3話 俺の属性と師匠
俺が転生して3年の月日が経った。今日は教会に行って、俺の属性を調べる日だ。俺は自分の部屋を出て、皆がいるリビングに向かう。
「おはようございます、今日はよろしくお願い致します」
俺はリビングに入り、皆に挨拶して御辞儀をする。この世界では御辞儀は右手を胸に、左腕を後ろに回して御辞儀をするみたいだ。御辞儀は執事のオルドに教えてもらった。
「ああ、じゃあ皆準備をして教会に行こう」
アルバートが言って皆準備をしていく。
皆準備をし終えて、家を出る。そういえば外に出るのは今日が始めてだな。庭を出て、大通りを歩く。大通りには露店がいっぱいでとても賑わっていた。俺達は大通りから外れた道に入り、教会が見える。
「皆、入るぞ」
教会に着き、教会に入っていく。
「今日はどうなさいましたか?」
俺達が入ると、一人の修道服を着たシスターが聞いてきた。
「この子の属性を調べに来た」
アルバートが俺を前に出す。俺は1歩前に出て御辞儀する。
「よろしくお願い致します」
「かしこまりました」
俺達はシスターに連れられ、教会の奥に入っていく。奥に入ると、俺達は1つの部屋に入る。その部屋は壁、床、天上全てが真っ白な部屋に、1本の水晶を乗せた柱があった。
「この水晶に手を翳してください」
シスターは柱に近づき言ってくる。俺は柱に向かって近づき、水晶に手を翳す。
ピカッ
すると、水晶は透明に光。透明ってことは、俺の属性は無属性か。何故かシスターの瞳が一瞬濁った気がしたが、俺は気にせず皆の元に歩いて行く。突然何故かサラティアが俺を抱きしめてきた。
「大丈夫、大丈夫よ。例え無属性でも、私達はユウトを捨てたりしないから」
「誰が何と言おうと俺達はユウトを見捨てたりしないから、心配ない」
ああ、そうか。無属性は無能と言われてたな。だからサラティアとアルバートは俺を心配してくれたのか。
「大丈夫ですよ、僕は何とも思っていませんから。ありがとうございます、サラティア様、アルバート様」
俺は二人に向かって微笑む。二人は安心したのか微笑みを返してくる。
ああ、本当に俺はいい人達に拾われたな。アレス、今度だけは褒めてやるよ。俺は心の中で幸福を噛み締め、アレスを褒めてやる。俺達は教会を出て、ハルスト邸に帰っていく。
「すみません、アルバート様」
俺は帰る途中のアルバートを引き止めた。
「どうした?」
アルバートは振り返り、質問してくる。
「誠におこがましいお願いではありますが、木剣を買っては頂けませんか?」
「何故だ?」
俺はアルバートの疑問を返す。
「僕は執事ではありますが、もしもの時のお嬢様を守るためには剣を練習したいと思ったのです」
剣は前から思っていたことだ。魔法を使えたとしても、近接戦闘は不利だ。だから剣を覚えていても損はないと思ったのだ。
「よし、わかった」
アルバートは少し考えた後、俺の願いを了承してくれた。
「無理なお願いを聞いてくださりありがとうございます」
俺はアルバートで礼を言い、御辞儀をする。
「なに、ユリスのためを思ってくれたんだ。構わない」
今度こそ俺達はハルスト邸に帰る。
俺達は家に入り、皆とリビングに入る。皆はリビングから仕事、部屋に戻るために出て行く。俺も部屋から出て行こうとしたらアルバートに引き止められる。
「ユウト、話したいことがある」
「何でしょう?」
俺は足を止めて、アルバートに尋ねる。アルバートは椅子に座る。
「座りなさい」
俺はアルバートに言われた通りに座る。
「話しとは?」
「うん、ユウトが木剣を欲しいと言ったから剣と魔法の家庭教師を雇おうと思ってな」
「いえ!?そこまでして頂かなくても大丈夫です!」
とてもありがたい申し出だがそこまでしなくても。
「いや、ユリスを守るなら中途半端は許さないぞ」
アルバートは俺に向かってニヤッと笑う。
「ありがとうございます!」
俺はアルバートにお礼を言う。本当にありがたい。
「家庭教師は明日から探すから、見つかり次第ユウトに話す」
「かしこまりました」
俺はアルバートに御辞儀をしてリビングから出ると、ユリスが待ち構えていた。
「ユウト、父様と、何を話してたの?」
ユリスが無表情でアルバートとの件を聞いてきた。
「お嬢様に言うほどのことでもありませんので」
俺はユリスに御辞儀をして此処から去ろうとしたが、ユリスに袖を掴まれ引き止められる。
「お、お嬢様?」
「話して」
ユリスはジッと俺を見詰めてくる。俺はユリスの謎の圧力に負けて先程の事を話す。
「ーーという事です」
「そう、ありがと」
ユリスは満足したのか此処から去っていく。俺も自分の部屋に戻るとした。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
教会に行った日から1ヶ月、先日アルバートに家庭教師が見つかったと話してきた。そして今日遂に家庭教師が来る。俺は待ちきれずに玄関のあっちこっちを歩く。
ガチャ
ドアが開く。俺は足を止めて玄関を見る。先ずアルバートが入り、続いて2人の女性が入ってくる。
一人の左腰に木剣を下げている女性は赤髪赤い瞳のつり目に、長い赤髪をポニーテールした活気の良さそうな高校生程の女性だ。頭の両方の耳の上に後ろに曲がった角と尻尾あることから、竜人族だろう。
もう一人の女性は杖を持ち、緑のローブを着たショートボブの緑の髪に緑の眼をしたサラティアと同じく耳の長い中学生程の物静かなエルフ。
「紹介します、娘の執事で名前はユウト。ユウト、今日から教授してもらう竜人族の女性がAランク冒険者のカレンさん、そしてエルフの女性が同じくAランク冒険者のサリアさんだ」
アルバートが俺と女性達の紹介をした。それにしてもAランク冒険者を連れてくるなんて、Aランク冒険者といったら凄腕じゃないか。
「まあ、Aランクになったのは最近だけどな」
「カレン、侯爵様に何て口の聞き方を」
「構わない」
どうやらカレン達はAランクになったのは最近らしい。
「じゃあ早速始めるか、侯爵様、庭を使ってもいいか?」
「ああ、大丈夫だ」
俺はカレンに腕を掴まれ、引っ張られながら庭に入る。
「先ずはユウトの実力を知りたいから模擬戦をするぞ」
「え?いきなりですか?」
いきなり何を言っているんだ?
「勿論だ、さあ始めるぞ!」
カレンはいきなり俺に向かって走り出し、木剣を振るってくる。俺は反射的にカレンの木剣を受け止めた。だが、カレンの攻撃は止まずに次々と襲ってくる。流石に全部の攻撃は受け止めきれずに、何回か攻撃を受けてしまう。
「なんだなんだ?この程度か?」
カレンは俺を挑発しながら攻撃してくる。俺はカレンに向かって走り、左斜め下から右斜め上に切りかかる。カレンなら当然避けるだろう。予想していた通りカレンは避けて俺は直ぐに1歩踏み出し、右斜め上からカレンを切る。
だがカレンの木剣に受け流され、俺に隙が生まれる。カレンが俺の隙を見逃すはずがなく、俺はカレンに一撃をもらってしまった。
「最後のは良かったぞ、ユウト」
「負けたら世話ないですけどね」
俺はカレンに皮肉を言う。
「今度は私」
サリアが俺の前に出て言ってきた。
「先ずは、魔力や魔法属性は知ってる?」
「はい、知ってます」
俺は立ち上がりサリアの質問に返した。
「じゃあ、ユニーク属性は知ってる?」
「いえ、知りません。ユニーク属性って何ですか?」
ユニーク属性?名前からして自分だけの属性か?
「ユニーク属性は無属性と同じくらい持ち主が少ないの。ユニーク属性は名前の通り、自分だけの属性。木属性や毒属性などの、とても強力な属性なの。ユニークといっても昔のユニーク属性が未来で発現する人がいるみたい」
「なるほど」
ユニーク属性か、持っているのが無属性と同じくらい持ち主が少ないってことは、100万人に一人の割合か。
「ユウトの属性は?」
「はい、無属性です」
俺が無属性と言った瞬間、サリアは申し訳なさそうな顔をした。
「大丈夫ですよ、気にしてませんので」
「ごめん、じゃあ改めて。無魔法には3種類ある」
「たったの3種類だけですか!?」
おかしいな、俺はそれ以上の魔法を編み出したんだけど。
「そう、1つは弾丸を生み出し撃つ『バレット』。2つは弦を生み出す『ストリング』、3つは身体を強化する『身体強化』」
「説明を聞いていると強そうなんですが?」
「でも、バレットは威力が弱く、ストリングは直ぐに切れて、身体強化も強化率が小さいの。威力などを上げようと魔力を増やせば直ぐに魔力切れを起こしてしまう」
「そうなんですか」
サリアに一通り教えてもらった後、今日は終わり、カレンとサリアは帰って行った。




