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第二巻 第五章 (善友にとって自分は役に立っているか自問自答しなさい)

 第二巻 第五章 (善友にとって自分は役に立っているか自問自答しなさい)


 私クセノフォンは、ソクラテスの別の議論を聞いたのを覚えています。

 そのソクラテスの議論の意図は、反省を促す事であった。

 そのソクラテスの議論を聞く人は、「私は、友人にとって、何らかの価値が有るか?」と自問自答する気に成る必要が有ります。

 次のように、そのソクラテスの議論は起こりました。

 ソクラテスが気づいたように、ソクラテスと共にいた人達の一人が、貧困で難儀していた友人アンティステネスを助けるのを怠っていた。

 そのため、アンティステネスを助けるのを怠っていた人と、他の数人の前で、ソクラテスは、貧困に苦しんでいた人アンティステネスに質問をし始めました。

「(次の質問に対して、)あなたアンティステネスは、どう思いますか?」

「家にいる奴隷のように、友人には値段が有るのでしょうか?」

「家にいる奴隷のうち、ある人は、場合によっては、二ミナの値段かもしれませんし、別の、ある人は〇.五ミナの値段しかないかもしれませんし、さらに別の、ある人は五ミナの値段かもしれませんし、他の、ある人は十ミナの値段かもしれません」

「一方、『ニケラトゥスの息子であるニキアスは、ちょうど一タラントも自分の銀山の管理者に支払った』と言われています」

「そのため、次のように、私ソクラテスは自問自答します」

「奴隷のように、友人には市場的な値段が有るのか?」

 (次のようにアンティステネスは答えた。)

「疑い無く友人には値段が有ります」

「いずれにしても、私アンティステネスには、二ミナを受け取るよりもむしろ友人にしていたいほどの人がいるのを理解しています」

「また、私アンティステネスには、〇.五ミナという値段もつけたくないほどの(偽の)友人がいます」

「また、十ミナという値段もつけたくないほどの(偽の)友人もいます」

「さらに、友情を買うのに世界の全ての富と労苦がかかっても安いであろうほどの友人もいます」

 (次のようにソクラテスは話を続けた。)

「では、そうであるならば、次のように、全ての人は反省したほうが良いのではないでしょうか?」

「結局のところ、私は、友人にとって、何らかの価値が有るだろうか?」

「友人に見限られないように、可能な限り価値が有る者に成るように試みるべきではないか?」

「次のような泣き言をどのくらいの頻度で私ソクラテスは耳にした事であろうか?」

「『友人の誰々に見限られてしまった』」

「または、『友人であると見なしていた人が一ミナのために私を生贄にした』」

「そして、これらの発言、泣き言を聞くたびに、次のような自問自答が私ソクラテスの心に起こります」

「もし無価値な奴隷を売っている人が、売れるなら、どんな値段でも奴隷を売る用意が有るならば、」

「何らかのものと交換できる好機が有ったら、少なくとも、劣悪な偽の友人を売り払うように強く誘惑されないか?」

「(ただし、)私ソクラテスが見る限り、善良な奴隷が(売却されて)落札される事は無いのです」

「また、同様に、善良な友人も軽んじられて見限られる事は無いのです」

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