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母と手をつなぎ山を歩いていると三人の人間と行き合った。あれ、あかねではないか?隣にいるのは両親か。あちらも気がついたようで両親に何かを告げこちらを指差した。
「母様見てくだされ、やはりあかねは見せていないのに見えるみたいじゃ!」
「そうね、それほど見えるわけでは無いみたいだけれど、後で善博に気をつけているよう伝えておきましょう」
両親はこちらを見ようとはしているが普通には見えるものでは無い。やがて諦めたのか深く頭を下げてから去って行った。
その後すぐに見つけた白い薊の種をさく叔母様はとても喜んでくれた。
親戚との挨拶も終わり、出雲の神社をいつきと共にうろついていると五柱の神が世間話をしていた。
「うちのとこでは初参りに八人しか来なくてのう」
「それだけくれば良い方さ、うちとこは二人だぞ、去年は一人もおらんかったし」
「どこも人が減っていくのう……」
「お前んとこはどうだ?三年も赤子が産まれてないと言っとったが」
「それがの、集落に若い夫婦が越してきての、今年男の子が一人産まれたんじゃよ!」
子供が減ったと嘆く神達の中で一柱、それは嬉しそうに話す神。
「そりゃえがったの」
「おう、もう嬉しくてのう、ついつい加護をやり過ぎてしまったわ」
「ほどほどにしとけよ!」
「年寄りの冷水にならん様にな」
「なにおう!わしゃまだまだ現役じゃい!!あの子に子供ができたらその子にも加護をめーいっぱいやるんじゃ!!」
「へいへい」
「まだ産まれたばかりだろに……」
飽きたのでまた歩く。
「いつき、いつき、うちの神社は初参り来たのか?」
「そうですね、集落合わせて十八人でしたよ」
「ふぅん」
しばらく行くと棒の先に付いた丸い飴をなめている子供を見かけた。
「参拝中に物を食べるとはなんて事!うちの若が欲しがったらどうするんだ!!」
「いつき、あれ食べたい」
「やっぱりぃ!若様駄目ですよう、父神様と母神様から境内から出ないよう固く約束したじゃ無いですか!?」
「出なければいいんじゃ、神官達のおやつを探そう」
「やめて下さい!他所の神社ですよ?いつものようにはいかないのです」
思いつくたびに止められて少し悲しくなってきた。そんな坊を見ていつきがため息を吐く。
「……わかりました、何とかしますから、大人しく境内にいてくださいね?」
その日、供え物には棒付きの飴が一つ追加されたのだった。




