しなさい」※別の版)
「それが、粗探しする者どもを黙らせる、と同時に、自分自身の困難への助けをもたらす手段なのである」
「(そして、)人生は円滑に進むだろうし、危険は減るだろうし、老年に対して安全に安定して備えられるだろう」




